2024/08/27
陸自のすべての戦闘職種が集う! 富士学校開校 富士駐屯地開設 70周年記念行事
圧巻の観閲行進&訓練展示
2024(令和6)年7月21日、静岡県にある陸上自衛隊富士駐屯地にて「富士学校開校 富士駐屯地開設70周年記念行事」が開催された。富士駐屯地には普通科学校、野戦特科学校、機甲学校を統合した富士学校などが所在しており、富士学校が行なう各種の教育研究を支援する富士教導団本部も所在する。そのため、全国でも珍しく、すべての戦闘職種が集う一大記念行事でもあるのだ。
多数の装甲車輌が一堂に会する
この記念行事は式典、観閲行進、訓練展示と一般的な流れではあるものの、多数の戦車や装甲車などによる観閲行進は圧巻そのものであった。
一般人がこれだけの数の装甲車輌を一度に見られるイベントとして匹敵するのは、北海道の東千歳駐屯地の記念行事くらいだろうか。また、今年は駐屯地創設70周年という節目でもあったため、例年よりも多くの来場者が訪れていた。
登場する装備に変化が
訓練展示は、まず普通科の装備品紹介から始まった。小火器からFVまで普通科教導連隊の多様な装備は、見ていて非常に興味深い。比較的新しいところで言えば20式5.56mm小銃となるが、すでに次期5.56mm機関銃もあると噂されており、来年の登場が期待される。
機甲科は機甲教導連隊が各種の戦車や機動戦闘車などの動体展示を行なった。74式戦車の退役により戦車は90式と10式だけとなんとも寂しいが、次期主力戦車の研究が開始されたとも噂されている。
富士学校や富士教導団だけでなく、富士駐屯地には情報学校や開発実験団も所在する。いずれはこれらの部隊にも積極的に参加して欲しいのだが、特に開発実験団は研究や試験中の場合は表に出したがらない性分のため、実現は難しいかもしれない。
見応え抜群の訓練展示
いよいよ、待ちに待った訓練展示がスタートする。多くの来場者はコレを楽しみに来ているだろう。
内容は一般的な攻撃に任ずる戦闘団の様相であったが、やはり多くの装甲車輌が登場するこの訓練展示は桁違いの迫力だ。
決して広いとはいえないパレード場を、所狭しと車輌が駆け回り、空包を射撃する。90式戦車や10式戦車の空包は控えめな音だが、16式機動戦闘車は74式戦車譲りの大音量空包を使うため、耳栓をするか、しっかりと身構えていないとカメラがブレてしまうほどである。
また、非常に地味な点ではあるが、92式地雷原処理車で開設した戦車用の突破口をドーザーが整地し、装輪車が通行できるようにしていたのは、元施設科隊員の筆者としては見逃すことができないシーンであった。目立ちにくい場面だが、こうした作業が行なわれることで、戦果拡張を実現するのである。
来年も行なわれるであろう富士駐屯地の記念行事。共通戦術装輪車や次期軽装甲機動車などはすでに調達が開始されている。もしかしたら、こうした新規取得装備品の登場も期待できるかもしれない。
Text & Photos : 武若雅哉
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