実銃

2023/07/01

【実銃】BCMらしさを存分に魅せつけるパトロールオフィサー用ライフル「RECCE-14」【中編】

 

BRAVO COMPANY
RECCE-16 BCM4

Police Carbine

 


 特殊なデザインや機構に走るのではなく、とにかく“高品質かつ酷使に耐える”というプロフェッショナルのためのM4/AR15プラットフォームライフル製造で知られているのがBCM(Bravo Company Manufacturing, Inc.)だ。今回は、ローカルポリスデパートメントのために組み上げられた2挺のARを撃ち込んでみた。

 

前編はこちら

 


 

 

BCM RECCE-14 MCMR
RECCE-16との違いは銃身長が14.5インチになっただけだが、法制上マズルブレーキをピン溶接して、全長が16インチを超えるようにしてある

 

 14.5インチバレルの方はほとんどBCMオリジナルなので、詳しく見ていくと

 

  • 厳しいクオリティコントロールの賜物で、ロア/アッパーレシーバーから各操作系の作動まで、そのフィッティングはソリッドでガタは一切ない。

 

LE用カービンにドットサイトはもはや必需品だ

 

ハンドガード付け根にあるボルトは、両サイドから貫通していて、バレルナットのリセスに入ってハンドガードが抜けないようになっている。その後ろにある鉄製パーツは、ハンドガードが回転しないようアッパーレシーバーとロックしている

 

サイトマウントはこちらもGeissele社製

 

  • マズルブレーキはBCM Mod 0 コンペンセイターと呼ばれるもので、一見スタンダードのバードケージフラッシュハイダーに見えるが、れっきとした自社デザインのコンペンセイターである。マズルライズ(銃口の跳ね上がり)を抑える効果は必要じゅうぶんで、素早いターゲット移動を可能にしている。

 

BCM Gunfighter MOD 0 Compensator
一見するとA2バードケージのようなルックスだが、ちゃんとコンペンセイターとしての機能を果たしている

 

  • バレルはミッドレングスのポートシステムを持つ14.5インチで、コールドハンマーフォージによる自社製だ。すべてのバレルはHPT(ハイプレッシャーテスト)とMPI(マグネティック パーティクル インスペクション)をクリアしている。ツイストは1/7”で、55gr弾頭を得意とする。

 

ハンドガードは13インチとなる。ウェポンライトはシュアファイア社製スカウトライトプロでIRの照射も可能なモデルだ

 

  • ハンドガードはBCM MCMR 13 M-Lokが装着されている。重量は8.2oz(232g)。

 

  • バレルナットはスティール製。ハンドガードは2本のT15スクリューでバレルナットに固定される。

 

車内での取り回しの良さと取り扱いやすさを優先して、パトロールオフィサー用カービンとして組み上げてある

 

  • BCM Bolt Carrier Group 本体は、カーペンターNo.158スティールからの削り出し。ボルトキャリア内部もクロームラインしてあるフルオート仕様。

 

その高品質で人気の高いBCMボルトキャリア

 

  • レシーバーは7075-T6からの削り出し。

 

モデル名はBCM4と入っているが、商品名はRECCE-16となっている。RECCEはリキと読み、ミリタリー用語では偵察(リーコンとかスカウト)という意味がある。RECCE Rifleというと、セミオートの中距離(4-500m)までを射程とする精密射撃が可能なライフルのことを指す

 

  • ピストルグリップは“BCM Gunfighter PistolGrip”と呼ばれる自社製で、そのアングルは通常よりも垂直寄りになっている。これは昨今の前面投影面積を小さくするシューティングスタンスに適している。ビーバーテイル付き。

 

  • 自社デザインの“Gunfighter Stock”は、バッファーチューブとのガタもなく、両面にQDポイントを備える。

 

BCM Gunfighter Buttstock
ラバー製バットプレート、QDポイント、チークピースの形、大きさなど、完成度が高い

 

 個人的には、この14.5インチバレルの方に1-6倍のスコープを載せてCQBから中距離(400ヤード)までのオールラウンドモデルとして、じゅうぶん通用すると思う。バレル周りが軽くバランスが良いので、携行やその取り回しがもの凄く楽なのだ。射程400ヤードまでと割り切れば、かなり魅力的なセットアップとなる。
 

通常分解。チャージングハンドルもBCMブランドだ。このモデルは片側だけオーバーサイズになっている。両サイドから操作できるモデルもある

 

バレル長の違いは大したことないが、撃ち心地はかなり違う。14.5インチの方はコンペンセイターが効いているので、マズルライズはそれほど感じない

 

続きはこちら

 

Photo&Text:Hiro Soga

 

この記事は月刊ガンプロフェッショナルズ2021年5月号に掲載されたものです。

 

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