エアガン

2023/08/25

VFC M249に秘められた革新的なシステムを解説!!「VFC M249 ガスブローバックガン JPバージョン」【後編】

 

VFC M249の画期的なシステム

 

 

 2022年12月2日〜4日にかけて台湾で開催されたトイガン&ミリタリーイベント「2022 TAIWAN MOA EXHIBITION」で電撃発表されたVFCのM249ガスブローバックガン(以下M249)。LMG(ライトマシンガン)のエアガンそのものが少ない中、ガスブローバックガンでエアガン化するということで世界中から注目を集めた。そんなVFCのM249の製品版が日本に上陸した。ここでは前編に引き続いてVFCのM249について解説していこう。

 

前編はこちら

 

軽量・実戦的なガスブロマシンガン

 

 一般的なガスブローバックガンはマガジン側にガスタンクとガス放出バルブ、スライドやボルト側にブローバックエンジンを設けている。これに対してM249の場合、ブローバックエンジンが組み込まれたボルトキャリアとマガジンの間(レシーバー内)に、ガスルートとガス放出バレルが組み込まれたチャンバーが設けられている。ボルトキャリアはオープンボルト式で、トリガーを引いてボルトキャリアが前進すると、ボルトキャリアによってガス放出バルブが叩かれて前進しきったボルトキャリア(ローディングノズル)内にガスが流入、BB弾が発射されてボルトが後退(ブローバック)する。トリガーを戻すと、後退したボルトはオープンボルト状態で保持される。マガジンはガスタンクとしてのみ機能し、BB弾はフィードカバー裏側に装着される着脱式マガジンから給弾される。ゲームユースを考慮してパワーソース供給とBB弾の供給を独立させている。実銃の特徴であるオープンボルト式の発射方式を巧みに利用して、外観を最大限崩さず、かつ実銃に近いパーツ形状と内部構造を実現している。可変ホップアップシステムを搭載したホップチャンバーはバレル側に設けられており高い実射性能を実現。バレルはもちろんストック、トリガーグループも実銃同様のプロセスでフィールドストリップが可能だ。

 

BB弾の装填機能を持たないガスタンクだけに特化したM4スタイルのガスサプライマガジン

 

ガスの注入口は背面上部にあり、上面はチャンバー側のノズルが挿入されるカプラーが設けられている

 

フィードカバーを開けると内側に着脱式のBBサプライマガジンが装着されている。フィードカバー内のスペースを有効に活用している

 

フィードカバーに装着した状態でも残弾が確認しやすいスモーククリアタイプのBBサプライマガジン。装弾数は175発

 

実銃同様にオープンボルトからの発射となる。写真は弾を撃ち切ってボルトキャリアが前進した状態。ボルト左側にはボルトキャリアの動きと連動してダミーカートを揺さぶるカートリッジベルトレバーが設けられている

 

次にコッキングしてボルトキャリアが後退した(オープンボルト)状態で保持されたところ。この状態でトリガーを引くとボルトキャリアが前進、ガスが放出されてBB弾が発射される

 

 ブローバックシステム以外にも注目したいのが重量である。レシーバーを含めた各部にアルミ素材を多用することで軽量化を図り、マガジンを含む重量が3,640g(メーカー公称値)となっている。マガジンは標準装備のARスタイルの30連型に加えてオプションでアモボックス型ガスタンクセット (連結アダプター/ダミーカート付き)が用意されている。本体にはBB弾の発射と同時にダミーカートが波打つ機能が実装されている。

 

バックプレートリテイリングピンを抜くとストックがテイクダウンできる。この状態でボルトキャリアとリコイルスプリングガイドがレシーバーから取り出せる

 

さらにテイクダウンピンを抜くとトリガーグループが外せる。トリガーグループはトリガーとシア、クロスボルト式セーフティのみのシンプルな構造

 

バレルアッシーは実銃同様に取り出すことができる

 

ホップアップはバレル側のチャンバー上部にあるイモネジを回して調整する。本体に組み込んだ状態でも可能だ

 

 実射してみると、ブローバックにあわせて軽量ながらもLMGらしい大柄のボディが激しく揺さぶられて肩に重めのリコイルショックが伝わる。実銃の発射速度は毎分725発(ベルト給弾時)でVFCもほぼそれに近く、ボルトキャリアの動きに荒々しさはなくスムーズでコントロールしやすい。弾道は安定しており濃い弾幕を張ることができる。コッキングやフィードカバーを開けてマガジンチェンジするなど実銃を思わせるアクションが体感でき、実銃のトレーニングウェポンとしても活用できる。

 

ボルトキャリアとリコイルスプリングガイドを取り出したところ。ダミーガスチューブピストン、ボルトキャリアともにアルミ製。ここまでリアルに再現された製品は見たことがない

 

ダミーガスチューブピストン左側にもシリアルナンバーが打刻されている

 

ローディングノズル左斜め下にはレシーバー側のガスチャンバーからガスが流入する流行口(1)があり、流入したガスの方向を切り替えるバルブが内蔵されている。さらに左側にはガスチャンバーに設けられたガス放出バルブのノッカーを叩くための爪状のパーツ(2)が組み込まれている

 

レシーバー側のチャンバーを後ろから見たところ。中央がローディングノズルが入り込むチャンバー、その左側にガスチャンバーがあり、ノッカー(矢印)がボルトキャリア側の爪状のパーツに押されることでガスが放出される

 

ボルトキャリア下部にはシアがかかる突起がある。リコイルスプリングはボルトキャリア下部の穴、ダミーガスチューブ内に収まる

 

ローディングノズルを引き出してみたところ。ストロークそのものは長めに設定されている。一般的なガスブローバックガンのローディングノズルを上下逆さにしたような形状となっている

 

フィードランプ上部のレバー(1)を前後させることで空撃ちモードに切り替えることができる。その左後方にはダミーカートを揺さぶるカートリッジベルトレバー(2)が見える


 世界初の実戦的ガスブローバックマシンガンとして登場したVFCのM249。エアガンとしての実用性とリアリティを高次元でマッチさせている。VFCがエアガンの世界をまた一歩進化させた。ぜひ機会があれば手に取って完成度の高さを実感してほしい。

 

標準ではショートバレル+樹脂製ハンドガード+固定ストックの組み合わせだが、オプションでコラプシブルストック、パラストック、レールハンドガード、エクステンデッドアウターバレルが用意されている

 


 

VFC
M249 ガスブローバックガン JPバージョン

 

DATA

  • 全長:910mm
  • 重量:3,640g(ガスタンク型マガジン含む)
  • 装弾数:175発
  • 価格:¥126,500
  • お問い合わせ先:VFC

 

TEXT:毛野ブースカ

 

この記事は月刊アームズマガジン2023年10月号に掲載されたものです。

 

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