2021/02/19
【実銃】元海兵隊員が教えるタクティカルトレーニング
LA暴動をきっかけにセルフプロテクションについて強く意識するようになった筆者は、さまざまなタクティカルトレーニングに精を出すようになった。そこで今回はスカウトスナイパーの経歴を持つインストラクター、元海兵隊のヴィクター・ロペスによるタクティカルトレーニングのレポートをご紹介しよう。
アメリカ在住ライターが選ぶ自衛用銃器
「Scoped M4 Carbine」についてはこちら
Urban Scoped Rifle Class by Victor Lopez
さて、ヴィクター・ロペスについて改めてご紹介しよう。彼は米海兵隊のスカウトスナイパーとして3回の海外派遣を経験しているインストラクターであり、LAPDの現役オフィサーでもある。これまで何度も月刊アームズマガジンの実銃記事にも協力している。筆者も信頼するインストラクターの1人だ。
その彼が指導してくれるタクティカルトレーニングの一つ、“Urban Scoped Rifle Class”、「都市部でのスコープ付きライフルクラス」の一部をご紹介しよう。
ポジションの移行
立ち撃ちはいちばん早く射撃に入ることができるが、射撃精度は落ちる。また撃ち返された場合、被弾してしまう可能性も高い。シチュエーションに合わせて、素早く各ポジションに移行できるようにする。今回説明するのは自然に立った状態から膝撃ちへ移行する流れである。
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ヴィクター曰く「ニーリングでは腕の筋肉を膝の皿の内側に当てると安定する」とのことだ。写真を見ると左端の生徒は滑らかに移行し、最後の写真ではすでにターゲットをスコープで捉えている。このクラスでは一般市民だけではなく、銃器の扱いに慣れた人もいるのだ。
コンビネーションシュート
伏射、膝撃ちなどのシューティングポジションを使って、15-150ヤードの間で移動しながら各種バリケードから撃つ。途中で走るので、いかに早く呼吸を整えトリガーをコントロールするか、レクチャーを受ける。
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150ヤードスタンディングから2発、15ヤード走ってバリケードから2発、20ヤード走ってトレーラーの陰から2発、それぞれスティールシルエットに撃ち込む。当たるまで撃つので、かなり難易度は高い。マガジンチェンジする生徒もいた。
まとめ
このようにヴィクター・ロペスはいざそのときに活用できるさまざまな動きをこのクラスでレクチャーしてくれた。受講した12名の生徒の装備も全員がM4スタイルカービンを使用していたが、6名が1-4倍、もしくは1-6倍のイルミネーション付スコープを搭載していた。内訳は2名が1.5倍固定のACOG、2名が3-9倍のスコープ、1名がエイムポイント+3倍ブースター、1名がトリジコンMROのみ、という内訳だった。彼らはいずれも異なるセットアップのアッパー、もしくは何挺ものM4スタイルカービンを所有しており、このスタイルがUSAでのスタンダードであることをうかがわせた。
貴重な体験をすることができたタクティカルトレーニングクラス。このレポートは
月刊アームズマガジン2021年3月号に詳しく載っている。ここでは掲載しきれなかった射撃のテクニックなど、サバゲーでも応用できる技術が満載なのでぜひお手に取ってご覧いただければ幸いだ。
Text & Photos: Hiro Soga
この記事は月刊アームズマガジン2021年3月号 P.58~65より抜粋・再編集したものです。