2020/05/03
VFC「Avalon Samurai Edge電動ガン」【毛野ブースカの今月の1挺!】
「月刊アームズマガジン」編集部の毛野ブースカがおくる『毛野ブースカの今月の1挺!』 。今月はVFCの電動ガン『Avalon Samurai Edge』をご紹介!
台湾に本拠地を置くエアガンメーカーであるVFCは日本でもよく知られている。VFCのオーナーであるベガさん(ちなみにVFCはベガ・フォース・カンパニーの頭文字を取ったもの)は生粋のエアガンマニアで、日本製のエアガンを数多くコレクションしている。そんなベガさんが求めるエアガンがVFCの製品であり、ヘッケラー&コックやナイツアーマメントといった実銃メーカーのオフィシャルライセンスドモデルに代表されるリアルなモデルをリリースしているイメージが強い。リアルさにこだわるという点では群を抜いているといっても過言ではない。同社が近年ガスブローバックガンに力を入れているのもリアルさにこだわっているからだろう。
全長はストック伸長時で910㎜。アウターバレル長は16インチ。重量は2,555gとこのサイズとしては比較的軽量に仕上がっている。見た目の印象はとにかくスマートでカッコいい。デザイナーのセンスのよさを感じる
リアルさにこだわった製品がある一方で、同社のオリジナルモデル「アヴァロン」シリーズは実銃のM4カスタムをモチーフにしつつ、最新のカスタムトレンドとVFCのオリジナリティをブレンドしたモデルとして日本でも人気がある。そんなアヴァロンシリーズの最新作が「サムライエッジ」だ。台湾に本拠地を置くエアガンメーカーの多くがオリジナルデザインのM4カスタムをリリースしている中、アヴァロンシリーズはいかにも実銃に存在しそうな外観をしており、オフィシャルライセンスドモデルとは一線を画す新たなリアリズムを生み出している。
個性的なハニカムパターンのVFCオリジナルマガジン「Q-MAG」。装弾数は120発。スタンダード電動ガンM4カービン系のマガジンが共用できる
サムライエッジという名を象徴するかのようなエッジの効いたスクエアフォルムのレシーバーと、軽量化が施されたミッドレングスのM-LOKハンドガードのコンビネーション。マガジンキャッチとセレクターレバーはアンビタイプ。ストックやグリップ、ストレートトリガー、ワイドマガジンなどはVFCオリジナルの「QRS」シリーズのカスタムパーツがセレクトされている。どのパーツも実用的であり、エアガン用だからといって使いにくいようなことはない。
この銃のアイコンとなっているM-LOKハンドガード。徹底的に軽量化が施されており、見た目にもスタイリッシュだ
内部メカはVFCが近年力を入れているオリジナルの電子トリガーとMOSFETを搭載。昨年発売されて話題を呼んだリアルスケールの電動ガンH&K MP7A1と同様、キレのあるセミオートと鋭いトリガーレスポンスを実現している。ホップチャンバーは最新のロータリー式を採用。命中精度へのこだわりも抜かりない。
ロアレシーバー左側には「AVALON」シリーズのロゴが入れられている。トリガーはQRS(クイック・レスポンス・システム)シリーズのストレートタイプが付属。アンビタイプのマガジンキャッチはヘッド部分が大きくされて押しやすくなっている
自由度が高いM4カスタムはカスタムパーツのチョイスや組み合わせなどにセンスが求められる。道具として機能的で使いやすいことは重要だが、見た目の美しさ・カッコよさもオーナーとしては大事なポイントだ。アヴァロンサムライエッジは見た目だけではなくエアガンとしての機能も優れている。VFCのこの銃へのこだわりはハンパではない。M4カスタムマニアなら一度手に取って完成度の高さを体感してほしい。
随所にディンプル加工が施されたスクエアフォルムのアッパーレシーバー。アンビタイプのセレクターレバーはライブで作動する。フリップアップタイプのリアサイトはナイツタイプ
クレーンタイプのQRSストックはリリースレバーを下げるとロックが解除されて前後の伸縮が行なえる。バットプレートはバッテリーの交換がしやすいヒンジ式
TEXT:毛野ブースカ
[プロフィール]
アームズマガジンの編集ライター。エアガンシューティング歴35年。数多くの国内シューティングマッチ入賞経験に加えて、1999年、2000年に開催されたIDPAナショナルズ参戦、シグアームズアカデミーや元デルタフォース隊員のラリー・ヴィッカーズのタクティカルトレーニングを受講するなど実弾射撃経験も豊富。今まで23年、280冊以上のアームズマガジンと関連MOOKの制作に携わる。