2018/11/01
東京マルイグロック19インプレッション by SHIN【2018年12月号掲載】
実銃のグロック19を愛用するシューターから見た東京マルイの完成度はいかに!?
グロック19、特に東京マルイが製品化した第3世代(ジェン3)モデルは、筆者が日常的に携帯しているモデルでもあり、10年以上に渡って手元にあるもっとも身近なピストルでもある。アームズマガジン編集部にて毛野ブースカに東京マルイのグロック19を見せられた時、何の違和感も覚えなかった。違和感のなさは、東京マルイのグロック19が形状だけではなく、スライドとフレームの材質の違いやテクスチャー、小部品の表現等、細かな部分まで実銃のグロック19を数日前まで毎日見ていた筆者にとっても「実銃」を完璧に表現していたからだ。
自身が所有しているグロック19(グロックがビッカーズタクティカルとコラボレーションし、限定生産したRTF2グレーフレームを持つジェン3モデル)を撃つSHIN。実銃を熟知する筆者が東京マルイグロック19へ抱いた感想は……?
手に持ってみると確かに少し重さは軽い。これは実銃のスライドとバレルがスチール製であるのに対して、トイガンである東京マルイ製のグロック19はABS樹脂を使用している点にある。だが、装填されていない状態の実銃のグロック19は600g。東京マルイ製のグロック19が640gなので実は少し重い。よく見るとフレームのバックストラップ部分にウエイトを入れて重量を稼いでいるのがわかる。グリップを握った感じも実銃とまったく同じ。トリガーガードの下部が分厚く感じられ、グリップのフロントストラップのフィンガーグルーブの感触とバックストラップのハンプ(出っ張りのあるカーブ)が手のひらに押し付けられる感触も実銃と同じだ。スライドを引っ張ると確かにリコイルスプリングの力は弱いが、内蔵されたハンマーを感じさせないスムーズな引き具合は、ストライカーピストルの感触をよく表している。
ジェン3後期型をモデルアップしているので、3ピンタイプと呼ばれるフレームだ。.40S&Wモデルが追加された時からこの強化フレームピンが追加された
エキストラクターは別部品となってリアル。実銃ではチャンバーに弾が入った状態では少し飛び出しローデットインジゲーターとしても機能するが、東京マルイのグロック19では装填された状態を表している
サイトはフロントにホワイトドット、リアはノッチを囲むようなスクエアにホワイトラインが入ったグロック独特なデザイン。このデザインはリアルガンのグロックの弱点でもある部分で、正確にフロントサイトとリアサイトを合わせると、フロントサイトのホワイトドットの下半分がリアサイトによって隠れてしまう。逆にフロントサイトのホワイトドットをリアサイトのセンターに持ってくると正確な照準とはならない。この弱点すら東京マルイのグロック19は完璧に再現している。
マズル部分はグロックのポリゴナルライフリングを正確に再現している
フレーム下部のシリアルナンバープレートがマニュアルセーフティとなっている。前後にずらすことで操作できる。リアルさを損ねない良いデザインだ
トリガーは実銃のグロックが持つユニークな「セーフアクション」を再現している。「セーフアクション」ではストライカーが7割程度後退した状態で保たれる。シューターがトリガーを引くことで最後の3割がさらにコックされ、ここで初めて撃発するのに必要なエナジーが得られるデザインとなっている。これによりシューターが触っていなければ、グロックは暴発することがない絶対安全な構造を誇っているのだ。東京マルイのグロック19は、この独特な「セーフアクション」のトリガーメカニズムの動きを完璧に再現している。もちろん内部構造は異なるので実際の機能は異なるが、トリガーに触れて軽く引くとトリガーはスムーズに後退する。その後トリガーの重さは壁にぶつかったように急激に重くなる。この壁を乗り越えるように「ブレイク」すると鋭いブローバック作動が起こった。この、スムーズで長いテイクアップ、そして硬めのブレイクの2つの感触がグロックのトリガーの特徴であり、その独特な機構を感じさせるトリガープルを正確に再現したのが、東京マルイのグロック19だ。
スライドストップ、マガジンキャッチの位置も実銃どおり。そのテンションもリアルに再現されている
操作フィーリング&実射テスト
最初から快調な作動を見せたが、数百発を撃ったところでアタリがついたのかブローバックのキレ、トリガーの感触がさらに良くなった。サイトは6時照準で行なったが、これは使用するBB弾の種類、ホップ調整に影響されるだろう。驚いたのが30m先の8インチ程度のプレートにコンスタントに命中させられる命中精度はさすが東京マルイである。左右のブレはまったくなく、25mを超えた辺りから上下に少しだけ振れる弾道はブローバックによる鋭いリコイルショックと、ガス圧の変化によるものだと感じられた。
毛野ブースカ立ち合いのもと30m、40 m、45 m地点に置かれた8インチ程度のプレートに向けて撃つ。想像以上の弾道の安定さに驚いた
東京マルイの最新作であり、待ち望まれたグロック19の出来栄えは実銃に慣れた筆者にとっても高得点なモデルとなっている。実射性能にも驚きだが、特に形状だけではなく実銃のテクスチャー、サイトのくせ、トリガーの感触まで再現した手に持って体感して遊ぶ模型としての価値まで高めた部分に驚きを感じている。
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SHINによるグロック19の実銃比較レビューは以下よりご覧ください
TEXT:SHIN
撮影協力:フォリッジグリーントキガワ
この記事は2018年12月号 P.86~87より抜粋・再編集したものです。