2023/09/01
アメリカ陸軍が採用した新型SDMRを電動ガンで再現「Umarex ヘッケラー&コック M110A1 SDMR電動ガン」【前編】
ヘッケラー&コックのオフィシャルライセンスドモデルとしてリアルに再現
今回UmarexからリリースされるM110A1 SDMR電動ガンは、ヘッケラー&コックと正式契約を結びオフィシャルライセンスドモデルとしてリアルに再現された製品だ。この記事では前編と後編の2回にわたって詳細にお届けする。まずはSDMR(スコード・ディジグネイテッド・マークスマン・ライフル)について、実銃の誕生した経緯やディテールをUmarex製品の画像を使って解説しよう。
米軍のCSASS構想から派生した機動力重視の“SDMR”
今までスナイパーライフルといえばボルトアクションライフル一辺倒だったが、近年のミリタリースナイパーライフルは.300ウインチェスターマグナム弾などを使用する強力で長距離射撃向けのボルトアクションライフルと、7.62mm弾や6.5クリードモア弾を使用する速射性と遠射性を兼ね備えるセミオートライフルに二分化されている。アメリカ軍はM24 SWSボルトアクションライフルに代わるスナイパーライフルとしてナイツアーマメントのSR-25をベースにしたM110 SASS(セミ・オートマチック・スナイパー・システム)を2008年に制式採用。一方で長距離射撃用としてM24 SWSの発展版であるM24E1 ESRを2010年に採用、さらに近年ではUSSOCOMが採用したバレットMRADへの移行が進んでいる。
M110 SASSを採用したアメリカ軍は、M110 SASSよりコンパクトで軽量なCSASS(コンパクト・セミ・オートマチック・スナイパー・システム)構想を打ち立ててヘッケラー&コックがHK416のバリエーションである7.62mm弾仕様のHK417/G28をベースにしたモデルを提出、M110A1として2016年に制式採用された。
制式採用された後、配備が進まなかったM110A1は2種類存在する。ひとつは当初の計画どおりのCSASSとして採用されたもの。もうひとつが分隊支援火器的な役割を担うSDMR(スコード・ディジグネイテッド・マークスマン・ライフル)として採用されたものだ。
CSASSとSDMRは2挺とも外観はほぼ同じだが、ストックと光学機器、仕様弾薬が異なる。CSASSはM110 SASSの流れを汲む純粋なスナイパーライフルとしてデザインされ、可動式チークピース仕様のG28用アジャスタブルストックとM118LRカートリッジ、シュミット&ベンダーの3-20×50 PMⅡ Ultraを採用している。それに対してSDMRは、機動力を重視してE1バットストック、M80A1カートリッジとSIG SAUERのショートスコープTANGO6 1-6×24を採用している。現状でM110A1はSDMRとして配備が進んでいるものと思われる。
Umarexがヘッケラー&コックと正式契約を結びリアルに再現したM110A1 SDMR。後編では電動ガンとしての機能も含めさらに詳細なディテールを紹介していく。
Umarex
ヘッケラー&コック M110A1 SDMR電動ガン
DATA
- 全長:930mm/1,000mm(ストック伸長時)
- 重量:3,500g
- 装弾数:100発
- 価格:予価¥97,680
- お問い合わせ先:VFC
TEXT:毛野ブースカ/アームズマガジンウェブ編集部
この記事は月刊アームズマガジン2023年10月号に掲載されたものです。
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