2025/04/03
A!CTION ベレッタ92 LEONプロップK'zカスタム
1994年のフランス映画『レオン』“Léon”は、ニューヨークのリトルイタリー周辺を舞台に、家族を殺された12歳の少女マチルダと、行きがかりで彼女を助けた凄腕の殺し屋レオンの物語だ。
アメリカで “Léon: The Professional”として公開されると、高い評価を受け、リック・ベッソン監督の代表作のひとつになった。またこれをきっかけに、レオンを演じたジャン・レノはハリウッドでも活躍するようになり、マチルダを演じたナタリー・ポートマンも少女ながら脚光を浴びて、その後大きくブレイクしている。
公開からすでに30年が経過しているが、映画『レオン』は今でも少しも色褪せてはいない。この映画の中で、殺し屋レオンは、ベレッタ92FSのコンペンセイター仕様を使う。複数の銃を持っているレオンだが、仕事で使う銃は常にベレッタだ。物語の中で彼が使ったハンドガンはベレッタの他にS&Wモデル586の6インチだけだ。おそらく設定上、ベレッタはレオンのお気に入りなのだろう。
レオンのベレッタに装着されているのはAL.GI.MECコンペンセイターだ。映画の中で銃の側面がはっきりと映し出され、そこに書かれている文字が判別できるため、これは間違いない。レオンは世界的にもファンが多いため、あれがAL.GI.MECコンペンセイターであることは広く知られている。

じゃあ、AL.GI.MEC(アルジメック)ってどんなメーカー?となると、ほとんど知られていない。自分はたまたま2023年10月号の無可動実銃の記事で、AL.GI.MEC AGM 1というモデルを採り上げ、その時にこのメーカーのことを調べた。
わかったのは、AL.GI.MEC Srl.は1980年代に存在したメーカーであることだ。イタリアのAlfonso Giambelli(アルフォンソ・ジァンベリ)が創業した。社名のALとGIの部分はアルフォンソ・ジァンベリの名前、そのファーストネームとセカンドネームの最初の2文字から来ており、MECはMercato Europeo Comune(欧州共同市場)を意味するらしい。Srl.はSocieta a responsabilita limitata(有限責任会社)だ。同社は80年代半ばにブルパップのサブマシンガンAGM1を開発し、イタリア軍、カラビニエリ(国家憲兵隊)、警察などに売り込んだものの、採用には至らなかった。その時点ですでにイタリア公的機関の小火器はベレッタが席捲していた。そこでアルフォンソ・ジァンベリはこれをセミオート化して、アメリカ市場に売り込みを図った。
しかし、これもうまくいかず、AL.GI.MECはその後に消滅したと思われる。同社がいつごろまで活動していたかについては、全く記録が見つからなかった。またアルフォンソ・ジァンベリのその後についても不明だ。おそらく1990年代には何らかの情報はあったのだろうが、長い時間が経過したため、もはや記録がない。
コンペンセイターには、AL.GI.MECの文字の下にBY LA. RI. Aとあるのだが、これについては全く情報がない。
『レオン』で使われたコンペンセイターは、1985年にベレッタ92Fがアメリカ軍のサービスピストルM9に採用され、その市販モデルが大人気となった1980年代後半に、アルフォンソ・ジァンベリが、92F用のアクセサリーパーツを作れば売れるだろうと考えて、製品化したものだろう。無名の会社を広く知って貰うために、コンペンセイターの両側面に社名を大きく入れた。銃本体やパーツにここまで大きく社名を表示することは稀だ。
しかし、映画で使われ、その映画が大ヒットし、かつそれがスクリーンに大写しとなったことで、アルフォンソ・ジァンベリの思惑通り、その社名は広く知れ渡ったのだが、1994年までAL.GI.MECという会社が存続していたかどうかは、すでに述べた通り不明だ。
ア!クションは、この映画『レオン』に登場するコンペンセイター仕様の92カスタムを、タナカのモデルガン92SB-Fをベースに限定生産する。カスタムを担当したのはK’zだ。
装着されているAL.GI.MECコンペンセイターはアルミ製で、バレルではなく、リコイルスプリングガイドロッドを使用してフレーム側に装着されている。おそらく実物でもそうなっていたはずだ。これによりこのコンペンセイターは銃本体を加工することなく装着できた。実際の効果を求めるなら、バレルに装着した方がリコイル制御には有効だが、そうなると大改造が必要となるし、各部とのバランスをとる必要があるが、フレーム側に付けるなら問題は起きにくい。
ア!クションは単にタナカの92SB-Fにコンペンセイターを装着しただけでなく、銃本体にもかなり手を加えた。トリガーの形状を少しだけ変更し、やや細身にした上で黒染めした。またエジェクションポート周りの形状も修正している。


スライドとバレルは実銃がブルー仕上げであることから、軽く磨いてブルーイングしている。

映画に登場するレオンの92カスタムは、2機種あり、フレームが黒のモデルと、最後の戦いの際に登場するシルバーフレームとがある。実際、レオンは92カスタムを2挺両手に持って使うシーンもあるため、これは途中で銃が入れ替わってしまったのではなく、2挺持っているという設定なのだ。
92のフレームはアルミニウムアーロイなので、ア!クションはこれをシルバーに塗装し、ブラックフレームモデルはその後、アルマイトブラックで上塗りした。
その上で、実際の使用感を出すべく、エッジ部分を適度に擦るエイジング加工を施している。またマガジンもエイジング加工した。
またグリップはセミグロスブラック塗装仕上げとなっている。
以上のように、これはかなり手が込んだ92コンペンセイターカスタムなのだ。これまでにLEONの92カスタムはガスガンでは市販されてきたが、個人カスタムは別としてモデルガンとしての製品化はこれが始めての事だろう。
ブラックフレームとシルバーフレームは各5挺が製造される予定だ。価格は未定だが、たぶん安くないだろう。
ア!クション
ベレッタ「LEON」プロップ K’zカスタム
全長:約258mm
重量:936g(カートリッジ別)
主要材質:HW樹脂+亜鉛ダイキャスト+アルミニウム
仕様:5mmキャップ火薬使用発火式モデルガン
価格・発売時期:未定
お問い合わせ先:A!CTION
TEXT:GPW Editor
Gun Pro Web 2025年5月号
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