エアガン

2026/10/24

キャップ火薬を使って実銃のような雰囲気が味わえる「発火式モデルガンの特徴」

 

 モデルガンは、キャップ火薬を使って火花や発火音を体感できたり、実銃のように発火とともにカートリッジが排莢し、ブローバックが楽しめる「発火式」と、発火できない「ダミーカート式(無発火式)」にわけられる。このコーナーで取り上げるモデルガンは発火式だ。発火式モデルガンはライフル、ハンドガンを問わず製品化されているが、現在ではハンドガンのほうが多い。
 発火式モデルガンに使われる火薬は「キャップ火薬」と呼ばれるモデルガン専用に開発された玩具用煙火だ。サイズは5mmと7mmがあり、各製品に付属するカートリッジにあったキャップ火薬を使用すること。迫力を増すためにメーカーの指定数よりもキャップ火薬を多く詰めたり、ほぐして使ったり、花火などに使われる火薬を絶対に使ってはいけない。銃が破損するだけではなく大けがを負う恐れがあるからだ。
 キャップ火薬は撃つ直前まで付属の箱に入れて保管しておくこと。中に入っている厚紙や仕切りの紙も捨てずにそのまま入れておこう。これは、連爆や静電気による暴発を防いでくれるだけでなく、防湿の役目も果たしている。キャップ火薬は撃つ直前に箱から出して詰める、これが大原則だ。

 

発火式モデルガン、特にオートマチックピストルは発火とともにカートリッジが排出されてブローバックする。音やブローバックだけではなく火薬から生じる煙とリコイルショックもあり、実銃を撃っているかのような雰囲気が味わえる

 

リボルバーの場合はブローバックなどのアクションはないものの、不発などのトラブルが少なく発火音は大きく、火花も銃口から派手に出る。発火準備も簡単で、発火後のメンテナンスもしやすい

 

 

モデルガン用のキャップ火薬(M.G.CAP)。写真左が5mmキャップ火薬、右が7mmキャップ火薬。どちらも100発入りで600円前後

 

マルシンのモデルガン専用7mmキャップ火薬(通称プラグファイアーキャップ)。価格は600円前後

 

キャップ火薬は50発ごとにシート状で封入されている。カッターなどを使ってシートから丁寧に切り離してから使用する

 

キャップ火薬は軟質プラスチック製のケース(キャップ)に火薬(赤いシート状のもの)が貼られている。5mmキャップ火薬(写真左)は緑色、7mmキャップ火薬(写真右)はブロンズ色のケースなので、サイズ以外でも見分けがつくようになっている

 

 

モデルガン用発火カートリッジの特徴

 

リボルバー用カートリッジ

 リボルバーはブローバックするためのピストンやデトネーターを必要としないため、比較的簡単な構造のものが多い。現在ではリアルな形状をしたものがほとんどで、カート内にキャップ火薬と撃針を内蔵。それでいながら発火するとガスがしっかりと抜けるようになっている。またダブルキャップやトリプルキャップのカートリッジも存在し、オートに比べて迫力ある発火が楽しめるようになっている。

 

 

オープンデトネーター方式

 MGCがモデルガン黎明期に紙火薬用として開発したブローバック方式。カートとデトネーター(オープンデトネーターの場合撃針も兼ねる)のクリアランスをタイトにすることで発射ガスを閉じ込めブローバックする。カートを単純化できるが、汚れに弱い。タニオ・コバはGM-7で改良したオープンデトネーター方式を採用している。

 

 

プラグファイヤー方式/NEWプラグファイヤー方式

 マルシンが開発した閉鎖系カートリッジ。オープンデトネーターはデトネーター1本で火薬の汚れをすべて受け止めていたため汚れに弱かったのだが、プラグファイヤー方式ではカート内に発火用の撃針を備えていたため汚れに強い。オープンデトネーターと異なりキャップ火薬を上下逆さに装填するので、発火ガスがカートリッジ内に閉じ込められるように思われるかもしれない。しかし実際にはキャップ火薬の底に穴が開き、ガスは銃口側に抜けるようになっている。

 

 

CP方式

 オープンデトネーターの改良型。デトネーターではなくカート内にピストンと撃針を設けることで、汚れに強くなった。音も大きく、ブローバックのパワーもあるため、数多くのモデルガンに使用されている。ピストンが追加されたことで、オープンデトネーターよりもキャップ火薬のセットが少しだけわずらわしくなった。B.W.C.はこのCP方式を改良し、ダブルキャップカート(キャップ火薬を2つ使うもの)を開発している。

 

 

ボトルネック形状の7.62mm×25弾をイメージしたタナカのトカレフTT-33用5mmキャップ火薬仕様のカートリッジ。ケースは超ジュラルミン製で同社のEVO2で採用された快音トップが付属している

 

タナカのスミス&ウェッソンM500シリーズver.2に付属するトリプルキャップ火薬仕様のカートリッジ。キャップ火薬は1発でも2発でも発火可能

 

タナカのモデル1897トレンチガンVer.2に付属するショットシェル型のカートは7mmキャップ火薬が並列でセットされる

 

 

発火式モデルガン「3」の法則

 

 発火式モデルガンはモデルガン専用のキャップ火薬をカートリッジに詰めなければ発火させることができない。実銃に当てはめるならカートリッジに火薬を詰める動作に似ている。これはエアガンでは味わえないモデルガン特有の動作でもあり、一方でモデルガンの取り扱いを複雑にしている一因でもある。
 筆者はカートリッジにキャップ火薬を詰める準備段階から発火、手入れ・片付けまでの発火式モデルガンの一連の動作を、それぞれにかかる時間になぞらえて発火式モデルガン「3」の法則と呼んでいる。

 

準備:30分
発火:3秒
手入れ・片付け:3時間

 

 要するに撃つ(発火させる)のはあっという間、準備と手入れ・片付けに時間がかかるということを意味しているのだ。発火式モデルガンは発火させることが醍醐味なのだが、準備や片付けといった動作は発火式モデルガンでしか体感できない。一方で、準備と片付けを怠れば不発や装填・排莢不良が起きたり、最悪の場合破損してしまい思わぬ事故につながりかねない。調子よく発火させたいなら準備と手入れ・片付けに関して決して手を抜いてはいけないのだ。発火させる前にこの「3」の法則を肝に銘じておこう。

 

発火させるためには最初にカートリッジにキャップ火薬を詰めなければならない。たくさん撃ちたければその分だけ詰める手間が多くなる。ダブルキャップ仕様ならさらに手間がかかる

 

1発撃ち終えただけで火薬の汚れがヘッドやケースの内側に付着する。汚れを落とさずに撃ち続けるとこびりついて落ちなくなってしまう

 

撃ち終えたカートリッジの手入れは水洗いが鉄則。中性洗剤を含めた水で洗うと汚れが落としやすくなる

 

マガジンなどのスチール製パーツは火薬の成分で錆が出てしまう。撃ち終えた後は錆を防ぐためにオイルを塗布しなければならない

 

 

TEXT:アームズマガジン編集部

 

この記事は月刊アームズマガジン2026年10月号に掲載されたものです。

 

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