2019/12/14
【中編】女性のコンシールドキャリースタイル【実銃レポート】
米オクラホマ州では、この11月から21歳以上の住人ならば、許可証なしでもコンシールドキャリーが合法となった。CCWパーミット(許可)の発行数が1,800万件を超している昨今の米国、今回は、毎日ハンドガンを携帯している麗しき女性に登場いていただき、彼女が愛用しているCCW(コンシールド・キャリ・ウェポン)を紹介してもらった。
「まず、今一番気に入っているのがSIG P365。なんといってもグリップデザインによる撃ちやすさと、装弾数10~12発+1という安心感が断トツ。グロックG43に比べると、スライドもグリップも厚く感じるけれど、コンシールドキャリーとしては許容範囲だと思うし、グリップの握りやすさから、自信をもってトリガーを引ける感じがする。この前、15連マガジンも出たので、12連マガジンをキャリーして、15連をスペアとすれば、27発+1を携帯できる計算になる。この小さな本体からすると、満足のいくデザインとコンセプトだと思うわ。」
SIG社ではP365を“マイクロ‐コンパクト”と呼んでいる。ガンズ&アモ誌では“2018ハンドガンオブザイヤー”に選出されている。
P365とGlock G19とのサイズ比較。ボリューム的には半分ほどに感じる。
「S&W M&P9 SHIELDは、P365を手に入れるまではメインのキャリーガンだった。8+1の装弾数は悪くはないのだけど、今となっては、やや影が薄くなっているかも。グリップのデザインも、グロックに比べると人間工学的に優れているけれど、少し大柄。あちこちトリムしたらよくなるんだろうなあ、と感じてしまうの。あと、個人的な感想だけど、他の2挺に比べ、少しリコイルがきついような気がする。特に147グレインなどの重い弾頭を使ったアモを撃つとその傾向が顕著ね。私が持っている第1世代のモデルは、トリガープルも独特ね。」
セラコートの強度にはやや不安があるが、こんなビビッドな色を付けられるのはうれしい。
トリッシュの上手さを物語るナチュラルな射撃姿勢だ。
「グロックG43は、私の周りでも、かなりの数の人が所有していて、勧められて買ったのだけど、あまり出番がないのよ。薄くデザインされたグリップ周りは見た目にはいいけれど、実際に握ってみるとサイドのフラットな部分が強調され、さらにバックストラップ下部の膨らんだカーブが気になる。一番のネックは、装弾数が6+1発であるという点。私は、装弾数は1発でも多い方が生存率が上がる、という考えなの。ただリコイルに関しては、3挺のうちで最もマイルドに感じるというのはプラスのポイントね」
スライドとフレームの幅を切り詰めた結果、トリガーバーの入る部分がポッコリと膨らんだ。
小柄なトリッシュに握られるとG19あたりに見えてしまうG43。これで装弾数6 +1発というのはちと寂しい。
【アームズマガジンウェブ編集部レビュー】
さすが、銃を撃ち馴れているだけはある的確なインプレッションである。特にトリッシュ嬢は身を守る為に銃を携帯している。目的がハッキリしているだけに、求めるモノもハッキリしているのだ。次回は、トリッシュ嬢のシューティングインプレッションをお届けする!
Text&Photo:Hiro Soga
編集部レビュー:アームズマガジンウェブ編集部
この記事は月刊アームズマガジン2020年1月号 P.120-127より抜粋・再編集したものです。