2023/06/23
革命的な傑作銃!! エアガンマスターピース5選【エアガンマニアックス】
トイガンの傑作とはどんなものだろうか。実射性能に優れたもの、リアルなもの、今までないエポックメーキングなメカニズムを搭載したもの、他メーカーでは発売しないレアなモデルを再現したもの、高コスパなものなど理由は様々だ。このコーナーでは編集部が選んだ傑作トイガン5機種をご紹介しよう。
S&T
M249
PARA SPORTLINE AEG
DATA
- 全長:790mm/925mm(ストック伸長時)
- 重量:3,700g
- 装弾数:300発
- 価格:¥40,700(ボックスマガジン仕様)
- お問い合わせ先:UFC e-mail:wholesale@ufc-web.com
LMGエアガンの常識を覆した軽量・リーズナブルな電動ガン
エアガンのいちジャンルとして日本で定着しつつあるスポーツライン。主に海外メーカーを中心にリリースされており、軽量な強化樹脂製ボディに、上位機種に比べて機能がオミットされていたり、比較的入手しやすい価格設定の初心者向けのエントリーモデルである。以前はそれこそスポーツラインといえば「安かろう悪かろう」的な製品が多かったが、最近では電子トリガーやFETが標準装備されているなど上位機種並みのスペックを持つ製品が多くなり、各社とも力を入れてラインアップの拡充を図っている。
そんなスポーツライン系の電動ガンとして発売以来人気が衰えることがない製品が、S&TからリリースされているM249パラスポーツライン電動ガンだ。多くのLMGタイプのエアガンが金属製パーツをメインにしているのに対して、スポーツラインというその名のとおり、レシーバーやレシーバーカバー、ハンドガード、バイポッド、ストックといった外装パーツのほぼすべてに強度のあるナイロンファイバーが使われている。そのためLMGながら4kgを切る重量となっており、片手で撃ててしまうほどLMGとしては軽い。ディテールもパッと見では上位機種と変わらないリアルさを実現しており、スポーツラインのイメージを覆す出来映えだ。
実際に手にしてみると、同じスポーツライン系のM4カービンよりは重いもののLMGという先入観もあって驚くほど軽く感じる。軽量さとあいまってコンパクトなパラバージョンなので取り回しやすい。ナイロンファイバー製だが各部の剛性はしっかり確保されており、ラフに扱っても不安感はない。あらゆる面からLMGタイプのエアガンの常識を覆したこのモデル。従来の重厚長大なLMGらしさをあえて追求せず、エアガンとしての使いやすさ・実用性に割り切った作りとなっている。
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ARES
KEL-TEC RDB
AEG
DATA
- 全長:650mm
- 重量:3,040g
- 装弾数:ミドル130発/ショート100発
- 価格:オープン(オリーブドラブ、ブラック、デザートカラー)
- お問い合わせ先:キンワ e-mail:sales@kinwa-co.jp
独創的なメカを持つブルパップライフルを電動ガンでリアルに再現
現在のアサルトライフルはM4A1カービンやAKシリーズを軸にそれらの派生型、もしくはSCARや自衛隊の20式小銃など次世代型が多数派を占めている。かつて次世代のアサルトライフルともてはやされたブルパップライフルは、今では少数派となってしまった。
なぜブルパップライフルは主流にならなかったのか。理由として考えられるのが、1990年代以降におけるアサルトライフルの運用方法の変化である。ブルパップライフルは構造上、今では当たり前となっているショルダースイッチや素早いマガジンチェンジがしにくいのだ。また、ウェポンライトやレーザーエイミングデバイスなどのアクセサリーが装着できる拡張性が低いことが挙げられる。
