2020/06/16
実射比較で決着!?「.45ACP VS 9mm」口径論争!
銃が好きなら一度は体験したであろう “.45ACP vs 9mm”口径論争。それに一石投じるべく、前回は元刑事の意見を聞きつつ、両者の特徴を改めて比較してみた。今回は、実際にそれぞれの銃弾を使って行なった実射レポートを紹介しよう。
実射に使った実銃。上は.45ACPのコルトのベースモデルであるガバメント5インチ、下が9mmを使う我が家のスター、インフィニティ1911
今回の実射は、同じ5インチ1911による撃ち比べを優先したテストということになる。アモはいくつものPDでデューティアモとして制式採用されている、フェデラルのHSTホローポイント弾(.45ACPは230グレイン、9mmは147グレイン)を使用した。銃は前述した通り。本来なら、コルトの9mmを使用したかったが、生憎、未所持。現在の状況では友人から借りるわけにもいかないのでご了承いただきたい。
では、実射の様子をご覧頂こう。
なんとも凛々しい外観を持つInfinity。フルリコイル時、左手はちゃんと収まっている
ガバメント5インチ。分かりにくいが、9mmよりも反動は大きい。フルリコイル時、左手がずれてしまっている
9mmの着弾の様子。左から順に見ると、貫通こそしなかったものの、内壁が飛び散り、それなりの威力が伺える
.45ACPの様子。一番左が着弾の瞬間だ。粉砕の度合いが激しいことが比較して分かる。貫通した弾丸が二辺目まで到達。衝撃で大きくブロックが斜めに傾いている。.45パワーの面目躍如といったところだ
左が9mmのインパクト痕、右が.45ACPの貫通痕。やはり、.45ACPのパワーは凄まじい。左右にもひびが入っている
ご覧いただいたように、.45ACPの方がインパクトが強烈だ。だが、そのリコイルもまた強烈であり、今回アシスタントを勤めてくれたティーンエージャーの息子によると「.45は衝撃が重痛いから、2発目を撃つのに時間がかかる」とのこと。やはり.45ACPを撃ちこなすには、かなりの訓練と経験が必要となってくるということだろう。プロフェッショナルであるLEオフィサーは別として、コンシールドキャリーやコストを考えてしまう我々一般人から見ると、やはり9mmの快進撃は今後も続くと思われる。
今回は抜粋し、コンクリートブロックを実射した様子をお届けしたが、「月刊アームズマガジン7月号」では水の入ったボトルも撃ち抜くなど、他の検証も重ねている。ぜひ、「月刊アームズマガジン7月号」をお手に取って存分に考察を深めていただければ幸いだ。
Text & Photos: Hiro Soga
この記事は月刊アームズマガジン2020年7月号 P.134-141より抜粋・再編集したものです。