2020/01/01
ハンドガンの構え方【番外編】マイクロドットサイト付きハンドガンの撃ち方
車やオートバイと同様に、銃にも正しい撃ち方が求められる。正しい構え方・撃ち方を行なわないと的に当たらないばかりか、他人に危害を加えてしまう恐れがある。しかし、おもちゃであるエアガンは実銃と違って威力も弱く、気軽に撃てるがゆえに、構え方・撃ち方に関して意外と自己流の方も多いのではないだろうか。前回まで10回にわたって【基本編】をお届けしてきたが、今回は【番外編】ということで最近流行しているマイクロドットサイトが付いたハンドガンの撃ち方を解説する。
第1回「ハンドガンの構え方【基本編】グリップの握り方」はこちら
第2回「ハンドガンの構え方【基本編】トリガーの引き方」はこちら
第3回「ハンドガンの構え方【基本編】サイティングの仕方」はこちら
第4回「ハンドガンの構え方【基本編】シューティングフォーム」はこちら
第5回「ハンドガンの構え方【基本編】シューティングポジション」はこちら
第6回「ハンドガンの構え方【基本編】アドミンロード」はこちら
第7回「ハンドガンの構え方【基本編】ホルスタードロウ」はこちら
第8回「ハンドガンの構え方【基本編】マガジンチェンジ」はこちら
第9回「ハンドガンの構え方【基本編】レディポジション」はこちら
第10回「ハンドガンの構え方【基本編】ワンハンドシュート」はこちら
ここ近年、ハンドガンのトレンドとなっているのが、マイクロドットサイトをスライドに直接装着したハンドガンである。特にシューティングマッチ用レースガンではない、ノーマル状態のハンドガンにマイクロドットサイトを装着した別名「キャリーオプティクス」と呼ばれるモデルは、実銃ではメーカー純正モデルも販売されており、2017年にアメリカ軍が採用したM17(SIG SAUER P320)も無加工でマイクロドットサイトが装着できることが要件として盛り込まれていた。このようにマイクロドットサイトが広く浸透するようになった背景には、マイクロドットサイトの有用性が認められたこと以外にも技術的な進歩(壊れにくく見やすくなった)とテクニックの向上がある。ここではアイアンサイトとは異なるマイクロドットサイトの特性と撃ち方を紹介する。
トイガンでもハンドガンにマイクロドットサイトをスライドに直接装着するのがトレンドになっている。多くのハンドガンの場合、マイクロドットサイトに適合した専用マウントベースを介して装着するが、写真のFNX-45タクティカルやハイキャパD.O.Rといった東京マルイのガスブローバックハンドガンはマウントベースを介さずにそのまま装着できるようにデザインされている。
マイクロドットサイトはドットに焦点を合わせるだけで撃てるので、特に遠くにあるターゲットに対して素早くかつ正確に射撃できる。ただし有効活用するためにはマイクロドットサイトの特性を理解する必要がある。
マイクロドットサイトを使う上で重要なのが、狙う時に銃を傾けずに真っ直ぐ構えることだ。トイレットペーパーの芯を使って覗いた時をイメージしてほしい。トイレットペーパーの芯を傾けると対象物が見えなくなってしまうはずである。写真は銃を傾けて狙ってしまっているため、ドットが左端にある。
写真は傾けず真っ直ぐ構えたところ。ドットがセンターにあるのがわかるだろうか。狙う時はあくまでもドットではなくドットサイトの本体を基準にしなければならないのだ。トイレットペーパーの芯の中心にドットがあるものと思うとわかりやすいはずだ。ゼロインするとドットがセンターにない場合もある。ドットがセンターにないからといってセンターにしようとすると銃が傾いてしまうので、傾けずに真っ直ぐ構えてドットがセンターからずれたままで狙うようにする。
アイアンサイトと同様、両目を開けて狙うこと。フロントサイトに焦点を合わせなくてはならないアイアンサイトに比べて素早く正確に狙える。ただし慣れるまでには時間が必要だ。
ホルスターからドロウして撃つ場合、視線の高さまで銃を上げてレンズ内のドットを探しつつパンチするように銃を突き出すようにして構える。常に同じ構え方、狙い方を意識しながら、まずは視線の高さから構えて撃つ練習をしよう。
実はマイクロドットサイトはアイアンサイトに比べて撃つのが難しい。しかし特性を理解してマスターすればアイアンサイトより正確に狙えるようになる。マイクロドットサイトは2~10mの近距離にターゲットが設置されることが多いシューティングマッチに比べて相手との距離が変化しやすく、遠距離で対敵するサバゲーでは有用なはずだ。ぜひみなさんもマイクロドットサイトを使ってみてほしい。
TEXT:毛野ブースカ
撮影協力:ビレッジ2