エアガン

2020/12/13

【実射】CZ BREN 2でAK弾を実射レポート!!

 

 AK弾は5.56mm×45よりも威力があり7.62mm×51よりは扱いやすい「ちょうどいい」カートリッジといえる。それに着目し、AK弾仕様としたBREN 2。その真価を探るべくCZUBを訪問し、試射することができた。BREN 2のバリエーションと共にその様子をご覧いただきたい。

 

CZ BREN 2に関する詳細はこちら

 


 

BREN 2 7.62mm×39

写真左からBREN 2 7.62mm×39 9インチ/11インチ/14インチの3挺とBREN 2 5.56mm×45 8インチ、そして右端がBREN 2 BR。並べてみるとBR以外はレシーバー、ストックがほぼ共通化されていることがわかる

 

 今回はこのBREN 2を試射・撮影すべく、チェコのウヘルスキー・ブロドにあるCZUBのヘッドオフィスを訪ねた。その後、CZUBから車で5分ほどの距離にある、いつもの射撃場へと向かった。ここは民間の射撃場だがCZUBのスタッフが試射でよく利用しており、本来セミオートのみのはずだが、貸し切りでフルオート射撃のテストも行なっている。早速、BREN 2 7.62mm×39仕様から撃っていこう。

 

【実射】BREN 2 7.62mm×39

 

BREN 2 7.62mm×39

 

 ストックの形状やグリップの厚み、角度なども良好で、構える際のフィーリングやトリガーのキレもいい。7.62mm×39はAKで撃つ場合にはリコイルが強烈なので、BREN 2も同様なのではないかと身構えていた。しかし、BREN 2 7.62mm×39仕様ではそれがかなり抑えられていた。フルオート射撃では、コントロール性のよさをしっかりと実感できる。AK47をフルオート射撃すると3発目以降は虚空に吸い込まれていくと言われるが、このBREN2ではしっかりとターゲットを捉えられた。

 

BREN 2 7.62mm×39

Rotex Vサイレンサーのアタッチメントにもなるスリーアームフラッシュハイダー。これが効果的にマズルフラッシュを抑え込んでいた。特徴的なねじれ形状は逆向きも検討されていたが、射撃時に緩みにくいこちらのデザインが採用された

 

【実射】CZ BREN 2 BR

 

CZ BREN 2 BR

 

  • 口 径:7.62mm×51
  • 全 長: 735mm(ストック折畳時)
  • 925-995mm(ストック展開時)
  • バレル長:407mm(16インチ)
  • 重 量:3,770g
  • 装弾数:25発

 

 7.62mm×51仕様のBREN 2 BRの射撃。以前撃ったのはセミオートオンリーだったが、これにはフルオートも付いている。サイレンサーが装着されており、さらにロングバレルなので重い。

 実際に撃つとさすがに.308(7.62mm×51)のリコイルは強烈で、ヘビー級ボクサーのパンチを食らうようだ。サイレンサーからのガスの吹き返しが目にしみる。発射ガスに含まれるアンモニアが目を刺激し、まともに目を開けていられないほどだ。ちなみに5.56mm×45仕様も吹き返しはあったが、これほどではなかった。

 バトルライフルのネーミングは伊達じゃない。

 

【実射】CZ TSR

 

CZ TSR

 

  • 口 径:7.62mm×51
  • 全 長: 931mm(ストック折畳時)
  • 1,188mm(ストック展開時)
  • バレル長:407mm(16インチ)
  • 重 量:6,300g
  • 装弾数:10発

 

 撮影の合間に、TSRも試射することができた。TSRはCZUBとしては初の本格的なボルトアクションスナイパーライフルで、ピストル、SMG、アサルトライフルと併せて軍・警察向けの製品ラインアップを満たすべく追加されたというわけだ。最新のスナイパーライフルらしく、金属シャーシタイプのアジャスタブルフォールディングストックを備えているのが特徴だ。また、同社はTSRに狩猟用ボルトアクションの製造ノウハウも投入しており、特にバレルは1万発撃ってもアキュラシーを維持できるとのことで、この手の精密バレルとしては抜群の耐久性を誇る。

 TSRではこの射撃場の最大射程となる100m先のメタルプレートを撃ってみた。トリガーフィーリングやマズルブレーキの効果など、基本的な性能は申し分ない。しかしチークピースの調整は工具が必要となるなど、細かな部分は改良が必要だ。筆者とCZUBの担当者、ハンガリー人のチーフエンジニアであるミカエルの3人で射撃をしたところ
全員がボルトの操作、特に装填に手間取った。ボルトを一定の角度で押し込まないと引っかかるのだ。慣れればいいのだが、ストレスのかかる戦闘状況下ではどうなのだろうか……?

 

CZ TSR

アキュラシーとバレルの耐久性は特筆モノで、2ステージトリガーのフィーリングもすばらしい。しかし、調整に工具が必要なストックやボルト操作の癖はいただけない。改良型のTSR 2になるときは、より完成度を高めていてほしい

 

まとめ

 

 ひと昔前は、フランスにとってAK用の7.62mm×39は仮想敵国の弾薬だった。しかし、最適の弾薬を低コストで容易に入手でき、現代的な銃で使えるとなれば、何も考えることはない。似たようなモノを新たに作り出す手間とコストを考えたら、使えるモノを採用するのが当然だ。それにAK弾は今やEU加盟国となった東欧・中欧の一部で使われている弾薬だし、GIGNの選択は間違っていない。となると、今後この弾薬を使用するライフルの市場は、さらに広がっていくだろう。

 この実射レポートは「月刊アームズマガジン1月号」でさらに細かく解説している。より多くの写真と共にBREN 2を紹介しているのでぜひ、ご覧いただければ幸いだ。

 

TEXT & Photos: 櫻井朋成(Tomonari SAKURAI)

Special Thanks to CZUB
https://www.czub.cz/

 


 

月刊アームズマガジン1月号のご購入はこちら

この記事は月刊アームズマガジン2021年1月号 P.126~133より抜粋・再編集したものです。

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