2024/04/23
ネイビーシールズが試験運用したT223をモチーフにしたLCTエアソフト LR-223
ベトナム戦争当時、ネイビーシールズやMACVSOGは制式採用銃以外の海外製の銃器を使うことがあった。カールグスタフm/45サブマシンガンやAK47などが使われていたことは有名だが、これは非合法活動時に鹵獲された際、国籍を不明瞭なものにするためであったという。こうした海外製銃器の中でも異色の存在が、アメリカのハーリントン&リチャードソン(以下H&R)が製造したT223である。T223はヘッケラー&コックのHK33をH&Rがライセンス生産したもので、ネイビーシールズが試験運用したものである。なぜヘッケラー&コックから直接買い入れるのではなく、H&Rがライセンス生産したものをわざわざ運用したのか謎が残る。冷戦真っ只中の当時の国際情勢が背景にある一方で、ベトナム戦争当時はまだメイドインUSAにこだわっていた時期なのかもしれない。あるいはもっと単純にM16より高性能なアサルトライフルをネイビーシールズは探していたのかもしれない。いずれにしてもT223は制式採用にはならずに試験運用だけで終わってしまった。
T223のベースとなったHK33はG3やMP5といった一連のウェポングループのひとつである。G3をややスケールダウンしたような外観を持ち、口径は5.56mm×45、ローラーディレイドブローバック方式を採用していた。作動の信頼性やM16と同じ弾薬が使えることに加えて、40連マガジンがオプションで用意されていたこともネイビーシールズが選んだ大きな理由と考えられる(標準仕様は20発)。T223はG3のような細身のハンドガードに固定ストックが組み合わされており、初期型はハンドガード基部にバイポッドが装着できた。HK33との大きな違いがトリガー前方にボルトリリースレバーが追加されていることだ。
G3やHK33をモチーフにした電動ガンをリリースしているLCTエアソフトからT223をモチーフにしたLR-223が登場する。実銃の特徴であるハンドガードや40連マガジン、固定ストックを再現。マガジンハウジングにH&Rの刻印は入っていないが、それがかえって無国籍感を漂わせる。レシーバーはリアルなスチールプレス製、トリガーグループは実銃同様にアーリータイプとなっている。見た目はもちろん手にした時の重量感は申し分ない。T223はトイガン化されたことがなかっただけにLCTエアソフトのLR-223は貴重な存在だ。
LCTエアソフト
LR-223電動ガン
DATA
- 全長:929mm
- 重量:3,950g
- 装弾数:130発
- 価格:オープン
- お問い合わせ先:LCTエアソフト
※記事中の価格表記は掲載時点でのものであり、特に記載のない限り税込みです。また、物価や製造コストの上昇、為替レートの変動により記事中に記載の仕様、価格は予告なく変更される場合があります。あらかじめご了承ください。
TEXT:毛野ブースカ
この記事は月刊アームズマガジン2024年4月号に掲載されたものです。
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