2021/07/11
「64式小銃」VS「G3A3」&「M14」 1960'バトルライフル徹底比較!!
64式小銃は開発にあたり、アメリカ軍の制式小銃であるM14やFN FAL、ヘッケラー&コックG3A3といった1950~1960年代にかけて開発されたバトルライフルを参考にしたとされている。しかし門外不出の64式小銃とそれらのバトルライフルを直接比較することは不可能。そこでトイガンを用いて同時代のバトルライフルとのディテールや操作性の比較を行なってみた。
M14 vs 64式小銃
※以下、画像は上がM14、下が64式。
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全体
東京マルイのU.S.ライフルM14ウッドタイプストックver.電動ガンとG&GアーマメントType64 BR電動ガンを並べたところ。全長はM14が1,127mm、64式小銃が985mmとなっておりM14が140mmも長い。ストックの形状が大きく異なるものの、マガジンやトリガー、レシーバーの位置関係は意外と似ている。
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ハイダー/アウターバレル/ガスレギュレーター/フロントサイト
ハイダーの形状はM14が横長、64式小銃が縦。フロントサイトはM14はバレルに直接装着されている。ガスピストンはM14がバレル下、64式小銃がバレル上に設けられており、両銃とも銃剣止めが付いている。
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ハンドガード/フォアエンド
ボルトアクションライフルと同じストック形状を持つM14はフォアエンドが木製(実銃)、バレルジャケットはグラスファイバー製。64式小銃は上下2分割式の上がFRP、下がアルミ合金製。64式小銃はバイポッドが付く。
- ストック
ストックは両銃とも木製だがM14はボルトアクションライフルのようなストックとグリップが一体になったもので、64式小銃は直銃床タイプでピストルグリップが独立している。ショルダーレストはどちらにも付属する。
- レシーバー
両銃ともガス圧作動(ショートストロークピストン)方式ながらボルトの閉鎖機構が大きく異なる。M14はロータリー式に対して64式小銃はティルトボルト式。M14はセーフティレバーとセレクターレバーが独立して設けられている。
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リアサイト
M14のリアサイトはM1ガーランドから継承されているクレイドルデザイン。エレベーションノブをUPのほうに回すとリアサイトアパーチャーがせり出してくる。64式小銃は可倒式でダイヤルを回すとピープ部分が上下動する。
H&K G3A3 vs 64式小銃
※以下、画像は上がH&K G3A3、下が64式。
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全体
LCTエアソフトのLC-3A3(G3A3)電動ガンとG&GアーマメントType64 BR電動ガンを並べたところ。全長はG3が1,026mm、64式小銃が985mmで大差ない。どちらも典型的なバトルライフルらしいフォルムだが、64式に比べてG3A3のほうがバレルとストックが長く、小柄な日本人が構えると持て余してしまう。
- リアサイト
G3は射距離に応じてドラム部分を回転させて照準をあわせるロータリータイプ。光学機器の搭載は64式小銃はレシーバー左側にマウントベースが装着できるのに対して、G3はレシーバー上面に専用のクロウマウントが装着できる。
- ハンドガード
ヘッケラー&コックはAR15と同じく1960年代からハンドガードやストックに樹脂を活用している。コッキングハンドルはコッキングチューブ左側に設けられており、MP5と共通の操作性を持たせている。
- フラッシュハイダー
G3はいわゆるバードケージタイプのフラッシュハイダーが付属する。64式小銃のような銃剣止めがなく、フロントサイト下にあるコッキングチューブエンドキャップを外してバヨネットアダプターに交換してからバレル上部に着剣する。
- ストック
G3のストックはハンドガードやグリップと同じ樹脂製。グリップ後端からバットプレートまでの距離がG3のほうが長く、小柄な日本人にとっては構えにくい。64式小銃に持ち替えると日本人向けに作られているのが即座に体感できる。
- レシーバー
レシーバーは64式小銃は削り出し、G3はプレス製。G3はセレクターレバーが左側にあり、グリップを握ったまま操作できる。マガジンキャッチはセンターレバーと右側から操作できるボタンが両方備わっている。G3の作動方式はローラーロッキングによるディレードブローバック方式。
- グリップ
G3、64式小銃ともピストルグリップだがG3は樹脂製、64式小銃は木製。G3はトリガーやセレクターレバーが組み込まれたロアレシーバーとグリップをセットにして「トリガーグループ」と呼んでいる。
TEXT:アームズマガジン編集部
この記事は月刊アームズマガジン2021年7月号 P.52~53より抜粋・再編集したものです。