2026年2月号

2026/01/27

SHOW SHOW 2026 Day-4 3日遅れの速報

 

SHOW Show 2026 Day-4 最終日の様子をご紹介させて頂きます。またも約3日も時間が経過しており、ちっとも速報ではありませんが、今回はS&W, SIG SAUER, TTI等の新製品をお届けします。それとゼニスファイヤーアームズの意欲的な試作品ですね。

 

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Zenith Firearms

 

 かつてトルコでライセンス製造されていたH&K G3およびMP5のスポーターバージョンを輸入・販売してきたZenith Firearmsは数年前よりバージニア州に自社工場を設立し、現在では完全アメリカ製のスポーターモデルを供給している。もともと正規ライセンス生産を背景に持つことから、製造工程や設計思想はオリジナルのH&Kに極めて近く、一定以上の品質水準を備えていた点が評価されてきた。一方で輸入規制の制約により完成状態での輸入が難しく、まずトルコから未完成品として輸入した後、一定の割合のアメリカ製パーツを組み込むことで合法化する手法が採られていた。現在はアメリカ国内生産へ完全移行し、この手間は省け、総合的な品質管理や製品開発が行なうことも可能となった。MP5系スポーターモデルであるZF-5を主力とするほか、伝統的なローラーディレイドブローバック作動方式を継承しつつ、5.56mm×45口径の独自ARプラットフォームとして展開されるZF-56などもラインナップに加えている。

 今回はAR系に近いアンビ操作性を備えたローラーディレイドブローバック作動方式のPCC(ピストルキャリバーカービン)としてZF9-Sを紹介。モデル名の「S」はCZ Scorpion Evo 3を意味し、その名の通りスコーピオン用マガジンを流用可能とする設計だ。こちらはSBR(Short Barreled Rifle)仕様で、バレル長は5.8インチまたは8.9インチから選択できる。冷間鍛造法によって製造されたバレル先端にはサプレッサー対応の3ラグに加え、汎用性の高い1/2×28スレッドを備えている点も実用的だ。付属マガジンにはMAGPUL製のPMAG 35 EV9が採用されており、そのほかにも B5 Systems、Meprolight、JK Armament といった実績あるメーカーのパーツが組み込まれている。

 


 こちらはGlock 用マガジンに対応したZF9-Gピストル。基本構成はZF9-Sと共通しており、ローラーディレイドブローバック作動方式とAR系に近いアンビ操作性を備える。バレル長は同様に5.8インチ、または8.9インチから選択可能だ。

 


 今回のSHOT Showで目にした新製品ハンドガンの中で筆者が個人的にもっとも強い関心を抱いたのが、このZF-P9だ。


 かつてH&Kはハンドガンにローラーディレイドブローバック機構を組み込んだP9シリーズを1960年代後半に開発している。固定式バレルによる高い命中精度、そして非常にソフトなリコイル特性などが高く評価され、アメリカ海軍でも固定バレル方式からの優れたサプレッサー適性により一部で採用した実績を持つモデルであった。プレス加工や樹脂製パーツを積極的に用いた製造手法も当時としては先進的で、技術的には極めて意欲的な存在であった。
 一方でヒール式マガジンリリースに代表されるような第二次世界大戦期の設計思想も色濃く残っており、先進性と時代遅れの要素が混在していた点は否めなかった。またシングルスタックマガジンによる装弾数の少なさもハイキャパシティ化が急速に進んでいったその後の潮流とは合致しなかった。
 西ドイツをはじめ、日本を含む各国の法執行機関で一定の運用実績は残したものの、H&KはP7シリーズの成功を受けてハンドガン戦略をそちらへ移行し、P9は1970年代後半に生産終了となっている。なお、口径は9mm×19のほか.30ルガーや.45ACPも存在し、DAトリガー仕様のP9Sやターゲットモデルなども派生した。
 製造中止後も、その独自性の高いメカニズムゆえに、現在まで根強いファンを持つモデルとなっている。その思想を現代的に再解釈ともいえるのが今回のZF-P9だ。外観はグロックを想起させるモダンなデザインだが、内部にはローラーディレイドブローバック機構を内蔵している関係でスライドは9mmピストルとしてはやや大ぶりながらも全体としてはスリムにまとめられている。マガジンはグロック用をそのまま流用する点も実用的だ。
 今回展示されていた試作品は、ショーの前週に加工を終えて組み上げられたばかりの段階であり、内部機構は未完成であった。そのため、この時点での不完全な状態が不用意に評価されることを避ける意図から、スライドは作動できないようジップタイで固定されていた。

 


 しかしマガジン挿入口から内部を覗くと、MP5系と同様に両側にロッキングローラーを備えたボルトヘッドとデュアルリコイルスプリングシステムを確認することができた。製品化に向けた開発はまだ継続中だが、来年のインダストリーディでは来場者が試射できるレベルまで完成させたい、という意欲的な目標も語られている。現時点で公表されている主なスペックは、4.8インチの冷間鍛造バレルを備え、重量は約860g。ローラーディレードという歴史的メカニズムが、現代のハンドガンとしてどこまで完成度を高められるのか。その行方に、大きな期待を抱かせる1挺だと言えるだろう。

 

SIG SAUER

 

 コロナ禍以降、3年ほどSHOT Showへの出展から距離を置いていたSIG SAUERだが、2025年からシーザーズフォーラム側にて従来よりも規模を大幅に縮小しつつも出展を再開しているのがSIG SAUERだ。
 2025年にSIGが発表したP211-GTOは、2011プラットフォームをベースとしながらP320用マガジンを使用する点が最大の特徴となっている。フルサイズに匹敵する全長ながら4.4インチのブルバレルにSIGが3Dプリンター製造技術を駆使して開発したMACH3Dコンペンセイターを組み合わせており、ショートスライドによる軽快なスライドサイクルなど魅力的な製品に仕上げている。フレーム構造はフルサイズのダストカバーを備えたフレーム上部と、独立したアルミ合金製グリップモジュールを組み合わせる構成で、伝統的な2011に見られるハイブリッドフレームの思想を取り入れている。アンビセイフティレバーやグリップセイフティなど、操作系は1911スタイルを踏襲しており、加えてアンビスライドキャッチとリバーシブルマガジンキャッチなどのオリジナルにない機能も追加している。実際に手に取った印象でも2011シューターにとって大きな違和感はない。唯一挙げるとすれば、グリップアングルがやや急である点が、従来の2011に慣れたユーザーには少し異質に感じられるかもしれない。
 今回はコンペンセイターを排し、純粋なブルバレルとしてスライドを延長した5インチバレルのP211-GT5が紹介された。アグレッシブデューティースタイルのセレーションとSIG-LOC PRO対応のオプティックカットを備えるスライド、G10グリップパネル、ターゲットクラウン、口径は9mm×19のみで17連1本、21連マガジンが2本付属する。ステンレス製スライド/フレームはナイトロン仕上げだが、この写真のコヨーテセラコート仕上げも選べる。価格については未定だが$2,200程度となるらしい。

 


そして4インチバレルのP211-GT4がこちらだ。これはナイトロン仕上げであるが、同様にコヨーテカラーのセラコート仕上げも提供される。