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2021/07/17

メカボックス内部の洗浄とシム調整をしてみよう! ~かすみん技術工房~

 

 月刊アームズマガジンのライターを務めながらエアガンショップの店員として日々勉強中のかすみんが、エアガンのことについて詳しくレポートしちゃいます!

 

メカボックス内部の洗浄とシム調整をしてみよう! ~かすみん技術工房~

 

 どうも! 雨の日のサバゲーもわりと好きなかすみんです!それでもやはり、梅雨の時期は外出がおっくうですよね。そんな時は、エアガンのお手入れやプチカスタムなどはいかがでしょうか? このページは、私自身がよりエアガンの内部構造を理解するため、そして読者の皆さんがカスタムを始めるきっかけになれたらという思いで執筆しています!
 前回は「ver.2タイプのメカボックスの分解」を行ないました。細かいパーツが多く、紛失しないか心配でした。さて、今回は「メカボックス内部の洗浄・シム調整」にチャレンジします!

 

【前回の記事はこちら】

 

メカボックスをきれいにしよう

 

使用したクリーナー

 

 メカボックスやパーツの洗浄にオススメなのはこちら! 本誌でたびたび紹介されている「バレルクリーナーZ」等で有名な、ドロップキックプラトーンさんの「メカボクリーナーX」とホームセンターで見かけるパーツクリーナーです! 洗浄するパーツに樹脂やゴムがある場合は、それらの材質を侵食しないパーツクリーナーを選びましょう。

 

メカボックス内部の洗浄とシム調整をしてみよう! ~かすみん技術工房~
メカボックス内側:メカボクリーナーX
パーツ類:市販のパーツクリーナー

 

軸受けを外す&バリを取る

 

メカボックス内部の洗浄とシム調整をしてみよう! ~かすみん技術工房~
前回外し忘れていた軸受けを、ピンポンチとハンマーで叩いて外します。その際、下にマスキングテープを置いて衝撃を和らげます

 

メカボックス内部の洗浄とシム調整をしてみよう! ~かすみん技術工房~
メカボ内部にある成型時のバリを削りっていきます。ケガをしないよう注意しながら指でなぞって確認します

 

メカボックス内側の油分を取り除く

 

メカボックス内部の洗浄とシム調整をしてみよう! ~かすみん技術工房~
拭き取り時に繊維が残りにくいペーパータオルなどにメカボクリーナーXを浸し、メカボの内側全体を拭きます!

 

メカボックス内部の洗浄とシム調整をしてみよう! ~かすみん技術工房~
一見キレイに見えるメカボでも、油汚れが多く取れます。キレイになると気持ちがイイですね!

 

メカボックスに割れ防止加工を施す

 

メカボックス内部の洗浄とシム調整をしてみよう! ~かすみん技術工房~
メカボックスの割れ防止加工を施します。赤い矢印で示した、応力がかかる部分8カ所(片面4カ所ずつ)を丸ヤスリで角を落とし丸く仕上げます

 

メカボックス内部の洗浄とシム調整をしてみよう! ~かすみん技術工房~
削りカスが出るのでパーツクリーナーを吹きかけてさらに洗浄します。ゴミ箱の上でやると周りに削りカスが飛び散りません♪

 

パーツの汚れも落とす

 

メカボックス内部の洗浄とシム調整をしてみよう! ~かすみん技術工房~

 

 今回のカスタムでは、セクターカットいらずのG&G「13枚歯セクターギア」と耐久性・相性が良い同じG&G製のベベルギア、スパーギアをチョイスしました。軸受けは、耐久性と効率からLONEXの「ダブルグルーブ」を組み込んでみることにしました!

 

メカボックス内部の洗浄とシム調整をしてみよう! ~かすみん技術工房~
新品のパーツですが、製品の状態によっては汚れが付着している場合があるので、パーツクリーナーと歯ブラシを使って洗浄します

 

メカボックス内部の洗浄とシム調整をしてみよう! ~かすみん技術工房~
軸受けはキャップなどの小さい容器に入れ、パーツクリーナーの液に浸します。かき混ぜて汚れが落ちたら乾かします

 


 

シム調整に挑戦!

