エアガン

2025/06/09

ハンドガンメンテナンスマニュアル〜ガスブローバックガン編〜

 

ハンドガンメンテナンスマニュアル

〜ガスブローバックガン編〜

 

 エアガンの中で最もメンテナンスが欠かせないのがガスブローバックハンドガンだろう。ガスブローバックガンは可動部分への清掃や注油が多く、ベストな状態を保つためには定期的なメンテナンスが欠かせない。ここでは東京マルイのガスブローバックガンG17 Gen5 MOSを用いてガスブローバックガンのメンテナンス方法を解説する。

 

 

メンテナンスに必要な道具

 

ホームセンターなどで販売されているペーパータオル(SCOTTショップタオルブルーロール)。自動車や自転車のメンテナンス用だがエアガンにも最適でコスパに優れている

 

インナーバレル内を掃除する時は使い古したTシャツから作ったウェスがあると便利

 

東京マルイの製品に付属しているクリーニングロッド。電動ガン用とハンドガン用がある(写真はハンドガン用)。先端にウェスなどが引っ掛けられるスリットがついており、インナーバレル内の弾詰まりを解消するためにも使える

 

KM企画の「バレルメンテナンスコンプリートセット」。ライフルまで対応するアルミ削り出しのクリーニングロッドに高級豚毛を使用したブラシ、フェルト、専用クリーニング剤、チタニウムグラスコーティングがセットになっている

 

KM企画の「日本綿棒社製クリーニングコットン棒」。同社のクリーニングロッドに対応したコットン棒。日本綿棒社製コットン棒を使用し、柄が長く先端部分にコシがあるためインナーバレルがクリーニングしやすい。ロッドに差し込む以外に単体でも使用できる

 

フジカンパニーの「BBシリコーン」。シリコン系なので金属から樹脂、ゴムまで幅広く使える。コンパクトなので持ち運びしやすい

 

 

ネジの締め付け具合の確認

 

グロック17シリーズのトリガーピンは抜け防止のためにローレットピンが使われているが、頻繁にオーバーホールを繰り返すとズレやすくなってしまうので注意

 

東京マルイのグロック17&19シリーズのリアシャーシピンは写真のGen.4タイプは抜けにくくなっているものの、Gen.3タイプはズレることがある

 

グロック17シリーズのフロントシャーシの固定にはスクリューが使われている。フィールドストリップしたら確認しておこう

 

グロック17シリーズのリアシャーシもスクリューで固定されている。ここも増し締めしておこう

 

チャンバーカバーを固定しているネジも緩んでくることがある。機種によってはホップダイヤルの分解が必要になる

 

グロック17シリーズなど稀にスライド前端部分が長期間の使用で破損してしまうことがある。スライドの外側、内側ともに破損している箇所がないかチェックする

 

 

通常分解せずにインナーバレルを清掃する

 

マガジンを抜いてチャンバー内にBB弾がないことを確認してスライドをホールドオープンさせる

 

ホップアップを最弱にしてチャンバーパッキンにシリコンオイルを軽く吹き付ける

 

銃口から先端にあるスリットにウェスを通して、ウェスにシリコンオイルを染み込ませてからクリーニングロッドを挿入する。汚れを落としたらチャンバーパッキン内の油分を飛ばすために3マガジン分ほど撃ち込む

 

 

通常分解しての射撃後点検

 

スライドを引いてハンマーをコックする

 

両側のスライドロックを指で同時に下げながら、スライドを前方に押して外す

 

フレームからスライドを外したところ

 

リコイルスプリングガイド前部のガイドを指で掴んで後方に押しつつリコイルスプリングガイド全体を前方に押して持ち上げる

 

リコイルスプリングガイドを取り出したところ

 

バレルアッシーを前方に押しながら下方に引く

 

バレルアッシーを取り出したところ。これで通常分解は完了だ

 

 

インナーバレル&スライドの清掃&注油

スライド内側のフレームと噛み合う溝やスライド内部の汚れを拭き取る

 

スライド後部のフレームと噛み合う溝やピストン部分の汚れを拭き取る

 

シリンダーを指で前進させながらシリンダー内とピストンカップ部分にシリコンオイルを軽く吹く

 

フレームと噛み合う溝の部分にシリコンオイルを軽く吹く

 

スライド前部のフレームと噛み合う溝の部分にもシリコンオイルを軽く吹いておく

 

スライド後部内側のリアサイトを固定しているネジ(2本)が緩んでいないか確認して増し締めしておく

 

ホップアップを最弱状態にする

 

チャンバーパッキンにシリコンオイルを軽く吹く。点検完了後に3マガジン分ほど試射して油分を飛ばす

 

付属のクリーニングロッドの先端にウェスを通してマズル側からクリーニングロッドを挿入する。何回か往復させてウエスに汚れが付かなくなったら新しいウエスに交換して空拭きする

 

チャンバーカバー左側のネジが緩んでいないか確認して増し締めしておく

 

リコイルスプリングガイドにシリコンオイルを吹く。リコイルスプリングガイドをスライドに装着した後でも構わない

 

バレル、チャンバー内にオイルが付着するので、シリンダーのノズル部分は注油しないようにする

 

 

フレームの清掃&注油

 

フレームとスライドが噛み合うレール部分の汚れを拭き取る

 

同じくリアシャーシのレール部分の汚れも拭き取る

 

ハンマーとノッカー部分にシリコンオイルを吹く

 

フレームとスライドが噛み合うレール部分にシリコンオイルを吹く

 

 

リアシャーシのレールにもシリコンオイルを吹く

 

フロントシャーシを固定しているプラスのタッピングネジが緩んでいないか確認して増し締めしておく

 

 

マガジンの清掃&注油

 

マガジンフォロワーを指で下げながらBB弾が収まる部分を綿棒などを使って汚れを拭き取る

 

ガス放出バルブにシリコンオイルを吹く

 

マガジンガスケット内側にもシリコンオイルを軽く吹く

 

BBリップやマガジンフォロアーへは注油しない。BB弾に付着して命中精度に悪影響を及ぼすからだ

 

ガス注入バルブが緩んでいないか確認して増し締めしておく

 

各パーツを元通りに組み上げて最後に表面の汚れを拭き取れば完了だ

 

 

MOOK『毛野ブースカのトイガンメンテナンスマニュアル』より抜粋

 

この記事は月刊アームズマガジン2025年6月号に掲載されたものです。

 

※当サイトで掲示している情報、文章、及び画像等の著作権は、当社及び権利を持つ情報提供者に帰属します。無断転載・複製などは著作権法違反(複製権、公衆送信権の侵害)に当たり、法令により罰せられることがございますので、ご遠慮いただきますようお願い申し上げます。

Twitter

RELATED NEWS 関連記事

×
×