2020/02/07
【後編】スチェッキンAPS/櫻井朋成
東西冷戦時代、鉄のカーテンの向こう側にあった旧ソ連で、車輌や航空機搭乗員のPDW(個人防護火器)として開発されたスチェッキンAPS。この銃はフルオート射撃を前提にしたマシンピストルであり、ハンドガンとしては大柄なボディや、ケースを兼ねる着脱式のストックが特徴的だ。
ストック装着シーン。アタッチメント部を合わせ、ストック側のスリットにラッチレ
バーがカチッというまで押し込んでやる。
使用弾については、ファクトリーメイドのマカロフ弾を入手できる。これは1箱50発入りで、一般的な.45ACPや9mmパラと同じだ。ただ、弾頭のみの販売はされていないため、リローディングできないのは少々懐に痛い。
マガジンを装填してハンドガンのみで構えると直立気味のグリップにやや違和感を感じるが、さほどグリップしにくいわけでもなく、すぐに射撃に集中できる。ダブルアクションはスプリングが硬すぎずスムーズ。大きな銃でマカロフ弾を撃つため、リコイルは鋭いもののこのサイズの銃にしては大人しい。
ちょうど9mmパラベラムと.380ACPの中間くらいの威力を持つマカロフ弾。旧ソ連/ロシアの標準的な拳銃弾だが、銃本体が1kgを超えるため、比較的リコイルは抑えられている。
続いてストックを装着して撃つ。構えてみると、アジャスターもないのにしっかり射撃スタンスを取ることができた。リアサイトが近すぎて前述のようにピントが合わせにくく、精密射撃にはちょっと厳しいかもしれない。ストックは空洞なのでギター(ソ連だからマンドリンか?)のようにこもった射撃音が頬に伝わってくる。
ストック装着状態だと銃が安定するためマガジンの装填もコッキングもやりやすくなる。
スチェッキンAPSをストック装着状態で撃つと、顔の近くまでスライドが後退してくるのがちょっと怖い。リアサイトも近くなるためピントを合わせづらいが、それでも銃は安定するため射撃しやすい。
【アームズマガジンウェブ編集部レビュー】
大きなサイズながらも、シンプルな内部機構を持つスチェッキン。ストレートブローバック方式とも相まってか、非常に撃ちやすそうな印象である。そこにストックが装着されれば更なる安定感も想像に難くない。しかし、400mまで刻んであるリアサイトは少々オーバーな気もするが・・・。
TEXT & PHOTO:櫻井朋成(Tomonari SAKURAI)
編集部レビュー:アームズマガジンウェブ編集部
この記事は月刊アームズマガジン2020年3月号 P.124-131より抜粋・再編集したものです。