2021/01/26
リエナクトメントのススメ vol.14【WEB版:HGG 13「1945 BATTLE OF BIZORY」イベントレポート その4】
月刊アームズマガジンで連載している「リエナクトメントのススメ」。そこでは「リエナクトメント」を歴史的な事象の再現と定義し、テーマを第2次世界大戦としている。現在、世界中で第2次世界大戦をテーマとしたさまざまな「リエナクトメント」が行なわれているが、比較的参加しやすい国内のイベントを中心に紹介するとともに「リエナクトメント」の楽しさを伝えたいと考えている。
WEB版第14回では、2016年1月23日・24日に行なわれたイベント、御殿場SVGNET主催のHGG 13「1945 BATTLE OF BIZORY」の糧食再現に焦点を当てて紹介する。
HGG 13「1945 BATTLE OF BIZORY」イベントレポート~その4~
前回まで3回にわたり、2016年1月23日~24日に行なわれた、御殿場SVGNET主催のHGG 13「1945 BATTLE OF BIZORY」のイベントの流れを紹介したが、今回からは糧食再現に焦点を当ててみたい。
リエナクトメントイベントで再現される糧食は、参加者の楽しみの1つであるが、レシピの再現にとどまらず、時期と場所、部隊とその補給状況などをイベントの設定に合わせた糧食再現は、イベントをより深みのあるものにする。
アメリカ軍の糧食木箱
アメリカ軍糧食班天幕内に積まれた糧食木箱である。これはコンバットレーションも糧食班が加熱してから支給することがあるため、糧食班の天幕に置かれている。
アメリカ軍の糧食計画書
アメリカ軍の糧食班天幕の中に、バインダーに挟まれた糧食計画書が吊るされていた。同計画書には、配食タイミング、メニューとその総量、材料、1人当たりの支給量が記載されていた。こうした事前準備が重要なのだ。
アメリカ軍糧食班の奮闘
アメリカ軍の糧食班は、天幕の中にフィールドレンジと作業台を備えていた。イベントの設定が包囲下の第101空挺師団で、敵の攻撃に猫の手も借りたい状況だったとはいえ、1人で16人分の糧食を作るのは大変だったろう。
アメリカ軍初日の昼食
写真のメニューは、パンケーキ、クリームとバタースプレッド、フルーツカクテル、にコーヒーが付いた。糧食班がBレーション(コンバットレーション)の材料を使い、調理した後に中隊本部地域にて配食した。
フードコンテナで前方地域へ支給
初日の夕食は、ポークビーンズ、乾燥パン、コーヒーとチョコレートバーで、缶詰、乾燥物を中心に構成された10 in 1レーションを糧食班が温め、フードコンテナ(糧食保温運搬缶)を使用して前方地域へ支給。
増加食
夜には雪中で野営する部隊のために、温食の増加食として暖をとる目的でチキンクリームスープが支給された。こうした増加食のありがたみの追体験も貴重だろう。
取材・画像協力:御殿場SVGNET
TEXT&PHOTO:STEINER