実銃

2021/03/17

【実銃】フルオートの命中率抜群!! サブコンパクトAR「FERFRANS SCW」

 

 FERFRANSファーフランス S C W サブコンパクトウェポンは、ハンドガン並みの7. 5インチバレルを装備し、全長が20.5インチ(約52cm:ストック収縮時)に収まるミリタリー&LE向けのコンパクトなM4/ARクローンで、D.S.A.S.(ディレイドシアアクティベーションシステム)により発射サイクルを抑えることで、フルオート射撃時の命中率を飛躍的に高めているのが特徴だ。今回はその銃をご紹介しよう。

 


 

FERFRANS SCW
Sub-Compact Weapon

 

 

  • 口径:5.56mm×45 
  • 全長:20.5インチ(ストック収縮時)
  • バレル長:7.5インチ  
  • ライフリング・ツイスト:1/9 
  • 作動方式:ショートストロークピストン
  • 発射速度:毎分550-680発 
  • 装弾数:20発/30発

 

フルオート射撃が難しいM4

 

 従来のM4シリーズ(5.56mm×45口径、14.5インチバレル)はセミオートでの撃ちやすさには定評があり、ドットサイトを装備すると100ヤードまでなら少々のトレーニングで手のひら大に集弾させることが可能になる。

 ところが、これがフルオート射撃となるとハナシが変わる。M4のフルオート発射サイクルはバレルが短くなるほど速くなる傾向で、特殊部隊などでよく使われる10インチ前後のバレルでは、毎分900発を超えてしまう。こうしたコンパクトなM4を一般の兵士が15ヤードの距離から肩付けしてシルエットターゲットをフルオート射撃すると、1発目はセンターに当たるとしても、2発目は胸から肩にかけて着弾し、3発目はそのほとんどがターゲットを右上方(右利きの場合)に外してしまう可能性が高い。つまり回転数が高いために、マズルを引き戻す前に次弾が発射されてしまい、集弾しなくなるのである。

 その問題を解決するM4/ARクローンを製作した銃器メーカーがファーフランスだ。

 

フルオートの集弾性を高めた「SCW」

 

 ファーフランスはアメリカ・ロサンゼルス近郊にある銃器メーカーで、ミリタリー&法執行機関L E向けにM4/ARプラットフォームのライフルを製造している。同社のM4/ARクローンはショートストロークピストン方式を採用。さらに独自のD.S.A.S.( ディレイドシアアクティベーションシステム)によって、従来のM4では毎分850-900発はある発射サイクルを、毎分550-680発に抑え込み、その命中率を向上させたことで知られる。
 フルオート時におけるコントロールのしやすさは抜群で、いくつもの警察ポリスデパートメントにおけるSWATユニットや、アラブ諸国、東南アジアの特殊部隊で制式採用されている。つまり、知る人ぞ知る玄人くろうと向けのメーカーなのである。
 今回ご紹介する S C W サブコンパクトウェポンはセカンドジェネレーションともいえるモデルで、7.5インチバレルと軽量なピストンシステムへの換装に加え、マキシムディフェンス製SCWストックの採用により、極力コンパクトにまとめている。そして改良を重ねたファーフランス独自のサイクルリデュースシステム、D.S.A.S.を組み込んだ意欲的なモデルだ。

 

OSS製サプレッサーを装着したSCW。5マガジンほど連射したら、サプレッサーに装着していたカバーが溶けてしまった。表面にその跡がついている

 

ハンドガードを外した状態。SCWのピストンシステムは小型軽量化されている。マズルブレーキもファーフランス製で効き目は折り紙付きだが、発射音と横方向への噴出ガスはものすごい

 

左がD.S.A.S.( ディレイドシアアクティベーションシステム)が組み込まれたファーフランス製ボルトアッセンブリ。右のLaRue製ボルトアッセンブリと比べると違いがよく分かる

 

マキシムディフェンスのSCWストック。従来のM4ストックよりぐっとコンパクトで、全長を抑えるには最適。伸長時も肩づけ射撃に必要充分な長さとなる

 

SCWのフィールドストリップ。ここまでの分解に要するのは10秒程度。手早く分解できるのも魅力の一つだ

 

 次のレポートでは、このSCWの実射レポートを紹介しよう。D.S.A.S.のもたらす集弾効果をぜひご覧いただきたい。

 

実射レポートはこちら
 

Text & Photos:Hiro Soga

Special Thanks to

FERFRANS :http://www.ferfrans.net

 

この記事は月刊アームズマガジン2021年4月号 P.70~77より抜粋・再編集したものです。

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