装備

2025/07/17

ミリタリー&ファッション業界から注目を集める“全天候型タクティカルビーニー”を創出するアメリカンブランド「Allied Threads」

 

アメリカで人気急上昇中のタクティカルアパレルメーカー

 

 

 ある日、アメリカでタクティカル系を含めた様々なジャンルを撮影するプロカメラマンの友人から「個性的なブランドがある」というメッセージとともに、彼女が撮影した写真が送られてきた。
 その写真には、廃工場のような場所で薄明りの下、各種アクセサリーが装着されたAR15を手に迷彩パンツに黒のTシャツにヘルメットとプレキャリを着装した数名の人物が写っていた。彼らのスタイリングを他に類を見ないものにしていたのは、全員が被っていた口元が四角い形状に縫製された両目開きの「目出し帽」だった。


 その目出し帽こそが彼女が紹介してくれたブランド「Allied Threads(アライドスレッズ=思いを同じくする者たちのつながり、の意)」の商品だったのだ。彼らが生み出す商品は、アメリカの銃器愛好家たちの間でも愛用者が増えており、スタイリッシュな装備としてInstagramをはじめとしたSNSでも紹介されることが多くなっているという。
 今回は、そんなタクティカルアパレルメーカーをご紹介しよう。

 

 

最も機能的なビーニーを目指す新進メーカー“Allied Threads”

 

 Allied Threadsは、米アリゾナ州を拠点として活動をするビーニー(Beanie)のメーカーである。
 アメリカでツバなしの帽子を意味するビーニーは、日本では裾が折り返されていないニット帽を指すことが多い。もっぱら防寒帽として使われるが、アリゾナ州は温暖な地域である。にもかかわらず、Allied Threadsは「最も機能的なビーニー」を作ることを目指し続けている。そして実際に、彼らが作るビーニーは、彼らが創作した従来のビーニーとは違うオリジナルモデルとして高く評価されている。


 彼らをよく知るある専門家はこう語る。
「同社の『レイド・ビーニー』と呼ばれる全天候型タクティカルビーニーは大きな成功を収めているが、現在も新たなバリエーションが開発されている。進化を続ける彼らが、これからどのようなアイテムを生み出していくか、我々もとても楽しみにしています」。

 

 

 

 

 

 

プロフェショナルからファッショニスタにまで支持される“Raid Beanie”

 

 Allied Threadsは、性能の高いギアを作ることを信条としており、ユーザーからの絶大なる信頼を勝ち得ている。「レイド・ビーニー(Raid Beanie)」は、そんな彼らの代表的な製品である。
 皆さんもご存知のように、タクティカルデザインのビーニーは、大手タクティカル系アパレルメーカーを含め数多くのブランドが展開している。それらの一般的なデザインは黒やODなどのカラーを使用しており、前面にベルクロが縫い付けされパッチなどが貼れる仕様のものも多い。

 

 レイド・ビーニーはそれらとは一線を画す製品である。
 最大の特徴は、ビーニーだけではなく、目出し帽子にもなるデザインである。
 彼らはこれを「コンバーチブル・ツール(Convertible tool=変換可能ツール)」と呼んでおり、寒冷地での活動、戦術的な使用、個人的なセキュリティのために設計されており高い機能性を誇る。


 レイド・ビーニーは、紛争地帯や世界中の法執行機関などに従事する人々に注目され、実際の作戦環境でテスト、そして着用されている。代表的な例としては、法執行機関の覆面捜査官が挙げられる。凶悪犯を捜査する彼らは、通常時ビーニーとして被り、強制捜査などの作戦遂行時には身元を隠す目出し帽として使用できるところが大きなアドバンテージとなるのだ。
 機能の高さのみならずデザインの秀逸さもあり、スノーボードやトレーニングのようなアクティブスポーツでも役立つし、単に顔を隠しておきたいときにも活用できるだろう。

 

 

通常のビーニーとして使用できるが、裾を下ろせばすぐに目出し帽として使用できる

 

Raid Beanie以外にもTシャツやパッチなどの小物も過去に販売しているが、Allied Threadsの販売方式はドロップカルチャーなので、販売されるアイテムの希少価値は高い