そんなブルパップライフル不遇の時代に一石を投じたのが、アメリカのKEL-TEC(以下ケルテック)が開発したRDBだ。ケルテックといえば映画『ジョン・ウィック』で登場して広く知られるようになったブルパップショットガンKSGや、FN P-90のマガジンが使えるオートマチックピストルP50をリリースしている個性的なガンメーカーである。銃名のRDBとは「Rifle Downward-ejecting Bullpup」の略称で、通常なら発射後に機関部の横に排莢される空薬莢を機関部の真下に排莢するようにしたメカが採用されている。さらにマガジンキャッチやセレクターレバーをアンビ化することで、ショルダースイッチやマガジンチェンジのしにくさを解消しているのが特徴だ。
このユニークなブルパップライフルを電動ガン化したのは、定番モデルからオリジナルモデルまで幅広くラインアップしているARESだ。ARESはこのモデルを再現するにあたりケルテックとライセンス契約を結んでいるEMGとコラボ。実銃同様のマークがモールドされたレシーバーはハイクオリティ・ナイロンファイバー製。アッパーレールが装着された長さ17インチのアウターバレルは金属製。内部にはARES独自のEFCS(電子制御システム)が内蔵されている。リアリティを優先したためかホップアップが調整しにくいが、頻繁に調整するわけではないので、それほど気にはならないはずだ。
実際に構えてみるとコンパクトで取り回しやすく、ボディのほぼセンターにあるグリップのおかげで前後の重量バランスが取れており構えにくいことはない。セレクターレバーは自然に操作できる位置にあり、マガジンキャッチはシンプルな構造だが確実に操作できる。光学機器はドットサイトかショートスコープがお薦めだ。
KSG譲りの未来的なフォルムが特徴のこのモデル。M4A1カービンに飽きた方や個性的な電動ガンが欲しい方に手に取ってもらいたい。
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LCT AIRSOFT
LK-33A2
AEG
DATA
- 全長:929mm
- 重量:4,080g
- 装弾数:130発
- 価格:オープン
- お問い合わせ先:LCTエアソフト
G3の5.56mm×45弾仕様のHK33を電動ガンでリアルに再現
ヘッケラー&コック(H&K)のライフルと聞いて思い浮かべるモデルといえば、かつてはG3シリーズ、今ではHK416かG36シリーズだろう。今回取り上げるLCTエアソフトが電動ガンで再現したHK33(LCTエアソフトの名称はLK-33)は、H&K製ライフルの中ではどちらかといえばマイナーな機種だろう。1963年に開発された実銃のHK33はM16と同じ5.56mm×45弾を使用し、発射方式はG3シリーズと同じローラーロッキング方式を踏襲し、G3をそのままダウンサイジングしたかのような外観となっている。G3やMP5とともにH&Kのウェポンシステムの一角を形成している。バリエーションとしてA2が固定ストック付き、A3がリトラクタブルストック付き、カービンサイズのHK33K、マイクロカービンサイズのHK53がある。
LCTエアソフトは台湾のエアガンメーカーだ。もともと金属加工メーカーとして誕生し、2000年代に入ってトイガンの製造を開始。そして、自社のプレス加工技術を生かせるのがAKシリーズだったのだ。金型製造から組み立てまで100%自社で行なっており、技術力の高さが窺える。金型を自社で製造できるトイガンメーカーはそれほど多くはない。同社はAKシリーズの電動ガンで日本でもよく知られている。実銃同様のプレス(スタンプド)製レシーバーを採用し(限定モデルのAK47は実銃同様の削り出し/ミルドレシーバーを採用)、AKMやAK74MN、AK104などのオリジナルモデルからAMD-65やM70Bなどの旧共産圏ライセンスドモデル、モダナイズドカスタム、PP-19-01やSR3などの派生型、さらにAK用カスタムパーツまで幅広くラインアップしている。そんな同社がスチールプレス製レシーバーを持つH&KのG3(LC-3)の電動ガンを発売した時は大きな話題を呼んだ。今回紹介するLK-33はそのバリエーションとして発売されたのだ。
