2026/03/11
オールド・モデルガン・アーカイブ:金属リボルバー対決「60年代パイソン vs 80年代パイソン」
人気モデルはよく競作になる。かつて金属モデルガンの時代にも競作となったモデルは数多い。そんな中から、興味深いリボルバーを3機種選び、対戦形式で比較してみることにした。
第1ラウンド
60年代パイソン vs 80年代パイソン
MGC パイソン357(1969年)
2.5インチ、4インチ
金属モデルガン初のパイソン!
複雑な形状の金属製品を大量生産するのに向いている亜鉛合金ダイカストだが、純国産の金属モデルガンが初めて登場した1962年当時は、まだまだそれほど製造技術は高くなかった。
ハドソンとほぼ同時期に最初の純国産金属モデルガンを発売したMGCは、人気の高かったリボルバーの、チーフスペシャルやディテクティブ、シングル・アクション・アーミー(SAA)といったモデルをいち早くモデルガン化したものの、パイソンだけはベンチレーテッドリブやフルアンダーラグなど、その複雑なバレル形状ゆえに金型から出した後の変形が大きく、簡単には製品化できなかったという。そこで様々な実験を重ね、パーツの外側に色々な形の出っ張りを付けるなどして全体が同じ速度で冷えるようにし、冷却後、不要部分を機械によって裁ち落とすなどの技法を確立させ、初めてパイソンのモデルガン化が可能になったという。
ただ、精度の問題やコストの問題もあり、フルメカ、フル機能ではなかった。それでもパイソンの味をちゃんと持ったモデルガンを完成させることはできた。
モデルガン・パイソンの歴史は、MGCのパイソンとともに始まったと言っても過言ではない。
DATA
主材質:亜鉛合金
撃発機構:シングル&ダブルアクションハンマー
発火機構:シリンダー内前撃針
カートリッジ:ソリッドタイプ
使用火薬:平玉紙火薬3〜5粒、のちにキャップ火薬
全長:171mm(2.5インチ)、235mm(4インチ)
重量:800g(2.5インチ)、900g(4インチ)
口径:.357マグナム
装弾数:6発
発売年:1969年
発売当時価格:2.5インチ3,500円、4インチ4,000円、カーリッジ12発350円
※smG規格(1977年)以前のモデルは販売目的の所持禁止。違反すると一年以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金に処せられます。
※寸法などのデータは当時のメーカー発表によるもので、実測値ではありません。また価格は発売当時のものです。
コクサイ ニュー・コルト・パイソン .357マグナム(1986年)
2.5インチ、4インチ、6インチ
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金属パイソンの1つの到達点!
コクサイは、1980年代になってシューティングブームが起き、トイガンの主役がモデルガンからエアソフトガンに移った後も、モデルガンの開発を止めなかった。そして1985年から、新たな金属モデルガンのリボルバーシリーズをスタートさせた。○○シリーズなど銘打ってはいなかったが、リアルメカ、フル機能、美麗半つや消し仕上げなどを特徴とする高級路線だった。また、前面に打ち出されてはいなかったものの、評価の高かったプラスチックモデルガンと内部のパーツを共通としていたということもある。これにより、設計・製造期間の短縮と、コストダウンを図ることができた。
最初に発売されたのがS&W M19コンバットマグナムで、次にS&W M29、続く第3弾がコルト・パイソンだった。
これでコクサイは初めてパイソンのリアルメカ、フル機能に切り込んだ。なので、1981年に発売していた金属コルト・パイソンと区別するため、あえてニュー・コルト・パイソンと名付けた。おそらく旧モデルとパーツの互換性はなかったと思われる。実銃のコルトパイソンは各パーツがハンドフィッティングされ、カスタムガンのように調整されていたという。それを大量生産のモデルガンで再現するのは至難の業で、実現したコクサイはまさにパイオニアとでも呼ぶべき存在だった。コルト独特の、トリガーを引くごとに重さが増していき、突然切れるというフィーリングまでも再現したと一部ファンの間で評判となった。
ただ、亜鉛合金のパーツはすり減りが早かったため、リバウンドレバーとボルト(シリンダーストップ)が必要なタイミングで作動しなくなり、メカニズムがロックされて動かなくなるということも起きた。
それでも間違いなく、モデルガンパイソン登場後、17年目にして到達した1つの頂点だった。
DATA
主材質:亜鉛合金
撃発機構:シングル&ダブルアクションハンマー
発火機構:シリンダー内前撃針
カートリッジ:スプリング内蔵インナーロッドタイプ
使用火薬:5mmキャップ
全長:201mm(2.5インチ)、239mm(4インチ)、390mm(6インチ)
重量:830g(2.5インチ)、950g(4インチ)、1,100g(6インチ)
口径:.357マグナム & .38スペシャル
装弾数:6発
発売年:1986年
発売当時価格:2.5インチ9,500円、4インチ9,600円、6インチ9,800円
(各カートリッジ6発付き)
オプション:木製グリップ(ウォールナットウレタン仕上げ)4,800円
※寸法などのデータは当時のメーカー発表によるもので、実測値ではありません。また価格は発売当時のものです。
※モデル名やパーツ名などは、基本的にはメーカー表記に準じていますが、メーカー自身の表記にも揺らぎがあるため、本稿ではその時に参考にした資料に従って表記し、あえて統一していません。
※拳銃型の金属製モデルガンは、1971年の第一次モデルガン法規制(改正銃刀法)以降に販売されためっきモデルであっても、経年変化等によって金色が取れると銀色と判断されて規制の対象となることがあります。その場合は黄色や白色、または金色の塗料を塗るなどの処置が必要です。
TEXT&PHOTO:くろがね ゆう
この記事は月刊アームズマガジン2026年4月号に掲載されたものです。
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