エアガン

2020/02/20

【最新GUN事情・前編】スナイパーライフルの最新事情

 

毛野ブースカがアメリカ在住のリアルガンレポーターのSHINに、ガンやタクティクスに関する疑問、質問を聞いてみようというコーナー。今回のテーマは日本でも人気のあるカテゴリーである「スナイパーライフル」。アメリカにおけるスナイパーライフルの最新事情を語ってもらった。

 


 

【毛野】
 

スナイパーライフルはエアガンでも人気のカテゴリーですが、最近はスナイパーライフルに大きな変化が生まれてきているようですね。

【SHIN】

銃器の世界においてここ10年でもっとも大きな進化があったのがスナイパーライフルとスナイパー技術だと思います。まず「スナイパー」という用語について整理しておきましょう。スナイパーとは18世紀ごろに生まれた用語で、狩ることが難しい野鳥であるタシギ(Snipe /スナイプ)をしとめることができる優れた猟師のことをスナイパーと呼ぶようになったと言います。これが元になり第一次世界大戦では難しい射撃を成功させることのできるいわゆる狙撃手のことをスナイパーと呼ぶようになりました。

【毛野】
 

スナイパーという言葉は最初は軍事的な物ではなかったのですね。

【SHIN】

そうですね。軍では狙撃手の事をスナイパーと呼びますが、警察機構ではマークスマンと呼ぶことが多いです。また民間のスポーツ射撃でも遠距離射撃及び遠距離射撃手のことをスナイピング、スナイパーと呼ぶことは避けられています。

【毛野】
 

スナイピングには遠距離から人を撃つという意味が今では含まれているからですか。

【SHIN】

あくまでもメディアによって定着してしまった負のイメージでしかないのですが、今使われるスナイパーという言葉には暗殺者等と言った否定的な意味が付随してしまっています。なので、警察、民間では遠距離射撃ライフルをマークスマンライフル、遠距離射撃手をマークスマンと呼ぶのが米国では一般的になっていますね。

 

LaRue Tactical PredatAR .260Remingtonラルータクティカルプレデターは高精度な.260レミントン弾を使用する次世代プレシジョンスナイパーライフルである。

 

左が.260レミントン、右は7.62mm×51弾。.260レミントンはプレデターのように7.62mm×51弾を基準として完成された銃のバレルを交換するだけで使用できるようデザインされている。現在すでに運用されている7.62mm×51弾仕様のバトルライフル、スナイパーライフルをよりすぐれた弾道係数を持つ弾薬へと簡単にコンバージョンできる可能性を秘めており、このことから、多くの第一線の特殊部隊が.260レミントン弾や6.5クリードモア弾といった最新のハイテク弾薬に注目しているのである。

 

【アームズマガジンウェブ編集部レビュー】

遠距離射撃というテーマは銃器の進歩を引っ張ってきたテーマであるといえるだろう。すなわち、スナイパーの現在を知ることが今の銃器界の最先端を知ることにもなるのである。次回では、その進化の過程を紐解いてみよう。

 

 

TEXT:SHIN、毛野ブースカ

PHOTO:SHIN

編集部レビュー:アームズマガジンウェブ編集部

 

 


この記事は月刊アームズマガジン2020年3月号 P.148-151より抜粋・再編集したものです。

 

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