エアガン

2020/07/16

実射比較!! 「.38スペシャル VS .380 ACP」

 

 前回の記事では、セルフディフェンスガンとしてその存在は常に意識させられる小型コンシールドウェポンに注目してレポートした。今回はポケットキャリーを前提として、それぞれにポケットホルスターを用意して実射比較する。ここではそのレポートをお届けしよう。

 

前回のレポートはこちら

 


 

 

 今回、「.38スペシャル VS .380 ACP」を比較するにあたり、ご登場願った銃はS&W M640とSIG P230だ。日本では聞き馴染みがないかもしれないが、SIG P230はKSCがガスブローバックを出している。ぜひ、チェックしていただきたい。

 さて、S&W M640に関してはアロイフレームの軽量モデルを選ぶのが普通だが、個人的に最低でも+Pレートのアモを使用したい関係上、リコイルがキツいアロイフレームは避けたい。M640は重量的にはずっしり来るが、今回使ったミッチローゼン製ホルスターを使うと、ポケット内でも安定している上にカイデックス製のサムプッシュを装備するなど、その抜きやすさも秀逸なのだ。
 また.380ACPも個人的にチョイスをするならばルガーの最新モデル、LCP IIの10連マガジン付きということになるが、私の住むカリフォルニア州では手に入れにくいというだけでなく、なんとなく食指が動かないという現実もある。我が家の.380ACP口径コレクションからいくと、ワルサーPPKは重過ぎ、ベレッタ84はポケットガンには分厚過ぎるという理由で、SIG P230に登場願った、という経緯なのだ。

 では、実射の様子をご覧いただこう。

 

S&W M640の実射だ。+ Pレートの.38スペシャルだと、このくらいは跳ね上がる

 

SIG P230の実射の様子。発射直後、鋭いリコイルが襲ってくる。右の画像では左手がすっぽ抜けている

 

 撃ち心地に関しては、S&W M640の方に軍配が上がるといえよう。重くて長いダブルアクションのトリガープルではあるが、その引き心地はスムーズで、重いリコイルはあるがフロントサイトの戻りは早い。それに比べSIG P230の方はシンプルブローバックという機構がゆえにマズルフリップ(銃口の跳ね上がり)がきつく、鋭いリコイルが指の間に「ガツンッ!」とくる。連射はしたくないと思ってしまうくらいの凶暴さがある。

 次に威力を比較するべく、直径20cmほどの小玉スイカを5ヤードから撃ってみた。

 

S&W M640のインパクト。直後、果肉部分は全破壊されている。スイカの中身は水分となって飛び散りながらスイカ上部は宙を舞い、こののち最後の破片も落ちていく。果肉全体をぐしゃぐしゃにする納得の威力だ

 

SIG P230の実射。インパクトの瞬間。タイミングの関係で、より果肉が飛び散っているように見えるが右半分はそのまま残っている。スイカの塊は大きなまま、ブロック上に残った。フレッシュな部分も下半分に残る結果だ

 

 何かと話題の多い.38スペシャルと.380ACP口径だが、みなさんのチョイスはいかがだろうか。オールドタイマーである私のチョイスは、言わずと知れた撃ち心地優先の.38スペシャル S&W M640となる。しかし最新のセルフディフェンス用弾薬を使うという前提であれば、ルガーLCP IIの10連マガジン付きも選択肢となってくる。その他の.380ACPモデルはグロックを含め6連マガジンがスタンダードで、S&W M640との装弾数差は6+1としても2発でしかない。2発の差であの酷いトリガープルと格闘することを考えると、少々ウンザリしてしまうというのが本音でもある。

 

 WEB版ではかいつまんだレポートになったが「月刊アームズマガジン8月号」ではこの実射比較の詳しいレポートが掲載されている。ぜひ、お手に取ってチェックしていただきたい。

 


この記事は月刊アームズマガジン2020年8月号 P.118~125より抜粋・再編集したものです。

 

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