エアガン

2018/08/21

ICS CXP-MMRカービン401 製品レビュー【2018年8月号掲載】

ICS

CXP-MMRカービン401

 

※実射シーンとインプレッションはこちらの動画をご覧ください。

 

近年のM4系エアガンの傾向

 

昔からトイガンといえば実銃を忠実に再現したモデルがほとんどを占めていた。しかし現在、メーカーが独自にデザインしたオリジナルモデルが発売されることも珍しくなくなっている。これはM4系エアガンには特に顕著に見られる現象で、軍が採用したモデルや実銃のカスタムメーカーが製造したモデルを再現したものよりも、エアガンメーカーが独自にデザインしたM4が発売されることが増えている。

 

今回ご紹介するM4エアガンは、2挺を除いて、すべてオリジナルデザインのモデルとなっている。しかし荒唐無稽なものはひとつもなく、実銃にあってもおかしくはないデザインばかりだ。

 

またキーモッドやM-LOKハンドガードを装備したM4系エアガンが発売されることがほとんどになったというのも、近年の傾向として挙げられる。今回ピックアップしたエアガンのほとんどがキーモッド、もしくはM-LOKを装備している。4面レールのハンドガードを装備したエアガンは、もはや実銃を再現しているモデルを除いてほぼ消滅したといってもいいだろう。実銃の流行はエアガンにまで波及しているというわけだ。

 

ICSはM1ガーランドやM3グリースガンをはじめ、L85、AK、MP5、MGLシリーズという6連発グレネードランチャーまでさまざまなエアガンを発売しているメーカーだ。M4系電動ガンは「CXP」シリーズとして展開しているのが特徴。今回はそのCXPシリーズの新顔MMRが登場したのでご紹介しよう。

 

従来のCXPシリーズでは、ほとんどがキーモッドハンドガードであったが、今回登場したMMRはICS初のM-LOKハンドガードになっている。デザイン自体は実銃にはないオリジナルのものであるが、ハンドガードやレシーバー形状は実銃にあっても不思議はない自然なデザイン。レシーバーはメタル製なので剛性も文句なしだ。大型のマグキャッチやアンビチャージングハンドルなどタクティカル/レースモデルのようなパーツ構成になっている。フロント/リアサイトはフリップアップ機能があるので光学機器との相性もいい。グリップは滑るのを防ぐためエッジの立ったテクスチャーを採用。素手で握るにはちょっと痛いモデルも存在するがこのMMRのグリップは、素手で握っても痛くなく、それでいて最良のグリッピングを味わえる絶妙なテクスチャーになっているのだ。ストックはHK416のようなものが付いている。バッテリースペースにアクセスするには、バットプレート上部のボタンを押すだけなので簡単だ。

 

早速実射してみると、優れたトリガーレスポンスに驚く。セミオートでの連射が非常に楽しくなるのだ。また発射と同時にボルトカバーがブローバックし、雰囲気を高めてくれるのもいい。そして気になる命中精度であるが、20mからなんと60mmに集弾。かなりの好成績である。またセレクターをセーフにすると逆転防止ラッチが解除され、ピストンが前進した位置で保持される機能が実装されている。そのためメインスプリングやピストン、セクターギアなどに余計な負担がかからない。使用後に1カ月以上置いておくという方もいらっしゃるかもしれないが、この機構があればスプリングのヘタリや破損の心配もなくなることだろう。

 

ICSのCXPシリーズの中でもさらに完成度の高まったMMR。カービンモデルのほか、DMRやSBRなども展開されているので好みの銃身長、ストック形状のものが選べるのも大きなメリットだろう。撃ってみれば、他の製品とは一線を画する完成度の高いものになっていることが分かるはずだ。

 

M-LOKを装備した新シリーズ電動ガン

 

ICSのM4電動ガンといえばキーモッド仕様のものが多かったが、今回のCXPMMRではM-LOKが標準装備となった。長さは13インチとなっている。今回紹介したものはMMRカービンであるが、他にも15インチのDMRや10インチのSBRがラインアップに加わっている

 

ストックはHK416のような形状だ。伸縮は簡単かつ素早く行なえる。矢印の部分を押すとバットプレートが外れ、バッテリースペースにアクセスできる

 

大型のラッチが付いたアンビチャージングハンドルはタクティカルライフルになくてはならない装備だ。レシーバーはスクエアタイプ

 

前後サイトは樹脂製のフリップアップサイトを装備。緊急時はたたんだ状態でも狙えるように、小さいながらもフロント/リアサイトの機能が備わっている

 

グリップはA2デザインのように見えるがフィンガーチャンネルがないためハイグリップも可能。グリップテクスチャーが非常によく、手に食いつく。素手でもグローブをしてても握りやすく、好感が持てる

 

マガジンはCXPMARSなどでも採用されていたタイプで、装填されたBB弾が見えるタイプ。装弾数は300発だ

 

マガジンキャッチは大型で人差し指で操作しやすい。手の小さい方でも、グリップを握りなおすことなく自然に操作できるのは大きなメリットだ。手の大きな方ならば問題ないかもしれないが、サバゲ中やシューティングマッチなどで短時間でマグチェンジしなければならない状況では、安心感が大きい

 

フラッシュハイダーはスチール製で高い質感を持っている。このタイプはレイダーフラッシュハイダーと呼ばれる、ICSオリジナルデザインだ。しかし横に大きく開いた2つのポートは実銃に使用したとしてもリコイルを大きく軽減してくれそうだ。フラッシュハイダーというより、マズルブレーキのようなデザインに思える

 

DATA

 

  • 全長:835mm / 930mm(ストック伸張時)
  • 重量:2,890g
  • 装弾数:300発
  • 平均値…89.8m/s(0.81J)
  • 集弾性:60mm(20m)
  • 価格:オープン
  • お問い合わせ先:ICS

 

 

初速(m/s)
1発目

88.5

2発目

88.6
3発目 88.1
4発目 90.3

5発目

91.5
6発目 91.4
7発目 91.2
8発目 90.1
9発目 89.8
10発目 88.6

 

TEXT:毛野ブースカ

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