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2026/08/06

ナイフが好きなら一度は行きたい 阿佐ヶ谷しんかい【ナイフダイジェスト・アームズマガジン版】

 

 人類最古の道具とも言われる刃物。その中でも、実用性と収集性が並び立つアイテムである「ナイフ」にフォーカスして、最新情報をお届けしよう

 

 

TOPIC

 

ナイフが好きなら一度は行きたい 阿佐ヶ谷しんかい

 

 東京・阿佐ヶ谷のパール商店街にある「阿佐ヶ谷しんかい」は、ナイフ好きなら知らない人はいない名店。コレクター向けのレアアイテムが数多く揃っていることで、国内外のファンが注目するショップである。店長・藤井高さんに、カスタムナイフに絞って、おすすめアイテムをいくつか紹介していただいた。

 

古き良きアメリカを体現する品格のある作品。クーパーナイフがセレブリティたちに愛されたことも頷ける

 

藤井高さん(左)と西野勉さん。藤井さんのご子息の達也さんとの3人体制だ

 

「まず、お勧めしたいのは、奈良定守さんのカスタムナイフです」

 

 藤井さんが取り出したのは、小ぶりの「3.5インチセミスキナー」。近代カスタムナイフの父と称されるR.W.ラブレスが創出したユーティリティ製の高いデザイン。それをベースに全長200mmという、手に取って取り回しのしやすいサイズにしたモデルだ。

 作者の奈良定守さんは、中堅の作家。実用できるナイフづくりを一貫しており、サイズのみならず、ハンドルの厚みやブレードの立ち上がりなど、細部に徹底した気を配り、初心者からベテランユーザーまで使いやすいモデルを作ってきている。

 

奈良定守(ならさだ•まもる)作
「3.5インチ セミスキナーアイアンウッド」
全長:200mm
ブレード長:85mm
価格:51,700円

 

シースも含めて持ちやすく、使いやすい。フィールドやキャンプなどで実用することで真価を発揮する作品だ

 

「クオリティの高さで、多くのリピーターがいる作家さんです。オーソドックスだけど、よく見ると実に細かなところにまで行き届いている。コストパフォーマンスも良いので、最初のカスタムナイフとして自信を持っておすすめできます」

 カスタムナイフ、すなわち作家もののナイフの魅力はさまざまにあるが、他にはない「個性」や圧倒的な「手のかけ方」は、中でも大きな要素となるだろう。奈良定さんのナイフを手に取った時のフィット感や、使い心地の良さは、まさにカスタムならではのものだ。

 

「これはクーパーの貴重なボウイナイフです。私どもの店は、コレクターさんからの買取が多いんです。だからタイミング次第で、レアなモデルが入荷するんですよ」
 藤井さんが次に取り出したのは、ジョン・ネルソン・クーパーのボウイナイフ。

 

 クーパーは1920年代から60年以上ナイフを作り続けた米カスタムナイフのレジェンドだ。精肉用をはじめとする実用ナイフから戦闘用のナイフまで幅広いジャンルを手掛けたが、その作風は「古き良きアメリカ」を感じさせるタフでセンスの良いデザインで統一されている。ジョン・ウェインをはじめとする著名人たちが彼のナイフのコレクターだったこともあり華やかなイメージだが、防錆のためブレードとハンドルの接合部分を強固にする技術の特許を取るなど、実用性を生涯かけて追求した作家としても知られる。当然、そのナイフは没後も高値で取引されている。

 

ジョン•ネルソン•クーバー作
「ポウイナイフ」
全長:310mm
ブレード長:200mm
価格:297,000円


「レジェンドとなっている作家たちの作品は、時代を超えた美しさや、後世に影響を与える技術的革新があります。手に取ってそれらを実感することで、ナイフという世界をより深く理解することができると思います」
 藤井さんが、店頭に並べるものは、氏の眼鏡にかなった作品のみ。「東京ナイフ」と呼ばれる関東地区で作られてきたポケットナイフをはじめ、このお店だからこそ手に入れられるアイテムも数多い。


「カスタムナイフは、調べれば調べるほど楽しくて、奥深い。ぜひ、一度お店で手に取ってみてください。わからないことは気軽にご質問いただければ、分かる範囲でお答えします」


 ナイフに興味を持ったら、まずは「阿佐ヶ谷しんかい」に足を運んでみよう。

 

手のひらに収まるサイズの「東京ナイフ」の数々。どれもアクションはスムーズ。愛嬌のあるデザインでデスク周りで実用したくなる

 

道具鍛冶の最高峰・千代鶴是秀(ちょづるこれひで)の飽(かんな)。眺めているだけでどこまでも時間が過ぎていくような美しさ

 

カスタムナイフの他にも、ファクトリーナイフ、包丁や道具類、さらにジッポーなども扱う。包丁の研ぎはその腕の確かさでひっきりなしにオーダーが入る

 

 阿佐ヶ谷しんかい 

東京都杉並区阿佐谷南1-35-21
TEL:03-3311-9116
FAX:03-3315-8331
営業時間 10:00~18:00
休業日 火、水曜日
https://www.rakuten.co.jp/nzshinkai/

 

 

REPORT

 

銀座ブレードショー2026夏

 