LC-3シリーズ同様、レシーバーをスチールプレスで再現。実際に手にすると、いかにもLCTエアソフトが生み出すエアガンらしい質感・重厚感を漂わせている。重量は4kgで実際に手にするとかなり手応えがある。メカボックスはバージョン2タイプをアレンジしたもので、電子トリガーシステムなどは搭載されていない。オーソドックスな電動ガン(AEGタイプ)のほかにリコイルショックが体感できるEBBタイプも用意されている。バリエーションは固定ストックのA2とリトラクタブルストックのA3に加えてHK53(LK-53)がラインアップされている。レールハンドガードやスコープマウントベースなどのオプションパーツも多数用意されており、ストックやハンドガードは実銃同様にピンを外せば交換可能だ。オールドユーザーのみならず若い方にもHK33の持つ魅力をこのモデルを通して味わってほしい。
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東京マルイ
M45A1 CQB PISTOL
DATA
- 全長:222mm
- 全高:143mm
- 全幅:36mm
- 重量:823g
- 装弾数:27発
- 価格:¥20,680
- お問い合わせ先:東京マルイ
アメリカ海兵隊特殊部隊が制式採用したコルトM45A1 CQBP
東京マルイのガスブローバックハンドガンの中でもグロックシリーズ、ハイキャパシリーズに次いで人気なのがM1911A1ガバメントシリーズだ。実銃の形状がリアルに再現された各部パーツ、打刻によって再現されたスライドの刻印、パーティングライン処理、ブラストによる表面仕上げ、コレクション性を重視したパッケージなど、メーカーとしてのコダワリが随所に感じられる。そのシリーズのバリエーションとして2018年に加わったのがコルトM45A1 CQBピストル(以下M45A1)だ。
実銃のコルトM45A1 CQBピストルは、キンバーICQB Mod.1の後継機種として2012年に制式採用された。2010年に始まった採用テストではスプリングフィールドやキンバーなどが参加したが、ファクトリーカスタムに準じる特徴を有するコルト・レールガンで参加したコルトが採用を勝ち取った。M1911が制式採用されてから100年以上の時を経て、再びコルトのガバメントが制式採用されたことでも話題となったのである。レール部分の厚みが増されたステンレス製フレーム&スライドに5インチナショナルマッチバレル、ノバックサイト、エンハンスドハンマー、アップスウェプト・グリップセーフティ、アンビセーフティを装備。タンカラーの表面処理はセラコートフィニッシュ(後にイオンボンドのデコボンド(Decobond)ブラウンコーティングへ変更)となっている。M45A1はタクティカルガバメントの代表機種といっても過言ではない。
東京マルイのM45A1は、従来のM1911A1シリーズの特徴を継承しつつ、新型のブローバックエンジンとショートリコイルシステム、マガジンをアップデートしたモデルだ。従来モデルから改良を実施し、よりスピーディーでシャープ、かつ迫力のあるリコイルショックを追求すべく、M45A1ではシリンダーのストロークとバルブの形状などを見直し、ピストンにローラーを設けることで、シリンダーの動きをスムーズにしている。また、ショートリコイルシステムもアウターバレルが垂直にティルトする構造を採用することにより、スライドが後退した後と再前進する際にアウターバレルを巻き込み、ブレーキがかかるフリクションロスを防ぎ、滑らかな作動フィーリングを実現している。マガジンも改良を行ない、ガスの気化スペースを増やすことで安定感のあるブローバックアクションを実現している。装弾数は27発で、既存のM1911A1シリーズのマガジンと共用できるのも魅力的だ。
特徴的なタンカラーフィニッシュの色合いや質感はもちろん、アメリカ海兵隊の要求に基づいて作られた各部のパーツ、スライドの刻印やフレーム右側のUIDコード、独特なチェッカードグリップに至るまでリアルに再現。また、M.E.U.ピストル同様、リアサイトはノバック社との正式契約により再現されている。
実射してみると、従来のM1911A1ガバメントシリーズに比べてはっきり実感できるほどリコイルショックがアップしており、よりスピーディーでキレのあるブローバックアクションを実現している。各部のアップデートの相乗効果から命中精度も安定しており、実射性能も申し分ない。
