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2018/11/30

シュアファイア流 最新ローライトタクティクス【2019年1月号掲載】

暗闇を制するためのフラッシュライトテクニックとは?

 

シュアファイア流最新ローライトタクティクス

 

 タクティカルライトのリーディングブランドであるシュアファイア。その教育訓練機関である「シュアファイア・インスティチュート」のインストラクターでもある本誌ライターのSHINが、東京サバゲパークにて開催されたシュアファイア日本代理店である七洋交産株式会社主催の「ローライトタクティカルレクチャー2018」に招かれ、5時間に渡るローライトトレーニングを行なった。今回はその模様を紹介しながら、シュアファイア・インスティテュートのカリキュラムに基づいた、タクティカルライトについての最新ノウハウを紹介していこう。

 

シュアファイア流最新ローライトタクティクス

最新型1500ルーメン出力のタクティカルライト。強烈な光の壁が生まれ、ライトから後ろは完全に見えなくなっているのがわかる

 

 タクティカルライトと普通の懐中電灯は大きく違う。懐中電灯は暗い部分を照らすために作られているが、タクティカルライトは明暗の差を生み出し、それを戦術的に活用するために作られている。以下に列挙したタクティカルライトの5つの主要アプリケーションを理解しておこう。

 

  • サーチング(対象を探し、見つけ出す)
  • ナビゲーティング(暗い中で移動するために必要な光を生み出す)
  • ターゲットID(対象を判断し、驚異がある相手なのかを判別する)
  • コントロール(対象の視界を奪い、その動きをコントロールする)
  • コミュニケーション(ライトの方向や照らし方により、音を使わないコミュニケーションを行なう)

 

シュアファイア流最新ローライトタクティクス

対象が拳銃を持っているのかいないのか、各距離からタクティカルライトを照らし、ターゲットIDにはどれほどの光量が必要なのかを検証する。結果として、出力はより大きいほうが良く、正確に光を届けられるビームのパターンが重要であることがわかった

 

シュアファイア流最新ローライトタクティクス

強烈なライトの照射により、光の中の対象をコントロールすることができる。だが、この段階での脅威はライトの外側、自分の使用している光を横から見ている人物である。強力なタクティカルライトの利点と弱点を、トレーニングの最初で体感することになった

 

タクティカルライトが持っているべき3つのフィーチャー

 

 タクティカルライトがその目的のために備えている構造的な特徴を理解する。市場には多くの「タクティカル向け」フラッシュライトがあるが、その基礎を作り上げたのはシュアファイアである。タクティカルライトが持つべき3つの機械的構造を紹介しよう。

 

  • 均一で歪みや暗いスポットのない完璧な高出力ビーム
  • 押している間だけ点灯するテールキャップスイッチ
  • 信頼性の高いパワーソース

 

シュアファイア流最新ローライトタクティクス

タクティカルライトには大きく分けて2種類がある。手に持って使用する「ハンドヘルドライト」(写真手前、シュアファイア製P2Xハンドヘルドライト)と、銃器に取り付けて使用する「ウェポンマウントライト」(写真奥、シュアファイア製スカウトウェポンマウントライト)である

 

シュアファイア流最新ローライトタクティクス

タクティカルライトのビームは2つのリングからなる。センター部分が遠くへと光りを飛ばすための「スロー」ビーム。そして周辺が広い範囲を明るくするための「フラッド」部分である。この「スロー」と「フラッド」の割合や角度は、タクティカルライトの目的によってそれぞれにデザインされているのである

 

シュアファイア流最新ローライトタクティクス

ウェポンマウントライトはハンドヘルドライトに比べて、発射の度に加わる衝撃や熱に対応したデザインとなっている。また多くの場合ビームのパターンも異なり、使用することを目的とした銃器に対応したものとなっている

 

実践!ローライトタクティクスにおける10か条

 

  • 光りを読み、利用する
  • もっと暗いところに体を置く
  • バックライトを避ける、コントロールする
  • 敵の目線から見る
  • 光を使ったら動く
  • 毎回異なる高さから短く光を使う
  • 光で制圧する
  • 撃つ際は銃口、目、ライトを直線状に同期させる
  • 複数のライトを持つ
  • 呼吸しリラックスする

 

 これら「ローライトタクティクスにおける10か条」が暗闇と光を有利に使うためのタクティクスである。実際に経験するために、クラスの後半は徹底的にフォースオンフォーストレーニングを行なった。

 

シュアファイア流最新ローライトタクティクス

 

 フォースオンフォーストレーニングとは、実際に参加者同士が撃ち合うことで学ぶ訓練である。サバイバルゲームとの違いは、学ぶ内容に集中するため相手を打ち負かすことが最終目的ではなく、学んだタクティクスを実際に使ってみるための実体験的な内容となる点である。基本はライトのみ、銃のみを持つそれぞれが組む2名チームを作り、2分程度の短い間に狭いフィールドで対峙する。これにより、それぞれの役割を学び、闇と光を有利に使える技術を体感できる。

 

シュアファイア流最新ローライトタクティクス

相手のバリケードを光のビームで剥ぎ取ってしまうこともできる。本誌ではこの他にも実践した様々なテクニックをご紹介しているのでぜひご覧いただきたい

 

シュアファイア流最新ローライトタクティクス

2分間のフォースオンフォースが終わるたびに「よかった点、改善する点」を意見交換するAAR(アフター・アクション・レポート)が行なわれる。フィールド上から見ている参加者のほうが、実は実際にフォースオンフォースを行なっているチームよりも学ぶことが多い

 

シュアファイア流最新ローライトタクティクス

 

 ローライトタクティクスとは「いかに明かりをつけて暗闇を照らすか」ではなく、暗闇をどのようにして味方に付け、ライトを有利に使いこなすかである。そのためにタクティカルライトは誕生し、進化してきた。今回は5時間という短い時間であったが、参加した生徒達はそれぞれに多くを学んでくれていたように思える。ご参加いただいた生徒の皆さま、主催の七洋交産株式会社様、フィールドを提供していただいた東京サバゲパーク様、ありがとうございました。

 

TEXT:SHIN
取材協力:七洋交産株式会社

撮影協力:東京サバゲパーク

 


この記事は2019年1月号 P.48~53より抜粋・再編集したものです。

 

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