実銃

2019/12/15

【後編】女性のコンシールドキャリースタイル【実銃レポート】

 

米オクラホマ州では、この11月から21歳以上の住人ならば、許可証なしでもコンシールドキャリーが合法となった。CCWパーミット(許可)の発行数が1,800万件を超している昨今の米国、今回は、毎日ハンドガンを携帯している麗しき女性に登場いていただき、彼女が愛用しているCCW(コンシールド・キャリ・ウェポン)を紹介してもらった。


【前編】はコチラ
【中編】はコチラ

 


今回の実射は、ポリスのデューティアモとして広く使われているフェデラル社の147グレインHST Tacticalと、その精度に定評のあるプライム社124グレインFMJの2種を使って、トリッシュに撃ってもらった。

 

今回の実射で使用したアモ。フェデラル 147グレインHST Tactica(l 左)と、Prime 124グレイン FMJ。

 

「撃ちやすさの面から言うと、やはり絶妙なグリップ周りのフィット感がリコイルも和らげているP365が一番ね。同じペースで撃っても一番タイトなグルーピングができるという点からも、その撃ちやすさがうかがえるでしょう。」

 

結構なリコイルだが、グリップに安定感があるので、体感するマズルライズはそれほどでもない。

 

アペンディクスの収まりは良好だ。

 

「サイトピクチャーは、SHIELDのフロントサイトをファイバーオプティック入りに換装しているので、昼間での見やすさ、狙いやすさは断トツ。実用面から言うと、やはりP365のXRAY3ナイトサイトがいい。グロック G43はストックのポリマーサイトのままなので、これは早急に載せ替えたいと思っているけれど。どうしてグロック社はこのポリマーサイトを使い続けるのか理解に苦しむ。大事なサイトピクチャーがダルでくっきりはっきりしないというマイナスポイントが多いと思う。」

 

S&W M&P9 SHIELDの実射。フルリコイルではここまで銃口が蹴り上げられる。

 

「撃ちやすさだけでランキングするなら、P365、G43、SHIELDの順ね。SHIELDは

グリップのデザインもフィット感も良いのに、中途半端なトリガーフィールとリコイルの強さでグルーピングを集めるのが難しいという残念な状況。でもこれらはかなりの部分が新しい2.0モデルで改善されているというので、そうそうにテストしてみたいところね」

 

弾頭がマズルを飛び出した直後。航跡がかすかに見える。

 

「ストックのままではちょっと武骨ね。前後サイトをすぐにでも交換するから待ってて」

 

米国では今年になってCCWパーミットの発行、保持数が1,800万件を超している。隣を歩いている人がガンをキャリーしている可能性が5%以上もあるという計算になる。トリッシュのような華麗なご婦人がP365で正当防衛をする国、それがアメリカなのだ。

 

【アームズマガジンウェブ編集部レビュー】

民間での護身用需要を強く意識したモデルが流行しつつあるのは、こうしたしっかりした需要があるからであろう。軍用という側面もある銃だが、特にアメリカでは個人の権利を守るために行使される場合もある。これからは、そういった需要を満たすモデルも様々なメーカーから発売されるのであろう。

 

 

Text&Photo:Hiro Soga

編集部レビュー:アームズマガジンウェブ編集部

 

 


この記事は月刊アームズマガジン2020年1月号 P.120-127より抜粋・再編集したものです。

 

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