2025年11月号

2025/09/27

タナカ S&Wパフォーマンスセンター6.5インチブラックHW Version 2

 

 

Xフレームに6.5インチのカスタムバレルを組み合わせたパフォーマンスセンターのモンスターガン。全長363mmで、1,325gという重量も迫力満点だ。バレル上面の配置されたピカティニーレイルにダットサイトを載せれば、さらに魅力を増す。

 

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 S&Wは2001年5月にアリゾナ州スコッツデールのSafe-T-Hammer Corp.に買収された。これがきっかけで、同社は長い低迷のトンネルから抜け出すことに成功する。それを象徴する製品が2003年に発売されたモデルS&W500だ。
 2002年2月、S&WのプロダクトマネージャーであったHerb Belin(ハーブ・ベリン)は、世界最強のリボルバーを製品化することを提案、当時の社長Bob Scottによって承認された。
 1981年からS&Wで働いていたハーブ・ベリンは、会社に活力が戻ってきたことを実感したのではないだろうか。2001年までのTomkins plc(トムキンス公開有限会社)傘下時代にこれを提案しても、バカバカしい製品企画として却下されるのがオチだったはずだからだ。

 

▲フロントサイトは背面がオレンジ色のランプタイプで、ダブテイル固定されている。左右非対称のポーテッドマズルブレーキはパフォーマンスセンターのXフレームモデルによく使われているデザインだ。

 

 そしてS&Wのエンジニアリングチーム、Brett Curry, Rich Mikuta, Tom Oakleyらは、この世界最強リボルバーの開発に尽力し、わずか11カ月後の2003年1月9日、新たなXフレームリボルバー、モデルS&W500を完成させた。そんな短期間で新しいリボルバーを開発できたのは、当時として最新のCADシステムに加え、試作品を作ることなくコンピュータ上で作動性、機能性、耐久性などのシミュレーションをおこなうCAEアプリケーションをフル活用した結果だ。

 

▲バレルとその下のラグは複雑な加工形状となっている。通常のS&Wの製品とは異なる凝ったデザインが、パフォーマンスセンターの魅力だ。


 完成したモデルS&W500は、フロリダ州オーランドで開催されたSHOT SHOW 2003に展示され、市場からの大反響を獲得した。
 この成功には、新しい弾薬の開発に協力したCor-Bonアムニッションの尽力も忘れてはならない。

 

▲インテグラルマウントベースは、資料によってはWeaverと記載されているものもあるが、各スロットの寸法はピカティニー規格となっている。


 かつてS&Wは“世界最強リボルバー”のパイオニアであった。1935年の357マグナム、1956年の44マグナムでその称号を獲得している。新体制になったこの時、改めて世界最強リボルバーを市場に送り出すことは、S&W復活を世界に知らしめることにもつながるわけだ。そしてS&WモデルS&W500は見事にその役目を果たした。
 あれから22年半が経過した現在、世界最強リボルバーの座は、BFRリボルバーの500 Bushwhacker(ブッシュワッカー)モデルに奪われたが、これは一般的な市販製品とは言い難い。それゆえ、量産市販モデルとしては、依然としてS&WのモデルS&W500が最強だといってよいだろう。

 

▲シリンダーヨークのロッキングはディテントタイプ。エジェクターロッド先端をボルトでロックする伝統の形式よりずっと強度と信頼性がある。

 

 タナカは2005年初頭にペガサスシステムでこの最強リボルバーをガスガン化した。製品名はM500とされている(S&Wの正式な製品名は“Smith & Wesson Model S&W500”で500の前にS&Wが付くという何ともクドイ名前だ)。もちろんエアソフトガンである以上、BB弾の威力をパワーアップするわけにはいかないので、大きさ、重さといった“視覚”と持った時の“手応え”でそのパワフルさを表現している。重量を稼ぐために最初のモデルはヘビーウェイト材を採用、ブラック仕上げとした。

 

▲エイムポイントACRO C-2をB&T製QDマウント22mm 200517を介して載せてみた。ダットサイトを載せることは、現代のハンドガンではごく当たり前のことになっている。


 その後、タナカは各種バリエーションを展開、ステンレスフィニッシュによるシルバーモデルや様々なバレル長、バレルデザインの製品を供給している。現行モデルは、ガス効率を見直しすると共にリアル刻印としたVer.2だ。
今回の製品は6.5インチのカスタムバレルとマズルブレーキを搭載、バレルトップにピカティニーレイルを配置したパフォーマンスセンター仕様となっている。ヘビーウェイト材とグリップウェイトによる1,325gという重量も魅力だ。最強リボルバーの雰囲気をぜひ味わって頂きたい。

 

 

タナカ
S&W M500パフォーマンスセンター6.5インチブラックヘビーウェイト バージョン2

全長:363mm
重量:1,325 g
装弾数:11発
材質:HW樹脂+亜鉛ダイキャスト
仕様:ペガサス式ガスガン
フレームタイプ :Xフレームラウンドバット
価格¥39,380-(税込)
発売日:10月中旬頃発売予定
お問い合わせ先:タナカ
 

 

Gun Pro Web 2025年11月号

 

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