2019/12/19
オーストリアが誇る、ブルパップの最高傑作を紹介【中編】
AUGはオーストリアのステアーが開発したアサルトライフルだ。グリップより後方に機関部を持つブルパップ方式を採用し、ポリマーフレームを大胆に採り入れた現代的なアサルトライフルの先掛けとして登場。その信頼性の高さから今でもオーストリア軍やオーストラリア軍の制式小銃として君臨し、ブルパップの最高傑作と評価されている。中編である今回は、AUGのバリエーションを紹介しよう。
AUG A3 CUSTOM
A3カービン仕様(16インチバレル)がベースのカスタムAUG。マズルにはB&TのRotex-Vサプレッサー、トップレールにはA.R.M.S.製マウントを介してTrijiconのTX30リフレックスサイトを搭載。バックアップサイトはMAGPUL MBUS Proで、スリングはMAGPULのMS1がチョイスされている。
オリジナルのAUG A1は折畳式のバーチカルフォアグリップやキャリングハンドルも兼ねた固定式1.5倍光学サイトを装備した点も当時としては斬新だった。サイトは絶妙な位置にあり、ある程度アサルトライフルに慣れている射手なら初めて構えたとしても見やすい位置を探すようなことがなくドンピシャでエイミングできるはずだ。
AUG A3 PARA XS
AUG A3の9mm×19モデル。主な相違点はマガジンハウジングに追加されたアダプターだが、チャージングハンドルはフルにストロークする。レシーバートップのピカティニーレールにはAimpoint MicroT-1ドットサイトを装備。
AUGのトリガーシステムは、クロスボルト式のセーフティは備えているもののマニュアルのセレクターはなく、浅く引けばセミオート、一杯に絞ればフルオートで撃つことができる2ステージトリガーシステムを備えており、その感覚もつかみやすい。
AUG A3 CARBINE
A3ではレシーバートップをフラットトップのピカティニーレールか、写真のスコープを選択できる。また、A3以降ストック左側に装備されたボルトリリースも外観上の特徴となっている。
全弾射撃した後のホールドオープンに加え、MP5のようにコッキングハンドルを後退させて引っ掛けることでマニュアルでホールドオープンさせることができる。それゆえA2まではボルトストップがなかったが、A3から左側面にボルトリリースボタンが追加された。これは使い勝手はいいかもしれないが、シンプルなデザインが壊れてしまった
のはいただけない。
AUG A1 COMPACT
AUGと言えばこのODカラーのストックに、キャリングハンドルを兼ねた1.5倍スコープ(スワロフスキー製)を備えたスタイルがスタンダードだろう。
AUG A2 CARBINE
A2ではレシーバートップがピカティニーレールに変更され、各種光学サイトが装着可能となった。写真のA2には1-3倍のショートスコープ、Leupold Mark4 CQ/Tが装着されている。バレルは16インチのカービン仕様。
【アームズマガジンウェブ編集部レビュー】
口径違いも含めて多くのバリエーションを誇るAUG。その長い歴史のなかで着実にバトルプルーフさてきたのがよく分かる。その汎用性や耐久性などが評価されて、今日の評価に結びついているに違いない。次回の後編ではいよいよ実射シーンを公開予定!
Text&Photo:櫻井朋成(Tomonari SAKURAI)
編集部レビュー:アームズマガジンウェブ編集部
この記事は月刊アームズマガジン2020年1月号 P.128-135より抜粋・再編集したものです。