 2026年の7月5日(日)、東京都の銀座にある「時事通信ホール」にて、「銀座ブレードショー2026夏」が開催された。プロからアマチュアまで幅広い作家たちが一堂に会するショーとして、人気が高い。今回はひときわ多くの来場者で、終日賑わいを見せていた。

 

恒例となった時事通信ホールでの開催。アクセスが良いので地方からも来やすい

 

これまた恒例のKIKU KNIVESの商品待ちの列。変わらない人気

 

終日、大勢の来客で賑わいを見せた

 

左から:肥田浩史/24季 近藤周平

 

左から:MAKKARI KNIVES/藤江謙司/横山哲夫/五十嵐護

 

左から:山本徹/奈良定守/澤口勉/長田渓

 

 

左から:市川志郎/武市広樹/高橋智紀/山川傑

 

 

左から:武藤美彦/丸山律/中山英俊/大泉好孝

 

 

詳細レポートは
こちらでご覧いただけます

 

 

 

Column

 

福田正孝氏、コラボモデルを褒める!!

 

 

 おかげさまで人気を呼んでいる新進作家×ホビージャパンのコラボナイフ。先日、銀座ブレードショーのホビージャパンブースでも、プロトモデルを展示させていただいた。思っていた以上の反応をいただいて喜んでいたところ、ナイフ作家の福田正孝さんがふらりとブースにやってきた。そして、石崎祐也さんの「212CK-T」を手に取ってしげしげと眺め始めた。

 

「どうでしょう?」

 

「うん、いいナイフだね」

 

 福田さんは言わずと知れた日本を代表するナイフ作家。圧倒的な精度や造形力といった技術に加え、理にかなったデザイン、素材のセレクトの的確さといったセンスも高い。国内外で人気を呼び、言うまでもなくその作品は常に入手困難な人物である。

 そんな作家に評価を伺えるまたとない機会。逃してなるものかと質問をした。

 

「あの、どこがいいと思います?」

 

「いろいろあるけど、まずはこの意匠かな。ブレードの上部に細くラインを入れているでしょ。これがブレード全体のデザインを引き締めている。タング部分まで伸ばしているのもできそうでできない処理。ブレードベベルの立ち上がりもハンドルのラインに合わせて斜めで、直線的にしている。これもセンスの良さを感じさせるね」

 

「全体のシルエットはどうでしょう?」

 

「いいよね。使い手が自分の好みの刃をつければ、より使いやすくなると思う」

 

 福田さんはお世辞を言わない。だからこそ、その言葉には重みがある。プロの視点での批評に筆者はひたすら感謝をするのであった。


 石崎祐也、市川志郎、萩野力の3名によるコラボナイフ。現在、第一弾予約受注分の制作を進めているところだが、まだ注文は受付中。近日、スペシャルイベント開催の予定もあり。

 引き続き、チェックしていただきたい!

 

 

 

石崎祐也 ISZナイフ

 

「212CK-T」

全長:232mm
ブレード長:120mm
ブレード厚:2.9mm
ブレード材:VANAX SUPER CLEAN
ハンドル材:ブアナラッダクイズドチタン
価格:92,400円(税込)

 

https://hobbythepeople.shop/items/69cce25bff9a53245a4f9b77

 

 

市川志郎 I川商店

 

「Core Breach」

全長:270mm
ブレード長:135mm
ブレード厚:5mm
ブレード材:MAGNACUT
ハンドル材:ドライカーボン
価格:99,000円(税込)

 

https://hobbythepeople.shop/items/69cce39ae351903842348969

 

 

萩野 力 Asurah Knives

 

「Monolith Prime」

全長:150mm
ブレード長:70mm
ブレード厚:3mm
ブレード&ハンドル材:EXEO-CR20
価格:55,000円(税込)

 

https://hobbythepeople.shop/items/69cce0fe7d2c4c7c6857b8f

 

コラボモデルでスペシャルイベント企画中!!

詳細は、noteでご覧ください!!

 

 

NEWS

 

ナイフづくり教室と昭和関おもしろナイフ展 開催

 

 8月1日(土)に岐阜県関市にある「せきてらす刃物工房」で「ナイフづくり教室と昭和関おもしろナイフ展」が開催される。刃物の町・関がつくってきたさまざまな刃物類。その中でも時代を彩った名品、特にユニークな形状や仕掛けの品々を展示、そのバックストーリーや作り手たちの高い技術に触れられるイベントとなる。また、関のナイフ職人による「ナイフづくり教室」も同時開催。詳細は主催まで。

 

関のポケットナイフの数々。関のナイフは戦後、海外を中心に大人気となった(商品協力:阿佐ヶ谷しんかい)

 

昭和関おもしろナイフ展

2026年8月1日(土)10:00~17:00
●会場:せきてらす(岐阜県関市平和通4-12-1)
●問合せ:

 090-7916-5147(関刃物文化継承会)
 sekikeishoukai@gmail.com
*ナイフづくり教室は要予約。関刃物文化継承会にお問い合わせください

 

 

速報!!『ナイフカタログ』今年も刊行!!

 

 毎年恒例となっている『ナイフカタログ』、今年も9月刊行予定で製作しています。例年のファクトリーモデルのカタログに加え、カスタムナイフに関する情報も多めに掲載。ナイフ作家とのコラボモデル企画も進行中。お楽しみに!

 

 

構成:服部夏生(刃物専門編集者)

 

この記事は月刊アームズマガジン2026年9月号に掲載されたものです。

 

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