 

 メカボックス内部の洗浄が済んだら、今回はシム調整をしていきます。メカボックスとギアの間の隙間を「シム」という薄いリングで調整して適度なクリアランスにすることでギアノイズが軽減し、耐久性もアップします。簡単なようで、すごく難しい繊細な作業です!

 

軸受けはキャップなどの小さい容器に入れ、パーツクリーナーの液に浸します。かき混ぜて汚れが落ちたら乾かします

 

 使用したシムはPISCONの「ノイズレスシムセット」で、0.12mm /0.24mm / 0.48mmと厚みが異なるシムを組み合わせて使います。メモを取りながら細かく調整していきます。通常は「スパーギア→ベベルギア→セクターギア」の順で調整していくのが一般的ですが、今回は「ベベルギア→スパーギア→セクターギア」の順で行なっていきます。

 

手順1:軸受けをはめ込む

 

 まず取り外していた軸受けを圧入します。瞬間接着剤を少し塗り、軸受けをはめてピンポンチとハンマーで斜めにならないようにメカボに対して垂直に打ち込みます。力加減が難しい!

 

メカボックス内部の洗浄とシム調整をしてみよう! ~かすみん技術工房~
傾かないように垂直に打ち込みます

 

手順2:ベベルギアのシム調整

 

 まず、ベベルギアの右側のシムを決めます。メカボにグリップとモーターを取り付け、モーターの位置とベベルギアとピニオンギアに適度なクリアランスが取れているかチェックします。次にベベルギアの左側のシムの高さを決めます。シムを入れ、メカボックスを閉じ、ネジを締めてメカボの外側から軸を押してほんのわずかに遊びが感じるようにします。

 

メカボックス内部の洗浄とシム調整をしてみよう! ~かすみん技術工房~
右側のシムを決めてから左側の高さを調整

 

手順3:スパーギアのシム調整

 

 次はスパーギアの左側のシムを調整します。メカボを開け、スパーギアの側面がベベルギアの側面に接触しないようにシムを入れて調節をします。いったんメカボを閉じて、スパーギアの軸を押し「ベベルギアに干渉していないか」「ギア遊びが最小限になっているか」の2点を確認します。問題がなければ、今度はスパーギアの右側にシムを入れて調整します。セクターギアの側面とスパーギアの側面が接触しないようにシムを入れて調節します。

 

メカボックス内部の洗浄とシム調整をしてみよう! ~かすみん技術工房~
スパーギアは左側を決めてから右側!

 

手順4:セクターギアのシム調整

 

 スパーギアの調整を終えたら、セクターギアの左側と右側のシムを決めます。シムを入れて調節して横から各ギアのクリアランスを確認し、収まりを見てメカボを閉じます。

 

メカボックス内部の洗浄とシム調整をしてみよう! ~かすみん技術工房~
クリアランスを確認したらメカボックスを閉じる

 

メカボックス内部の洗浄とシム調整をしてみよう! ~かすみん技術工房~
スパーギアの軸を押してセクターギアが動かなければOK!

 

手順5:ギアの動作確認

 

 メカボに指を入れギアを回し、「引っ掛かりがないか」「ギアがちゃんと回るか」を確認します。問題がある場合は、またシムを増やしたり減らしたりして調整しましょう。

 

メカボックス内部の洗浄とシム調整をしてみよう! ~かすみん技術工房~
シム調整が正しくできていたらすごくスムーズに回ります!

 

メカボックス内部の洗浄とシム調整が完了!

 

メカボックス内部の洗浄とシム調整をしてみよう! ~かすみん技術工房~

 

 シム調整の率直な感想としては…む、難しいです! シム調整ができるようになるには、とにかく何度もメカボックスを開け閉めして試行錯誤しながら指先の感覚を育てていくしかないですね。経験あるのみ!
 さて、次回は今回のカスタムで使用する交換パーツを詳しく紹介していきたいと思います!

 

TEXT:かすみん/アームズマガジンウェブ編集部
PHOTO:GOAT
協力:AIRSOFT97
Twitter:@aburaneko517
公式LINE:@kasumin

 

この記事は月刊アームズマガジン2021年8月号 P.150~151より抜粋・再編集したものです。

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