2025/09/12
【初心者向け】ブルーインパルスを撮影してみよう!
航空自衛隊 ブルーインパルス
正式名称は松島基地第4航空団所属「第11飛行隊」
青と白でカラーリングされたT-4を駆る彼らは航空自衛隊の存在を多くの人々に知ってもらう為、航空祭や国民行事で展示飛行や通過飛行を披露する航空自衛隊の専門チームだ。
毎年各地で飛行し多くの人々を感動させてきた彼ら。今年は大阪万博を記念して大阪上空を飛行し多くの人々の記憶に焼き付けたが、9月13日には「東京2025世界陸上競技選手権大会」を記念して東京都心上空を飛行し、1年で東と西の大都会上空を飛行する異例のスケジュールだ。
また、涼しくなる9~12月には各地の空自基地で航空祭が開催されそこでも多くの飛行が予定されている。
今年の展示スケジュールはこちら
(航空自衛隊公式サイト:ブルーインパルス飛行スケジュール)
今回は飛行している彼らブルーインパルス撮影の機材・設定・コツを簡潔にまとめていこう。
撮影機材
今回は基本的に一眼カメラを使用して撮影することを前提に解説していく。
また、作例に昔に筆者が使用していたD7200やα7RIIIに汎用超望遠ズームの写真を多く用意した。その為、現行や少し型落ちのカメラでも通用するような解説になっているはずだ。
カメラについて
アップで撮る場合はフラッグシップやそれに準ずるスペックのカメラに近ければ近いほど撮影は容易になる。が、そうでなくともエントリーモデルの一眼カメラを使用しても撮影は可能だ
引きで風景と絡ませる絵であったり、空中を広く使用する演目であればスマートフォンですら十分に撮影はできる。
多くのカメラで活かせるコツとしては
・可能な限りファインダー中央で機体を捉えて追って撮る
どんなカメラでも中央にフォーカスポイントが備わっている為中央でしっかり捉えた方がピントを外してしまうことが少ない
・撮影時は右目でファインダーを覗き左目で広く見よう
ファインダーのみ見ているとどうしても視界が狭くなってしまう。両目を開け左目では全体、右ではファインダーを覗くことで広い視界を持て柔軟な対応が可能だ

レンズについて
どういった写真を撮りたいかでレンズ選択は大きく変わってくる。
単機や編隊をアップで撮りたい、アップの方が映える演目「チェンジオーバーループ」や「バーティカルクライムロール」「フェニックスロール・ループ」等であれば100-400mmや150-600mmといった望遠レンズ。反対に「スタークロス」や「サクラ」「レインフォール」といった大空を広く使う演目であれば14-24や16-35の様な超広角レンズが活きてくる。他にも地上風景や人と絡ませたいとあればレンズ選択は多種多様だ。
自分がどう撮りたいかによってレンズを間違えず選択するのがブルーインパルス撮影の鍵になる。

SIGMA 150-600 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM
600mm F/8.0 SS1/2000s ISO320
遠くにいる機体であったり密集陣形をより密に撮るのであれば超望遠ズームは重要だ
撮影設定
撮影機材を決めたら撮影設定を決めよう。今回は『アップで撮る』と『引きで風景と撮る』2パターンの撮影設定を紹介しよう。
アップで撮る場合
ブルーインパルスは航空機の中でも動きが速い部類だ、その為ブレないように早めのシャッタースピード(SS 1/1000以上)+白い機体に白いスモークで白飛びしないよう気持ち露出(明るさ)を抑えてあげることが大事になる。

SIGMA 150-600 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM
150mm F/8.0 SS1/2500s ISO320

SIGMA 150-600 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM
390mm F/8.0 SS1/2500s ISO320

