2020/03/21
コルトパイソンの弟分「ダイヤモンドバック」とは【実銃】
前回紹介したコルトパイソン。このレポートでは、その弟分であるダイヤモンドバックのディテールとともに、パイソンの松葉バネと呼ばれるメインスプリングを用いたアクションについて解説しよう。
バレルはパイソンに比べ細いが、写真で見る分にはパイソンのような立派な面構えだ
コルト vs. S&W
リボルバーをコンバットピストルとして扱う場合、ダブルアクションで撃つのが普通で、メインスプリングの構造からS&Wの方がダブルアクションは撃ちやすい。S&Wはリボルバーが主体だが、コルトはガバメントの成功以来ピストルはオートを主体としてきたこともあるだろう。とはいえ、コルトもかつてはM1873シングルアクションアーミーやM1851ネービーなど優秀なシングルアクションリボルバーを生み出し、パイソンはこれら名銃のメカニズムを受け継いできた。つまりダブルアクションに引け目があっても、シングルアクションでは非常にキレのある作動を見せてくれるのだ。
パイソンのシングルアクションは、まずハンマーをカチッと鳴るまで一杯に起こす。親指で起こすのでトリガーを絞るよりも動作は容易だ。シリンダーも同時に回転し、ハンマーが固定されるとシリンダーもしっかりと固定され発射を待つ状態となる。トリガープルは軽くてキレもよく、競技銃のごとくトリガートラベルに遊びがない。
サイドプレートはパイソン同様ランパントコルトが刻まれている。プレートはトリガー上とグリップで隠れている2本のスクリューを外し、グリップ部分を軽くたたいてやるだけで外れる
.22LRカートリッジが装填されたシリンダー。.22口径だとずいぶんかわいらしく見える。リムファイアを確実にするため、こちらのシリンダー後部にはカウンターボアード加工が施されている
リコイルプレートはパイソンに比べ若干粗いがしっかりとした作り。ファイアリングピンが通る部分は長方形の穴になっている
ハンマーはパイソンに比べ簡素なデザイン。.22LRはリムファイアで、ファイアリングピンはハンマーに付いている
【アームズマガジンウェブ編集部レビュー】
前回お送りしたパイソンに続いて、今回は弟分のダイヤモンドバックのディテールに迫った。外観は大きく似通った両者だが、細かい部分をクローズアップしていくとその違いに驚かされる。コレクタブルな高級リボルバーと、気軽に射撃を楽しむエントリーモデルといった位置づけだろうか。
パイソンレポート最終回の次回は、パイソン&ダイヤモンドバックの実射シーンをお送りしよう。明日12時に公開予定!!
TEXT&PHOTO:櫻井朋成(Tomonari SAKURAI)
編集部レビュー:アームズマガジンウェブ編集部
この記事は月刊アームズマガジン2020年4月号 P.116-123より抜粋・再編集したものです。