2025/10/27
タナカ コルトSAA 2ndジェネーション 7.5inch スチールフィニッシュ

1873年から1893年までにアメリカ軍に納入されたSAAはすべて7-1/2インチだった。5-1/2でもなく4-3/4インチでもない。タナカのSAAは戦後の2ndジェネレーションであり、往年の軍用SAAとは違うものだが、そのロングバレルを使いこなしてこそ、真のSAA使いになれるのではないだろうか?
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1873年にコルトとアメリカ合衆国政府との間で契約が交わされ、シングルアクションアーミー(SAA)が軍用として納入されることが決まった。そしてその年の末から1893年までの間にこの銃は37,063挺納入されている。そのバレル長はすべて7-1/2インチであった。
現在の感覚からすれば、この7-1/2インチ(190.5mm)という銃身はあまりにも長く、使い難いと感じるだろう。もっと短い4-3/4インチや5-1/2インチの製品がその後に作られている中で、これほどまでに長いバレルのリボルバーが採用され続けた理由は、長いバレルの方が利点があると考えられていたからだ。
それは主に以下の3点に集約される。
・より高い初速が得られ、よりパワフルであること
・照準線長が長く、高い精度が得られること
・前方向が重くなり、これによってホルスターに入れて携帯する際に銃を落とし難くなること
当時、軍の中でリボルバーを最も活用したのは騎兵(Cavalry)で、彼らは通常右腰にグリップを前にして銃を携帯した。銃を抜くときは手首を反転させてグリップを握り、銃を抜き出す“Cavalry Draw”と呼ばれる手法を用いたといわれている。この抜き方であれば7-1/2インチの長いバレルでもそれほど苦にはならず、スムーズに銃を抜けた。もっとも当時の騎兵は必ずしも同じ手法でリボルバーを携帯していたわけではない。あくまでもこの方法で携帯した騎兵が多かったらしいというだけだ。
この7-1/2インチという長いバレルについては、やはり一部の兵士らはどうも持て余し気味だったようだ。納入された37,063挺の内、16,897挺が1895年から1903年までの間にコルト、もしくはスプリングフィールド造兵廠にリファービッシュのために戻された際、その多くはバレルを5-1/2インチに切り詰められた。ここでいうRefurbishとは使用済みの工業製品をメーカーが調整改修し、新品状態、あるいはより高機能な状態にすることを意味する。
切り詰められたSAAの一部は砲兵(Artillery)などに兵科に支給された。この事から、7-1/2インチモデルをキャバルリー、5-1/2インチモデルをアーティラリー、4-3/4インチモデルは民間仕様を意味するシビリアンという呼称で分類する手法が後の時代に一部で用いられるようになったが、この分類の仕方は正確ではないので、基本的に使うべきではない。ロングバレルモデルも民間で売られたし、砲兵は全員が5-1/2インチを統一して使ったわけではないからだ。7-1/2インチも騎兵専用ではない。
タナカが今回製品化したSAA 2ndジェネレーション7-1/2インチスチールフィニッシュは、西部開拓時代のSAAではなく、第二次大戦後にウエスタン人気の影響で生産が再開された時代のモデルを再現したものだ。したがって19世紀に軍用として納入されたSAAとは異なるが、7-1/2インチバレルを含め、往年のSAAが持つイメージをしっかりと形にしている。実銃の2ndジェネレーションは、それが作られた時点で西部開拓時代の雰囲気を漂わせた製品だったからだ。
この長いバレルのリボルバーを使いこなすことで、19世紀後半の騎兵達の技量に一歩近づくことができたように感じるだろう。
スチールフィニッシュはかつてのガンブルー仕上げを彷彿させる美しさがある。クラシックなミリタリーリボルバーはこんな深みのある表面仕上げだったのだ。もし7-1/2インチのSAAを手にしたことがないトイガンファンがおられたら、ぜひこのSAAを使ってみて頂きたい。ロングバレルの美しいSAAは、きっとこれまでとは違うシューターエクスペリエンスを与えてくれるだろう。

タナカ
ペガサス2 ガスガンシリーズ
コルトシングルアクションアーミー セカンドジェネレーション 7-1/2インチ スチールフィニッシュ
全長:332mm
重量:約835g
装弾数:15発+サブマガジン内10発
主要材質:ABS樹脂(スチール風メッキ)+亜鉛ダイキャスト
仕様:ペガサス2 ガスガン
価格:\48,180(税込)
2025年10月中旬発売予定
お問い合わせ先:タナカ
Gun Pro Web 2025年12月号
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