2025年10月号

2025/08/27

【NEW】ハートフォード S&W M1899  ミリタリー&ポリス1stモデル

 


ハートフォードが2024年初めに製品化を発表したミリタリー&ポリスファーストモデルがM1899としてこの秋に発売される。これは初期のハンドエジェクターで、S&Wのスイングアウトダブルアクションリボルバーの原点に相当する。これがモデルガン化されるのは初めてのことだ。

 

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 ハートフォードからS&W M1899モデルガンの量産試作モデルが届いた。この製品については2024年4月号でご紹介したが、あれから既に1年半が経過している(その時点では同年4月発売予定だった)。届いたサンプルは依然として試作品のままだが、ハートフォードは9月中旬の発売を目指しているそうだ。

 

▲最初期のKフレーム ハンドエジェクターであり、のちにこれがミリタリー&ポリスと呼ばれるようになった。意外と小さく感じる。


 実銃のモデル1899は、S&Wが1899年に発売したKフレームハンドエジェクターを指し、現在のS&Wダブルアクションスイングアウトリボルバーの原点となる製品だ。S&Wは、1894年に同社初のスイングアウトリボルバーを開発、その時はIフレームとKフレームが試作された。そして1896年に小型のIフレームがハンドエジェクターとして発売されたが、操作性も機能性も今一つで、市場の評価も低かった。
 それを受けてS&Wは、スイングアウトリボルバーのデザインを大幅に改良、その結果生まれたのがKフレームのモデル1899だった。大きな違いは、フレームトップに配置されていたハンマーの動きによって作動するシリンダーストップをフレーム下部に移動させ、トリガーと連動するようにしたこと、そしてシリンダーをスイングアウトさせるためのサムピースをフレーム左側面に配置したことだろう。これにより、作動性も操作性も大幅に向上している。
こうして誕生したKフレームのハンドエジェクターは、32口径と38口径とがあり、特に38口径はこの銃のために開発した強化型カートリッジ、38 S&W Special弾を使用するものだった。そしてこの38口径モデルは、その後にミリタリー&ポリスと呼ばれるようになる。

 

▲この時代のKフレームはエジェクターロッドの先端を保持するロッキングボルトがなかった。グリップフレームもスリムでラウンドバットのみ。


 ハートフォードが製品化するM1899はこの最初期型ミリタリー&ポリス 1stモデル 38口径だ。
 注目すべきはそのダブルアクションメカニズムで、現代のものとは少し異なっている。大きな違いは、ハンマーリバウンドスプリングがコイルスプリングではなく、板バネになっていることだ。リバウンドスライドもなく、レバー状のリバウンドパーツがフレームに収まっている。

 

▲サイドプレートを開くと初期のS&W DAリボルバーのメカニズムが現れる。後の時代のメカとの最大の違いはリバウンドスライドではなく、リバウンドレバーとなっていること、そしてリバウンドスプリングがコイルではなく、板バネでであったことだ。


 分解組立をする際には、この板バネのハンマーリバウンドスプリングをフレームに押し付けてリバウンドパーツを組み込む必要があるのだが、これがけっこう難しい。そこでハートフォードは専用のアルミ製治具を用意している。分解しないユーザーには不要な治具なので、これは別売りの予定だ。

 

▲左がリバウンドレバーとそれを組み込む際にリバウンドスプリングを押し込むための治具。右はそれを使用するときのもので、矢印の部分でリバウンドスプリングをフレームに押しつける。


 ハートフォードが長い時間をかけて開発したファースト ミリタリー&ポリスはまもなく同社東京店カスタムとして200挺限定で発売される。価格は税込み\49,500だ。
9月中旬発売を予定しているので、欲しい方は今すぐハートフォード東京店にお問い合わせいただきたい。

▲写真は試作品だが、製品版もナチュル仕上げとなる予定だ。
▲38スペシャルダミーカートリッジ。装填する際には弾頭部を外す。

 

お問い合わせ先:ハートフォード
〒150-0012 東京都渋谷区広尾5-24-4 ハイシティ広尾1F
Phone:03-6721-7986

 

 

TEXT:GPW Editor

 

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