2019/09/30
B.W.C.「スミス&ウェッソン SW1911PC」製品レビュー
S&Wパフォーマンスセンターが造り上げたS&W版ガバメント
●他社のモノでも貪欲に取り込む老舗メーカー
S&Wといえばアメリカを代表する銃器メーカーでありガンマニアで知らない人はいないだろう。リボルバーで名を馳せ、数多くの名銃を生み出してきたS&Wであったが、ことオートマチック拳銃に至っては苦戦を強いられていた。
そのS&Wが2003年にライバルであるコルトの代表作M1911クローンを発表し世間を驚かせた。しかし、単なるデッドコピーではなかった。これまでのオートマチックで培ってきた外装式エキストラクターや、グリップセーフティ連動のAFPBを内蔵するなどアレンジされていた。またパフォーマンスセンターによる限定品もリリース。いずれも評価は高く現在ではS&Wの屋台骨を支える重要な製品となっている。
●コダワリ満載のスライド
B.W.C.はパフォーマンスセンターカスタムを製作するにあたり、ガラス粉末混入のウレタン樹脂製スライドを製作。通常スライドに後から接着させるブリーチも一体成型にしてあるばかりか、成型品ではスライドの反りや捻じれを防止するための内側のモールドをなくした。これにより、スライドのスリット部の断面が均等に見える。さらに特徴的なスフェリカルブッシングも忠実に再現。
通称「ライトニングカット」と呼ばれる冷却用のスロットが開けれれたスライドを完全再現。断面が同じ厚みなのがハッキリわかる
S&Wを象徴させるウロコ状のセレーションはSCモデルよりさらに細かく加工されている
スチール材からワイヤーカットで造られた外装式エキストラクターはライブで可動
ボーマーサイトには細かくS&Wのロゴが入れられた、このモデルのためだけに造られた特注品だ
バレルブッシュ内側にリング状のスペーサーを組み合わせる「スフェリカルバレルブッシング」
「スフェリカルバレルブッシング」は機能、形状ともに忠実に再現されている
フレームのフロントストラップにはシャープな30 lpiのチェッカーが後加工で彫られ、アルタモント製のPC純正のG10グリップが装着されている。過去にもSW1911を製作してきたB.W.C.だがSW1911PCはその集大成といえる。
非売品である貴重なパフォーマンスセンター純正のG10グリップが標準装備されている
※写真は試作品です。量産品とは細部が異なる場合があります
DATA
- 価格:ブラック、シルバーともに¥178,000
(各色合計限定50挺、カートリッジ6発付き、2019年10月発売) - お問い合わせ先:B.W.C.
TEL:03-5828-8848
TEXT:IRON SIGHT
この記事は月刊アームズマガジン2019年11月号 P.97より抜粋・再編集したものです。