サバゲー

2023/12/14

絶品の芋煮を食べるために!! 東北のおもしろサバゲーイベント「芋煮サバ」レポート

 

 日々寒くなりつつある師走の冬。染みるような寒さの日に食べたくなる料理の1つが「鍋」だ。具材をよく煮込んだ汁を一杯飲めば、寒空の下で冷えた身体が内側から暖かくなること間違いない。
 ところで皆さんはそんな鍋料理の1つ、「芋煮」をテーマにしたサバゲーイベントがあることをご存知だろうか? ここでは東北地方の名物サバゲーイベントの1つ、芋煮サバをご紹介しよう。

 

 

 

 

芋煮とは?

 

 日本の冬につきものの鍋料理は日本各地で様々な種類が存在する。例えば北海道・東北地方だけで言っても石狩鍋、きりたんぽ鍋、芋煮鍋といった鍋料理があり、農林水産省の食文化のポータルサイト「うちの郷土料理~次世代につたえたい大切な味~」では150種類以上の汁料理が登録されている。

 

 さて、今回取り上げる芋煮の発祥は古く1600年代半ばともいわれ、荷物の運搬に来た舟の船頭たちが荷受人を待つまでの間、川の船着き場で退屈しのぎに鍋を囲んで始めた宴がルーツとされている。

 基本的な具材は里芋、牛肉、こんにゃく、ねぎなどを使用するが、地域や家庭によって味付けや具材の種類が異なる。日本海側の庄内地域で、具は牛肉の代わりに豚肉を用い、その他具材は厚揚げ、こんにゃく、ねぎなどを用い、豚肉と相性が良い味噌仕立てで味付けを行なう。一方で内陸部は牛肉を使った醤油味の芋煮が主流になっている。

 

※参考:農林水産省の食文化のポータルサイト「うちの郷土料理~次世代につたえたい大切な味~

 

 

芋煮サバ

 

 さて、今回紹介する「芋煮サバ」はそんな山形の食文化をテーマにしたサバゲーイベントだ。

 チームは赤と黄――ではなく「味噌派チーム」と「醤油派チーム」に分かれ、1ゲーム30分のフラッグ戦を実施。ゲームは3ステージ行なわれ、フラッグ戦の間に各チームに用意された具材のカプセルを所定の場所に納めるのだ。納めた食材は後に調理する芋煮に使用できるが、納められなかった食材は使用不可、というルールになっている。

 ちなみに具材を納めることができても、フラッグが取られたら没収されてしまう。

 サバゲーの後のごはんは絶品、だからこそ死活問題となるこのルール。攻めも守りも気が抜けない、意外とシリアスなサバイバルゲームイベントなのだ。

 

晴れ渡る空の下、「味噌派チーム」と「醤油派チーム」に分かれ、仁義なき食材争いが幕を開ける

 

食材一覧。手に入れられなければ、その食材は芋煮に入れることができない。中には鍋に必須であろう食材「水」もある。もしこれが手に入らなかったらと考えると、なかなか恐ろしい

 

これが具材のカプセル。これを所定の場所まで納める必要がある

 

サバゲーフィールド「ジョーズポイント」は自然に満ちたアウトドアフィールド。広々とした敷地には茂みや木々がいたる所にあり、迷彩や黒系の装備がその性能を充分に発揮する

 

フィールド内には急な斜面も。参加者のほとんどがコンバットブーツなど不整地に適したシューズで参加。中には写真のように斜面に張り付いて待ち伏せするサバゲーマーも

 

フィールドには構造物も存在し、制圧できれば圧倒的に有利だ。LMGの高火力も充分に活かすことができる

 

顔にドーランを塗り、迷彩効果を高めたサバゲーマー。伏射(プローン)で周りの背景に同化しつつ、軽機関銃の高い火力で仲間を援護している

 

秋の山でも馴染む米軍特殊部隊装備のサバゲーマー。冷静に状況を見つつ、来たるべき芋煮に備えて全力でお腹を空かせる

 

ハーフギリーを纏ったスナイパーサバゲーマー。高い命中精度を誇るVSR-ONEは軽量であり、移動の負担になりにくいのが魅力的だ。腰にはロングマガジンを挿したハンドガンを携行し、近接戦闘時の火力をカバーしている

 

オペレーター装備のサバゲーマーはドットサイト+マグニファイアをマウントしたサイガで戦う。こういったフィールドだとAK系のウェポンもよく映える

 

白熱したゲームの中で具材を全ロストする事態も。具材が手に入らないという最悪の場合は「空気鍋」になる可能性もある。そのたびに参加者は相手チームは頭を下げ、救済措置を願う

 

ゲームが終われば集めた具材で芋煮会の開催。味噌や醤油の香りが漂い、全力で腹を減らせたサバゲーマーたちが完成が今か今かと待ち望む

 

チーム分の芋煮を取り分ける。疲れて冷え切った身体にこの一杯はさぞ身に染みたことだろう

 

ちなみに醤油派チームは水をゲットできなかったため、牛すき風の鍋に

 

醤油派の芋煮がやけに塩辛いのは水がないせいか、あるいは流れ出る涙のせいなのか。次回はぜひとも水を獲得し、内陸の芋煮を再現していただきたい

 

 東北の名物サバゲーイベントの一つ、芋煮サバは毎年秋から冬にかけて開催される。東北地方にお住まいのサバゲーマー、あるいは芋煮を食べたいサバゲーマーはぜひとも来年の芋煮サバに挑戦していただきたい。

 

 

PHOTO:山内工房、サバゲーチームPUT

TEXT:珈琲

協力:わく3

 


 

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