2025/03/03
L.A.M. Pistol LEDESMA ARMS MFG. カリフォルニア州のAR15系ライフルの製造メーカー
カリフォルニア州のAR15系ライフルの製造メーカー
LEDESMA ARMS Mfg. L.A.M. Pistol
By Yasunari Akita
Gun Professionals 2012年12月号に掲載
この取材から約12年が経過した。ブレットボタンはずっと前に使えなくなってしまったが、現在もレディズマアームズはカリフォルニアでAR系ライフルとピストルを同州の愛好家に向けて販売を継続してくれている。
2025年3月 GP Web Editor
アサルトウェポン規制
アメリカ国内の銃器規制の話題となるとカリフォルニアが代表的な存在として取り上げられる事が多い。厳しい州は他にもあるが、その中でも規制をリードしているからだ。昔は他州のように緩やかだったが乱射事件等がきっかけで80年代後半から21世紀に入る頃までに数多くの規制がおこなわれてきた。
現状を簡単にまとめれば、ハンドガンは落下テストをパスし、合法リストに記載されているモデルだけが販売可能で、長物にはカリフォルニア州独自の厳しいアサルトウェポン規制が存在し、それらの規制に触れない数少ないモデルだけが生き残っている。州内のルールなのでアメリカ全州で有効な連邦法とは切り離された独自の規制法である。
カリフォルニア州、そして連邦法の規制対象として長年睨まれ続けてきたのがアサルトウェポン(以下AW)達だ。1994年9月から2004年までの10年間、連邦法としてアサルトウェポンバン(AWB)が執行されていた。

AWとは半自動式ライフルに限らずセミオートのショットガン、そしてハンドガンの一部も含まれていた。犯罪事件に用いられた場合に殺傷能力が高く、被害が大きくなると考えられる特徴を備えたモデルの総称で、あくまで政治的な表現である。AWBには11発以上入る市販用ハイキャパシティマガジンの製造禁止も盛り込まれていた。
カリフォルニア州では89年に最初のAW規制がおこなわれ、AR15など特定のモデル名を持つ銃器達が販売禁止に追い込まれた。しかしメーカーは別のモデル名を打ち直す事で販売を継続したため、規制効果はそれほど高くはなかった。
そこで2000年にSB23という新法が開始され、特定の特徴を持つモデルが規制対象となり、AWBと同様、大半のセンターファイアのセミオートライフル、ショットガン、一部のハンドガン達が販売禁止となった。
しかし、それから数年後に登場したブレットボタンと呼ばれているマガジンリリースボタン/レバーのロック機能(指では作動させられないが何かのツールを使えば機能させられるもの)によって再び販売可能となり(司法省が合法と明確に認めたものではないが)、勢いを失っていたこの州の銃器市場も再び元気を取り戻していった。


カリフォルニアのAR15メーカー
この州にも以前は多くの銃器メーカーが存在していたが、厳しい規制の前に廃業したり他州へ引っ越すメーカーが増えた。しかし今年の10月号で紹介したLA郊外チノ市のスポーツフェアでレデズマアームズ マニュファクチャリング(以下LAM)の人達知り合い、同州では数少ないAR15系ライフルを製造する会社と聞かされ吃驚した。
社長のポール・レデズマ氏は地元チノ出身で、幼い頃から親の影響で銃と射撃にどっぷり浸かり、AR15系ライフルをいじる事に関してはかなりこだわってきたという人物だ。唯一の従業員である弟のエディと共に同イベントに初参加し多くの人に自社製品を撃たせていた。



ブレットボタンが紹介され再びアサルトライフルのブームが到来。「もっと色んなスタイルのAR15ライフルが欲しい」という声に応えようと一念発起し、LAMを5年前に立ち上げた。普通ならパーツの製造設備を整えるのには半端ではない苦労と投資が要るが、AR15系ライフルの下請けパーツ製造屋が山ほど存在しているので「なにも全部自分で製造する必要はない」と既製品のパーツを取り寄せ組み立てるというスタイルでビジネスを開始した。
実際のところカリフォルニア州には米軍納入品を含めたM16/AR15系パーツ製造業者が集中しているので、ライフルを構成するパーツのおよそ9割が州内から入手できる。例えば、銃の中核となる上下レシーバー(機関部)もサンディエゴの会社(他にも色んなメーカーに供給している)が担当している。



ということなので「工場内はパーツとベンチがあるだけのガレージのようなものだよ」と工場訪問取材すら渋られてしまった。AR15系の組み立てには大袈裟な工具や特殊技術は必要なく、カスタムパーツ屋達と連携すれば簡単にビジネスが成り立つ事にアメリカらしさを感じる。これはGIの腰を長年飾ってきたガバメント(1911)系ハンドガンにも同様の事が言える。
自身を"組み立て屋さん"と割り切ったポールのビジネススタイルの魅力は、お客の要望に何でも応えてくるカスタムオーダー制にある。基本モデルが用意されてはいるがパーツの組み合わせや仕上げなど、お客さんの要望に従い自由に変更してくれる。
ピンクやグリーン仕上げや特殊なパーツを組み合わせたワンオフのカスタムも組み上げてきた。月産数は大体20挺くらいだという。
いまや評判が他州へも伝わり州外からも注文が来るそうだが、厳しい規制の中で一緒に頑張っているカリフォルニア州の皆さんの為に奉仕したいという気持ちがポールには強い。
LAM製品は地元からも大変好評で、チノ警察はお得意先となっており、同署のタクティカルチームにも正式採用され、信頼性の高さを立証している。しかしフルオートは製造しておらずセミオートのみだ。LA近郊の警察官達も私物として購入するケースが多く、かなりの数をオフィサー達にも販売し続けている。

セレクターレバーのポジションは左が安全装置オン、上が発射ポジション。表記は文字ではなく弾のイラストが刻印されている。右側にはフルオートのポジションが!? 一瞬吃驚してしまうがレバーは右側には回転しない。あくまでシャレでやっているだけだそうだ。
口径表記は注文次第で変わるのでマルチと表記。