 

 

リリース即完売を繰り返す“Drop Culture”の申し子

 

 Allied Threadsは、ドロップカルチャー(Drop Culture)を支持している。ドロップカルチャーは1990年にニューヨークで創業したストリートブランド”Supreme”をはじめとするストリートブランドによって生まれた販売手法で、少量の限定商品を決まった時間に販売することである。
 このスタイルの多くは告知なく販売されることが多い。もともとストリートウェアやスニーカーカルチャーで生まれた手法だが、近年ではファッションやラグジュアリーブランドにも広がっており、ファッション文化として定着した感がある。「ドント・スリープ」(リリースの瞬間を見逃すな、の意)などの用語も知られるようになっている。


 一般的には特定の時間に製品の販売を開始することが多いが、リリースの時間を事前告知したり、突然始めるかなど、ブランドによって様々なスタイルが取られる。Allied Threadsの場合は、事前に公式Instagramやメールマガジンで、発売日時やアイテムが発表されることが多い。
 Allied Threadsのレイド・ビーニーやグッズは、プロフェッショナルはもとより、個性的なアイテムを好むミリタリー愛好家からファッションリーダーまで、幅広いジャンルに顧客を持っている。結果、どれもが発売後即完売するレアアイテムとなっている。

 

 

 

 

 

 Allied Threadsのスタイリングは、その販売するビーニーと同様に個性的である。目出し帽状態で着用したRaid Beanieは、銀行強盗やストリートギャングのような悪役、身元特定を回避する覆面捜査官のようなダークヒーローに見えるだろう。そのイメージを生かしたスタイリングは、SPASショットガンやMP5などを手に黒で統一した装備や、スピリタスシステムズのデザートタイガーのチェストパネルを装着したプレキャリといった、従来のタクティカル系スタイリングとは異なっている。

 

 

深い信頼関係で結ばれた仲間と共に創作を続ける

 

 「Alliedが本当に特別なのは私たちのコミュニティです。Allied Threadsは提携するグループを通じてアメリカ17州に緊密なネットワークを築いてきました。私たちの仲間は、ブラザーフット(Brotherhood=兄弟のような深い絆)を信じており、互いに信頼し、相手のために行動できる仲間だからこそ、様々なエキサイティングなことにも挑戦できると考えています。私たちが扱うのはただの装備ではなく、文化だと信じています」
 退役軍人でもある創業者がそう語るように、Allied Threadsは、深く信頼関係で結ばれた仲間たちと多くの活動を行なっている。エアガンユーザー向けにライセンス製品を作るメーカーとして日本でも知られる”PTS SYNDICATE”や、グリップテープで有名な”GOON Tape”などと共同で動画を制作、配信をしている。


 近い将来、系列支部を通じて非営利の退役軍人支援活動も開始する予定である。これはAllied Threadsが注力する活動の一つであり、大切なものに恩返しをし、地に足をつけて活動することの決意でもある。
 さらに、2026年には、スノースポーツの分野においての、いくつかの大きな動きを計画している。最高のビーニーとアパレルをコミュニティに提供し続けることに集中していくとのことだ。


「このブランドを創設したことを誇りに思っていますし、家族や友人、素晴らしい仲間たちと意義あるものを作り上げるこのミッションを愛しています。このブランドやコミュニティに光が当たり続けるように、これからも努力を続けていきたいと考えています」
 世界最大のビーニー企業を目指すAllied Threadsに興味を持ったら、是非、彼らのホームページやSNSを訪ねてもらいたい。商品リリースなどの貴重な情報がゲットできるはずだ!!

 

 

 

 

 

HP:https://www.alliedthreads.com/

 


Instagram:https://www.instagram.com/alliedthreadsco/

 

 

TEXT:Ghost(Ghost in the Dark)
PHOTOS:Caliber.Row I Alexandria Rowlen/Allied Threads
SPECIAL THANKS:Allied Threads

 

この記事は月刊アームズマガジン2025年8月号に掲載されたものです。

 

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