今回紹介したアメリカ海兵隊仕様とオールブラックのM45A1ブラックがラインアップされており装備や好みに応じて選べる。ガバメントカスタムの決定版としてこれからも多くのユーザーに支持されるだろう。
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VFC/Umarex
HK MP7A1
電動ガン
DATA
- 全長:415mm/638mm(ストック伸長時)
- 重量:1,310g
- 装弾数:110発
- 価格:¥58,300
- お問い合わせ先:VFC
MOSFET標準装備の新型マイクロギアボックスを採用
リアルスケール版のMP7A1電動ガン
ヘッケラー&コックのオフィシャルライセンスドエアガンを続々ラインアップしているVFC。その中でもMP7A1電動ガンはエポックメーキングな製品として発売以来、人気が衰えることがない。実銃のMP7A1は4.6mm×30弾というBB弾よりも直径が小さい小口径高速弾を使用するPDW(パーソナル・ディフェンス・ウェポン)として開発された。コントロールレバー類はアンビ化され、フォールディングフォアグリップ、各種光学機器が搭載可能なトップレール、フリップアップサイト、ピカティニースペックのサイドレール、リトラクタブルストックなど合理的なデザインはいかにもヘッケラー&コックらしい。
そんなMP7A1を再現したこのモデルの最大の特徴は独自開発のマイクロギアボックスだ。コンパクトなボディのMP7A1を電動ガン化するにあたり、VFCはスタンダード電動ガンのギアボックスを巧みにアレンジしたオリジナルのマイクロギアボックスを開発。コンパクトなボディを犠牲にすることなく、かつMOSFETを標準装備したうえでバッテリーの収納スペースを確保することに成功した。実際にレシーバーからギアボックスを取り出してみると、見事としか思えないほど完璧にデザインされている。8mmベアリング軸受、ハイスピードギア、ハイトルクモーターを用いるなど電動ガンとしての機能が充実している。
エポックメーキングなのはマイクロギアボックスだけではない。マガジン内の残弾がなくなると作動が停止、新しいマガジンを入れると作動可能になる機能を搭載。さらにマガジンセーフティが導入されており、マガジンを抜くと作動が停止する機能も追加されている。機能上、チャンバー内にBB弾が残るのだが、マガジン内の残弾がなく、かつマガジンを抜けば作動できないので、不意にトリガーを引いて撃ってしまうようなアクシデントを防げる。空撃ちはできないが、かなり安全に配慮した設計となっている。マイクロギアボックスを取り出してのメンテナンスはあまりお薦めできないが、各部のパーツはクオリティの高いものが使われており耐久性は申し分ない。
7.4V900mAhのリポバッテリーを用いて実射してみると、MOSFETが搭載されているためセミオートは非常にキレがあり、ダブルタップも余裕でこなす。一方、フルオートは実測したところ毎分約970発(秒間約16発)と必要にして充分なハイレートとなっている。マイクロギアボックスを見るとVFCのコダワリがヒシヒシと伝わってくる。
現在は内部パーツを中心にマイナーチェンジが施されたバージョン2がラインアップされており、実射性能がさらにアップしている。コンパクトな電動ガンが欲しい方はぜひ手に取って完成度の高さを体感してほしい。
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より詳しく知りたい方に
エアガンマニアックス
~最新エアガンのメカニズム&ディテール~
アームズマガジンでは紹介しきれない新製品やレギュラー製品の特徴、ユニークなメカニズムや特徴を持っているものの、特集記事やレビュー記事で深堀りする機会が少ない製品が数多くある。このMOOKでは傑作と呼ばれている製品を深掘りしたレビュー記事、マニアックでマイナーながら面白い銃をディテールから内部構造まで紹介する記事など「トイガンのアームズ」らしい一歩踏み込んだ、マニア向けのこだわった内容となっている。
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