2025/10/02
コルト1911シリーズ最新モデル 一気撃ち!【動画あり】

コルトがCZの傘下に入って早くも4年が経過している。コルトCZグループとなったことは同社の製品にどのようなプラスをもたらしたのか、それとの何も変化は無いのか、それを確かめるべく、コルトの最高傑作である1911を撃ってみた。どれも新しい体制になってから作られた新型だ。
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2021年、チェコの銃器メーカーCZ(Česká zbrojovka Uherský Brod)を擁するCZグループ(Česká zbrojovka Group SE:CZG)は、米国のコルトホールディングカンパニー(Colt Holding Company LLC)を完全買収した。CZグループはすでに欧米市場で広い影響力を持っていたが、コルトの獲得によって特に米国市場での立場を決定的なものにしたといえる。この買収は、単なるブランド資産の取得ではなく、設計・製造・販売網の融合を狙ったものだ。但し、部外者にも容易に判る形での変化はすぐには表面化しないだろう。
10月号でご紹介した通り、CZはBREN 3を新たに製品化、軍や法執行機関にこれを売り込もうとしている。一方、コルトはM4カービンの発展型であるM5カービンを製品化し、これを同じ市場に投入している。一見するとCZとコルトは別会社としてそれぞれが事業展開をしているように見えるが、実際はコルトCZグループのグローバル戦略に基づいて事業運営と展開が行なわれているはずだ。そうでなければコルトを買収した意味がない。
当然、コルトが主に民間市場に向けて製品展開しているリボルバーや1911についても同様だ。コルトはCZに買収される前から続いている製品展開をそのまま継続しているだけのように見える。しかし、その動きはコルトCZグループが完全に把握、今後の製品化の方向性を含めて管理しているはずだ。
コルトCZグループには、20年前の2005年に買収した銃器メーカー、ダン・ウエッソン(Dan Wesson)も存在する。元々はバレル交換が容易なリボルバーを製造供給するメーカーであったが、2005年の時点では完全な1911クローンメーカーとなっていた。そのダン・ウエッソンとコルトの製品は、1911に関しては完全に被っているように見える。しかし、ダン・ウエッソンの1911は一番安価なものでも$1,969でほとんどが$2,000以上という、ファクトリーモデルとしては高級志向だ。一方、コルトの1911は$1,149から$1,949の範囲内にあり、ちゃんと棲み分けはできている。こういった部分も含め、すべてはチェコ共和国にあるコルトCZグループが戦略的に管理しているのだろう。
今回、CZを訪問、コルト製品をいくつか撃たせて貰った。5月号ではリボルバーをご紹介したが、今回は1911をご紹介する。CZUBにこういった米国で製造されたコルトの製品があるということは、しっかりとその製品をCZUBの基準で管理していることを意味しているのだろう。そう思うと、コルトの1911も少し違って見えてくる。
現行の1911シリーズ
現代のコルトは、クラシックなガバメントモデルを基本としながらも、各種の派生モデルを展開している。ちなみにガバメントモデルとは、コルトの5インチバレルモデルを指す商品名だ。他社製はガバメントではないし、バレル長が異なれば、それはもうガバメントではない。また5インチバレルだからといって、すべてがガバメントというわけではない。
ステンレススチール製の“Stainless Government”、コンパクト化した“Defender”、競技用にカスタムフィットされた“Gold Cup Trophy”など、コルトの1911ラインナップは多彩だ。最新の製造技術により、加工精度やトリガーフィーリングはかつてより向上し、耐久性の高い表面処理や改良されたサイトシステムなどのアップデートが施されているといわれている。そういった部分にCZは深く関わっているはずだ。
では、CZ本社に用意して頂いた1911バリエーションを一挺ずつ見ていこう。尚、頼んだわけではないが、全部が.45口径の5インチモデルであった。やはり1911はこれが基本なのだ。
Colt Combat Elite Government

コンバットエリートは、クラシックなガバメントをベースに、現代的な実戦仕様へアップデートしたモデルだ。ステンレスのツートーン仕上げがなんとも新鮮で、基本的なカスタムパーツをフル装備している。クラシック1911のフィーリングを保ちながら、現代的な使い勝手を備えたモデルなのだ。マガジン装弾数は45ACPで8発、9mmなら9発だ。米国内希望小売価格は$1,599となっている。

1911 Classic Stainless

今回用意して頂いた7挺の中では、もっともスタンダードな1911だ。1911 Classicというシリーズで、カーボンスチール仕様とステンレス仕様がある。口径は45ACPと38スーパーから選択可能だ。名前の通り、最も伝統的なスタイルを維持している。それは外観だけでなく、内部機構にも及んでいて、このシリーズにはオートマチックファイアリングピンブロックセイフティが内蔵されていない。コルトはそれを“Series 70 Firing System”と称している。
スライド左面には、チェコ輸入に伴うCIP刻印が確認できる。シリアルナンバーは“GV”プレフィックスを持ち、現行生産型のガバメントであることを示す。スライド後端の縦セレーションは、初期M1911から続くデザインを踏襲しており、操作性よりも伝統を重視したシンプルな形状だ。



