エアガン

2020/02/15

【中編】B&T USW-G17Conversion Kit

 

B&T USW(ユニバーサル サービス ウェポン)- G17は、ローエンフォースメント(LE: ポリス等の法執行機関)用に開発されたグロック専用のショルダーストックコンバージョンキットである。B&T USWシリーズには、SIGのP320、ワルサーのPPQモデルを組み込むことができるコンバージョンキットがあるが、今回は一番ポピュラーなグロック用コンバージョンを紹介したい。

 

【前編】B&T USW-G17Conversion Kitはコチラ!

 


チャージングハンドルはスプリングロードで前方にホールドする。スライドと一緒に前後するが、この位置なら気にはならない。

 

B&T USW

昨年、US ArmyがB&TのAPC9ProK 9mm口径をベースとしたサブマシンガンを“SCW(サブコンパクト ウェポン)”として制式採用したというニュースが飛び込んできた。いくらミリタリーポリス用がメインとはいえ、2017年の時点でサブマシンガントライアルが始まると聞いた際には、耳を疑ってしまったものだった。

 

ストックの付け根、ボタン状のピンがストックを押して、ゆっくりとストックをオープンしてくれる。RMRサイト用にピカティニーレールを付加して装着している。エイムポイントのACROもしくはNANOモデルならぐっと低く装着することができる。

 

このミリタリー契約で注目を浴びたB&T(Brugger&Thomet)AGは、1991年にKarlBrugger氏とHeinrich Thomet氏によって創立されたスイスに本拠地を置く銃器メーカーである。創業当初はサウンドサプレッサーやスコープマウントなどのアクセサリーパーツを製造していたが、2001年からは自社生産による小火器を結構な勢いでリ

リースし始める。

 

ストックを折りたたんだ状態。ストックはマズルより前に出ないデザインになっている。

 

ストックをオープンにした状態。

 

ミリタリー/ポリス関連機関用に開発したフォールディングショルダーストック付きピストル“B&TUSW”がリリースされたのは2016年のことであった。ストック付きピストルというコンセプト自体は目新しいものではないが、通常のピストルモードから瞬時にストックを使用可能にし、さらにスライドに直載せしなくてもよいように、フレームから延長したダットサイトマウントを組み合わせた進化版ショルダーウェポンとしてデザインし直している。遠距離において素早く確実なターゲットのサイティングを可能にするためにダットサイトは必需品であり、その耐久性を高めるためにも、高速で前後するスライドに搭載するのではなく、独立したマウント部分を設けている。またそのキャリー方法として、スリングで脇に吊るせるポイントがある他、ポリマー製のホルスターも用意されている。

 

その後、各部が改良されたUSW-A1が1918年にリリースされると、今度はUSAでもポピュラーなGLOCK G17やSIG P320のコンバージョンキットもそのプロトタイプが発表された。グロックの方はGen3からGen5までのG19とG17(フレームサイズの同じ.40S&Wと357SIG口径も装着可)に対応しており、その知名度を一気に高くする結果となった。

 

基本的にDA/SA機構が好きではないので、USWA1よりUSW-G17を選んでしまう。大事な初弾をダブルアクションで撃つと思うと気が重くなる。

 

【アームズマガジンウェブ編集部レビュー】

今回ご紹介するモデルは、グロック用のコンバージョンキットであるが、その他にもバリエーションが用意されている。とはいえ、民間向けではないのでそのマーケットは決して大きいとはいえないだろう。B&Tというブランドの性格からしてもミリタリーやLE向けのストイックな製品をラインナップしている。続く後編では、このコンバージョンキットを装着したグロックの実射シーンをお届けする。

 

 

Text & Photos: Hiro Soga

編集部レビュー:アームズマガジンウェブ編集部

 

 


この記事は月刊アームズマガジン2020年3月号 P.124-131より抜粋・再編集したものです。

 

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