エアガン

2020/02/16

【後編】B&T USW-G17Conversion Kit

 

B&T USW(ユニバーサル サービス ウェポン)- G17は、ローエンフォースメント(LE: ポリス等の法執行機関)用に開発されたグロック専用のショルダーストックコンバージョンキットである。B&T USWシリーズには、SIGのP320、ワルサーのPPQモデルを組み込むことができるコンバージョンキットがあるが、今回は一番ポピュラーなグロック用コンバージョンを紹介したい。

 

【前編】B&T USW-G17Conversion Kitはコチラ!

【中編】B&T USW-G17Conversion Kitはコチラ!

 


ダットサイトはこのセットアップだとやや2階建て感がある。エイムポイントのACROにするか、削ってローマウントにしたいところだ。

 

実射

ストックをオープンするには、トリガーフィンガーをまっすぐ伸ばした場所にあるラッチを前に押すと、スプリングテンションが掛かっているために自らオープンしてくるストックを左手でキャッチしてロックさせるだけ、と簡単だ。ものの数秒で肩付けして撃つことができる。

 

スリングの長さをうまく調整し、ダブルハンドでホールドして腕を前に伸ばすと、スリングが微妙なサポートをしてくれるので撃ちやすく、ストックをオープンすればスタンディングでも50ヤード先のターゲットも外す気がしない安定感がある。

 

肩、頬、グリップでホールドしている。左手はウェポンライトあたりをホールドするとさらに安定するが、指がマズルより前に出ないよう重々注意する必要がある。

 

いつもより長い25ヤード(約23m)先のターゲットに、スタンディングからストック使用時と使わない場合の精度チェックをしてみた。今回4種類用意したアモの内、フェデラルの147グレインHSTがストック使用時で5発中4発が2インチ以内に集弾した。ストックなしだと、エレンが撃つと3インチ強に集まる。テーブルにレストさせて撃ったベストグループが1.75インチほどなので、やはりストックの効果はかなりのものといえそうだ。

 

タクティカルリロード。17連から3連マガジンに交換して、常に残弾が多くなるようにする。

 

嵩張るのは確かだが、そのショルダーウェポンとしての効果を考えると、LE用としてはかなり魅力的だ。ルーキー(新人)へのトレーニングも楽になるし、悪評の高い発砲事件の発射弾数も大幅に減るのではなかろうか。もし3点バースト機構を組み込むことが可能なら、小型軽量の車載装備やセキュリティ向けサイドアームとして、ミリタリー用としても使えそうだ。

 

弾頭の重量や火薬量によっては、距離が遠くなると少し上を狙うことになる。

 

【アームズマガジンウェブ編集部レビュー】

中身は一般的なグロックだが、ストックを装着することでその性能は一変する。ライフルやサブマシンガンに近いインターフェイスは、母体となるハンドガンの性能を引き出し切るのである。Hiro Soga氏の指摘通り、B&Tの大きなマーケットであるLEやミリタリーには非常に魅力的なモデルであろう。

 

 

Text & Photos: Hiro Soga

編集部レビュー:アームズマガジンウェブ編集部

 

 


この記事は月刊アームズマガジン2020年3月号 P.124-131より抜粋・再編集したものです。

 

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