SIGMA 150-600 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM
230mm F/8.0 SS1/2500s ISO320
設定 撮影モード・シャッタースピード優先 |
※慣れてないのであれば確実に撮るために余裕を見て1/2000や1/4000であったり、着陸時であれば逆に1/60や1/250で流し撮りに挑戦してみよう
引きで風景と撮る
前述した大空を大きく使う演目や風景と掛け合わせて取る場合ブルーインパルスに合わせるより、風景にピントを合わせてあげた方がいい場合が多い。
また、広角で撮る場合はアップで撮るときよりもシャッタースピードは遅めでも問題は無い。反対に望遠を使って風景と絡ませて撮る場合はアップで撮るときよりシャッタースピードは速めの方が機体がブレず撮影可能だ。

FE 100-400/4.5-5.6 OSS GM
100mm F/8.0 SS1/2000s ISO400

SIGMA 14-24/2.8 DG HSM + MC-11
18mm F/8.0 SS1/2500s ISO320
設定 撮影モード・絞り優先 |
風景と絡めて撮る方が臨機応変に対応しなくてはいけない為、時と場所と切り取り方で大きく撮影設定と機材が変わってくる。
現像について
現像については人によってかなり好みが分かれる。その為、あくまで参考程度に現像+ワンポイントアドバイスをしよう。
今回の現像にはRAWデータを使用している。後々編集する手段や、より自分の好みに写真を近づけたいのであれば編集耐性の高いRAWデータを記録しておく方がおススメだ。

トリミング
航空機撮影ではほぼ必須の編集だ。ファインダーを覗き姿を捉えていても僅かな体感のブレで画面内には収まっているけど配置が悪かったり、撮影した写真により迫力を出すためにトリミングを行うとより自分の見せたい物が明確になったり映える写真になる。


パラメータ調整
Lightroomに限らず写真現像ソフトは多くの調整項目がある。今回はその中でもオーソドックスな箇所のみを調整してみよう。
機体とスモークが白いため、『露光量』で全体の明るさを下げつつ『ハイライト』を上げることで簡単に空を深い青にしてブルーインパルスとスモークの白さを強調することが可能だ。
また『テクスチャ』と『明瞭度』を上げて機体とスモークをより強調させ、『かすみの除去』を使用し文字通り霞が貼れたような自然な感じにコントラストを高めることができる。
最後に全体の調整で少し高く感じた彩度を『自然な彩度』で少し落ち着いた雰囲気に色見を調整した。
完成
最後に全体を少し整えたら完成だ。空の色をより引き込まれそうな深い青にしつつ、ハイライトを上げることでより強調した空を引き裂くようなブルーインパルスとスモークの白さがいいコントラストとなっている。
撮影の注意点
周囲に注意
見上げて撮ることが多くなるブルーインパルス。見上げるだけでなくファインダーも覗くと自分の視界情報が限られ集中する為に周囲への意識が散漫になる。飛行するブルーインパルスを追いかけカメラを振ったら姿勢を崩したりカメラや荷物が何かに衝突してしまう可能性もある。
また、寄りで撮る場合には全長の長い望遠レンズを使用することになるだろう。振り回すことで他人に衝突したり、撮影後下げたり首から下げている時小さな子供に衝突する可能性もある。
不用意な問題を避けるためにも撮影中はファインダー内のみならず周囲にも意識を向けよう。
撮影は臨機応変に
ブルーインパルスがいくらプロフェッショナル集団だからと言って天候や他の航空機次第で飛行ルートの変更や飛行中止となってしまう場面も多々ある。都市上空ではなおさらだ。
また、必ずしも予定されている通過経路に寸分狂わず飛行したり確実な時間にどうしても通過できない状況もある。凡そ通過する場所に目ぼしをつけたら後は狙い通りに通過することを祈りつつ臨機応変に撮影しよう。
いかがだっただろうか?「速いしカメラもエントリーモデルだから難しいかも…」と最初のころは思うかもしれないが、意外と撮影は可能だ。そして何よりブルーインパルスの場合飛行経路が出ているか、演目によって動きが予想できる。事前にデモンストレーションや動きの予習をすることでより安心して撮影に臨むことが可能だ。
是非ともこれらを活かしてブルーインパルス・航空自衛隊の航空機を撮影してみてほしい。
TEXT&PHOTO:出雲
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