2025/09/27
タナカ ペガサスII コルトSAA 2ndジェネレーション 5-1/2” スチールフィニッシュ

2023年発売のペガサスII シングルアクションアーミーはその後もバリエーションを拡大している。タナカの美しいスチールフィニッシュは、コルツマニュファクチャリングが活力に満ちていた時代に作られたセカンドジェネレーションの雄姿を彷彿させるものだ。
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南北戦争終結後、キャップ&ボールのパーカッションリボルバーは時代遅れとなりつつあるのは誰の目にも明らかだった。しかしコルトは、ローリン・ホワイトが取得し、S&Wが独占的に使用していた貫通シリンダーのパテントが失効する1869年12月11日を待ち続けることを選択している。
レミントンは1868年にS&Wへロイヤリティを支払い、貫通シリンダーのリボルバーを発売した。しかし、コルトはひたすら待ち続けるのだ。
そして当時、コルトのエンジニアであったCharles Brinckerhoff Richards(チャールズ・B・リチャーズ)がパテントを1871年7月25日に取得、既存の1860アーミーパーカッションリボルバーを貫通シリンダーへコンバージョンすることを開始した。コルトはこのような形で貫通シリンダー市場に参入している。
タナカがこれを5-1/2インチモデルと称し、アーティラリーという名称を使っていないのは正解だ。
1872年7月2日には、やはり当時コルトのエンジニアであったWilliam Mason(ウイリアム・メイソン)がその改良型パテントを取得、これにより、リチャーズ・メイソン コンバージョンが誕生した。しかし、これらは一時凌ぎに過ぎない。
コルトは、1872年にアメリカ陸軍がおこなったカートリッジリボルバートライアルに対し、新たに開発したニューモデルホルスターピストルを提示した。これはコルト初のカートリッジ式リボルバーで、リチャーズとメイソンの二人が中心となり、彼らの取得したパテントをベースとして作られた。それゆえ、モデル1871-1872 オープントップリボルバーとも呼ばれている。
バレル長は7-1/2インチで、44ヘンリーフラット(リムファイア)弾を使用する6連発だが、陸軍はこのリボルバーには納得しなかった。オープントップ構造のフレームが脆弱であると判断したのだ。また44口径リムファイアではなく、.センターファイアの45口径弾を使用できることを求めた。

この指摘を受けて、リチャーズとメイソンはニューモデルホルスターピストルをすぐさま徹底改良した。フレームにトップストラップを設け強度を大幅に上げると共に、45口径に対応させた。またバレルとフレームの固定方法を改良、さらにエジェクターロッドやローディングゲートもより使いやすくしている。
これが1873年にアメリカ陸軍に採用され、コルトシングルアクションアーミーとなった。1874年の最初の発注は8,000挺で、翌年に6,400挺、1891年に3,000挺が納入されている。ずいぶん少ないと感じるかもしれないが、1880年におけるアメリカ陸軍の総兵員数が12,000人未満であり、この数だけで全将兵への支給できる。
コルトシングルアクションアーミーは軍のみならず、保安官や無法者、牧場主、開拓者や一般市民にまで幅広く愛用された。1941年に生産が終了するまでに356,629挺が製造されたと記録されている。そしてこの時までに製造されたものが1stジェネレーションだ。
もはやシングルアクションリボルバーは時代遅れと思われていたが、西部劇が人気を集めていたことで、1956年に製造が再開、これは2ndジェネレーションと呼ばれている。生産は1974年まで続き、その総数は73,205挺だ。
1976年からは3rdジェネレーションに切り替わり、これが1993年にまで続いて、1994年には3rdジェネレーション後期型、もしくは4thジェネレーションと呼ばれるものに切り替わって現在に至っている。
タナカが2023年に大幅リニューアルしたのシングルアクションアーミーPEGASAS IIは2ndジェネレーションをモデルアップしたもので、外観のリアルさはそのままに、より実銃に近い構造と操作性を追求している。ベースピンを貫通する構造に変更、その内部でバルブを直接叩くメカニズムを採用するなど、実によく考えられている。そのPEGASAS II 5-1/2インチ仕様にスチールフィニッシュモデルが登場した。バレル、シリンダー、フレームをスチールフィニッシュ仕上げとし、ハンマーはグレースチールフィニッシュを施した上、両サイドをポリッシュした2トーン仕様となっている。
従来のブラック仕様も魅力的だったが、このスチールフィニッシュは往年の20世紀半ばのコルトシングルアクションアーミーを彷彿させる美しさだ。1956年当時、コルトシングルアクションアーミーの価格は、コルト パイソンと同じ$125だった。シングルアクションアーミーもパイソンと同様、ハイエンドモデルと位置付けられていたといえる。そう考えると、この美しい仕上げがシングルアクションアーミーには実に相応しい。

タナカ
ペガサス2 ガスガンシリーズ
コルトシングルアクションアーミー セカンドジェネレーション 5-1/2インチ スチールフィニッシュ
全長:271mm
重量:約825g
装弾数:15発+サブマガジン内10発
主要材質:ABS樹脂(スチール風メッキ)+亜鉛ダイキャスト
仕様:ペガサス2 ガスガン
価格:\47,080(税込:ラトルスネークグリップは別売) 2025年10月中旬発売予定
お問い合わせ先:タナカ
+Weightグリップシリーズ
SAAラトルスネークグリップ
重量:約145g
主要材質:ウォルナット+真鍮(銀メッキ)+ステンレスウェイト
付属品:スクリュー
対応機種:タナカ ペガサス2, ペガサスSAA 2ndガスガン, SAA 2ndシリーズモデルガン(バーズヘッドグリップ系には装着不可)
価格:\21,780(税込) 好評発売中 数量限定生産
Gun Pro Web 2025年11月号
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