2020/06/24
リエナクトメントのススメ【WEB版】
月刊アームズマガジンで連載している「リエナクトメントのススメ」。そこでは「リエナクトメント」を歴史的な事象の再現と定義し、テーマを第2次世界大戦としている。
現在、世界中で第2次世界大戦をテーマとしたさまざまな「リエナクトメント」が行なわれているが、比較的参加しやすい国内のイベントを中心に紹介するとともに「リエナクトメント」の楽しさを伝えたいと考えている。WEB版第1回では国内で行なわれた各種のイベントを紹介することにする。
「リエナクトメントについて」
テーマを限定した再現
これはソビエト趣味の団体ゴスロギ主催で行なった、「酒食」と「音楽」をテーマにしたイベントである。参加者はソビエト時代のお酒を含む飲み物や食事を楽しみながら、ロシア語で歌われる軍歌や民謡などのコンサートを聴く事ができる。ドレスコードはないので、軍装していなくても参加できるのも特徴と言えるだろう。現在は「軍装市場・バラホルカ」として、年に4回開催されている。
赤軍でも食されていた「海軍マカロニ」
視覚的再現
イベント名称「赤い肩章計画」は、関西のヒスサバ実行委員会(後の関西ヒストリカルイベント運営事務局)が企画し、海洋堂の全面協力で行なわれた。イベント名の赤い肩章とは、ドイツ陸軍の砲兵の兵科色(肩章の縁取)が赤であることに由来する。海洋堂が所有しているドイツ軍の88mm対空砲を使用して、プラモデルのボックスアートを再現しようというのが、このイベントのテーマであった。視覚的再現のみを目的としたが、参加者は88mm対空砲を人力で移動セッティングするなど、貴重な体験ができた。現在では同主催のヒスサバやフロントシリーズなどのイベントが行なわれている。
ケッテンクラートを操縦しているのが、海洋堂のセンムこと宮脇社長
このイベントは非公開であったが、関西を中心に関東の有志も集まった
戦場(時期と場所)を設定した再現
これは御殿場SVG NET(御殿場サバイバルゲームネットワーク)の主催で行なわれた「COMBAT!」からの1コマである。このイベントは、より詳細な設定の元に行なわれる「リエナクトメント」イベント「H.G.G.」への導入として行なわれたもので、軍装サバイバルゲームと「リエナクトメント」の中間的な存在である。参加者には簡単な部隊行動が求められるのが通常のサバイバルゲームとの違いである。現在はStill Forest主催で年に数回のイベントが行なわれている。
部隊設定を伴い、軍隊の運用と生活を再現
これはリエナクトメントグループ「BCo/100Bn」が行なったイベントで、実際に自身の壕を掘って、再現された携行食を喫食している風景である。彼らは実在したアメリカ陸軍の日系二世部隊の「リエナクトメント」活動を行なっており、綿密な事前調査・研究を元に、当時の軍隊の運用や兵隊達の日常を追体験できるイベントを実施している。海外からも高い評価を得ている彼らは、ミリタリーイベントでの展示も行なっているので、機会があれば直接話を聞いてみるのもお薦めである。
TEXT&PHOTO:STEINER