2019/07/01
注目のVFCのMP7A1電動ガンを徹底解剖!
多くの新機構にVFCのコダワリを見た!
現在もっとも注目を集めているエアガンといえばVFC/Umarexの電動ガンMP7A1だろう。同社のガスブローバックモデル同様、1/1フルスケール(=リアルサイズ)であることはもちろんだが、最大の特徴はマイクロギアボックスだ。
VFC/Umarex 電動ガン MP7A1
- 全 長:415mm/638mm(ストック伸張時)
- 重 量:1,310g
- 装弾数:110発
- 価 格:オープン
- お問い合わせ先:VFC
●徹底解剖! 新開発オリジナルギアボックス
コンパクトなボディーのMP7A1を電動ガン化するにあたり、VFCはスタンダード電動ガンのギアボックスを巧みにアレンジしたオリジナルのマイクロギアボックスを開発。コンパクトなボディーを犠牲にすることなく、かつMOSFETを標準装備したうえでバッテリーの収納スペースを確保することに成功した。実際にレシーバーからギアボックスを取り出してみると、見事としか思えないほど完璧にデザインされている。
1/1フルスケールのレシーバーからギアボックス/バレルアッセンブリーを取り出したところ。本体前部にバッテリーが収納できるスペースを残しているだけで、ほぼギッシリ詰まっている
ギアボックス/バレルアッセンブリー右側を見たところ。ダミーボルトとチャージングハンドルが連係しているのがわかる。ギアボックス下部を黒い樹脂製パーツが覆っている
ギアボックス/バレルアッセンブリー前部に基盤とバレル下部にMOSFETが収められている。複雑に配線されており、少ないスペースを最大限活かして設置されているのがわかる
マイクロギアボックスを分解したところ。8mmベアリング軸受が採用されており、上にギア類、下にピストン/シリンダー、スプリング/スプリングガイドが設置されている。構造自体はシンプルだ
給弾機構はスタンダード電動ガンと同じくタペットプレートを前後動させて行なう。狭いギアボックス内に巧みに設置されている
ピストンストロークが短いためギアの枚数は通常のスタンダード電動ガンより1枚多く、セクターギアはかなりコンパクト。ギア単体も歯の部分が面取りされているなど緻密に設計されているのがわかる
●二重のセーフティシステムを搭載
エポックメーキングなのはマイクロギアボックスだけではない。マガジン内の残弾がなくなると作動が停止、新しいマガジンを入れると作動可能になる機能を搭載。
さらにマガジンセーフティが導入されており、マガジンを抜くと作動が停止する機能も追加されている。機能上、チャンバー内にBB弾が残るのだが、マガジン内の残弾がなく、かつマガジンを抜けば作動できないので、不意にトリガーを引いて撃ってしまうようなアクシデントを防げる。空撃ちはできないが、かなり安全に配慮した設計となっている。
マガジンフォロアー先端に磁石が埋め込まれており(写真右上)、マガジンフォロアーが露出するとチャンバー左側に設置された端子が検知して作動が停止する。メカニカルではなく電子的に作動のオン/オフを切り替えている
マガジンを抜くとレバーが後退、スイッチから離れて電気が遮断され作動が停止する
マガジンを装填するとレバーが前進、スイッチを押して通電、作動可能な状態となる
取り出したマイクロギアボックス。スタンダード電動ガンのギアボックスをスケールダウンしたような形状をしているが、ギアとシリンダー/ピストンの配列が一般的な電動ガンとは上下逆にセットされているのがわかる。左側にピストンと連動して作動するカットオフレバーが露出している
マイクロギアボックスを取り出してのメンテナンスはあまりお薦めできないが、各部のパーツはクオリティの高いものが使われており耐久性は申し分ない。
このMP7A1を見ると、あらためてVFCのコダワリがヒシヒシと伝わってくる。コンパクトな電動ガンが欲しい方はぜひ手に取って完成度の高さを体感してほしい。
TEXT:毛野ブースカ
PHOTO:須田壱(スタジオゼット)
MODEL:野々宮ミカ
HAIR&MAKE UP:伊達美紀
撮影協力:BRAVE POINT 上福岡店
この記事は月刊アームズマガジン2019年8月号 P.80~81より抜粋・再編集したものです。