エアガン
2019/02/18
【特集】ライター座談会 テーマは「トイガンの今、そして新時代」
アームズマガジンライター陣が、トイガンの今、そして新時代を語る!
平成最後の年であり、新元号へ移行する2019年。はたしてどのような時代が訪れるのだろうか。ボスゲリラ、毛野ブースカ、モロ☆、モエガミの4人にアームズマガジンのバックナンバーを見ながら30年分を振り返りつつ2018年トイガン大賞の結果を分析、来るべき新時代のトイガンの新製品と業界の動向を予測してもらった。
パネリストはこの4名
ボスゲリラ
30年近くに渡ってサバイバルゲームシーンを牽引してきた
毛野ブースカ
アームズマガジンの制作に関わって20年以上になる
モロ☆
アームズマガジンをはじめエアガンの情報サイト「ハイパー道楽」でも活躍中
モエガミ
「ARMOR祭」や「Nerfサバゲ」を主催する若きサバイバルゲーマー
2018年トイガン大賞の結果を分析
平成30年分を振り返りつつ、2018年トイガン大賞の結果についてどう思われますか? |
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1988年は電動ガンが出る前夜じゃないですか。90年代になるとホップアップが付いた電動ガンが当たり前になる。そこから10年後の2008年は海外メーカーが出つつある。2018年になると海外メーカー勢が幅を利かせるようになった。そういう変化は見て取れるのですが、1998年から20年間、ハードウエア面でのドラスティックな変化は起きていないと思うのです。「電動ガン」「ホップアップ」「ガスブローバックガン」がある状態から変化していない。 |
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かつてはラインアップが豊富じゃなかったから、ユーザー側がガンスミスというよりフルスクラッチで一から作らなくてはならなかった。しかし今はメジャーなものからマイナーなものまで、だんだんとメーカー側が作るようになり、幅広くモデルアップされるようになってきた。 |
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昔は性能を優先してリアリティを犠牲にする、リアルだけど性能はイマイチというキャラクター分けがしっかりあったけど、今はそれがあんまりないような感じがする。今はある程度の性能である程度のリアリティが確保されている。そういった意味であまりとんがったものがない。画一的なのかなと。 |
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それでも、1位の東京マルイの89式小銃は順当とはいえ圧倒的ですね。3位はまさかのS&Tの三八式小銃! |
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でもこのS&Tの三八式小銃、私のツイッターのフォロワーさんがめちゃくちゃ買いまくってますよ。出た瞬間、一気にリツイートで情報が回って、憧れの三八式がこの値段で手に入ると。最初に買った人がいいと、問題ないとツイートした瞬間にクリックが止まらなかった。自分も押したんですけど間に合わなかったです…。 |
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電動ガンのトップはスコーピオンモッドMとはイマドキだね。 |
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新型という意味ではBOLTエアソフトのAKS74Uのほうがトップかもしれない。 |
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89式小銃は女性プレイヤーも買ってますね。自衛隊のものが好きで、それで89式小銃で揃えたいと。コスプレ的な観点からですかね。 |
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ロマンを求める層がこちらに来たのでしょうかね。モッドMがさらに上位に来たら、サバゲに効率を求める方が多いのかなあと思うのですが…。 |
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高価なハートフォードのコスモドラグーンが中段以上にランクインしているのはすごいことだと思います。 |
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東京マルイのグロック19は順当ですね。実銃ではGen.5がリリースされており、サードジェネレーションでもみんな欲しかったのですかね。 |
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グロック19という選択よりも、中味がガラッと変わったことが大きいのではないかという気がしますね。ロマンを追求すると89式にいくのかなと。使いやすい銃がほしいならガスブロを選ばないと思います。 |
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89式小銃は買っちゃうよね。 |
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ロマンって重要かもしれないですね。 |
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そういった意味だと自分はモッドMにロマンは感じないですね。コンパクトで軽いというイマドキを追いかけたものだなあと。 |
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自衛隊人気はタナカのP220IC陸上自衛隊にも現れてますね。 |
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日本人は日本のものが好きなんですかね。 |
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変わっているガンのほうが人気あるのかな。 |
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サバゲでシューティングに集中したい時はG&Gアーマメントの電動ガンを使っているのですが、最近はあまり新鮮味がなくなってきて、珍銃を持ちたいなっていう感じになってます。アーマー系に限らず、なるべくみんなが持っていないような銃を求める傾向にあると思います。ただ、その中でもサバゲで勝ちにいきたい時は、自分が持っている中でもG&Gアーマメントのような性能のいいものを使いますね。東京マルイは平均的っていうイメージがあります。 |
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そういった意味だと東京マルイの製品はバランスが取れているのかなと。ロマンもあって実用性もあるような気がします。 |
今回集まったライター陣の間でも評価の高かった東京マルイの「ガスブローバックマシンガン89式小銃」
今後のトイガン新製品&業界を予測
2019年は平成最後の年であり、新元号になる年でもありますが、今後のトイガンの新製品や業界はどのようになっていくと思いますか? |
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オレは一周すると思うんだよね。去年は珍銃じゃないけどミリタリーミリタリーしていない銃が多かった。でも次は、今どきのミリタリーな銃がほしいっていうトレンドに戻るんじゃないかなあ。エアガンだけじゃなくて装備も同じだと思う。 |
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もっとベタな方向に進むと。 |
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今はいいけど、飽きてくるとリアルなものがほしくなるんじゃないかな。最近は海外メーカー製が多いけど、東京マルイから発売予定のMk46 Mod.0は、東京マルイが出すっていうことで売れると思うよ。 |
多くのファンが期待している2019年に発売予定の東京マルイの新製品「次世代電動ガンMk46 Mod.0」
でも、もっと海外メーカー勢をドカンと引き離すものがほしいです。それより、今年以降問題になってくるのがパワーソースだと思います。ここで重要なのがサバイバルゲームフィールドの遵法意識だと思います。全国的な意思統一が必要なのではないかと思います。パワーソースの問題は、そうした意思統一が取れたうえでだと思います。 |
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しっかりとパワーが上がらないような安全対策が施されているかが重要だと思うよ。 |
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今の業界は危ないというラインはあっても安全というラインがない。安全というラインがあれば話が変わってくるのではないかと思います。エアガンは危ないというものから脱却することが必要なのではないかと。エアガンは危ないという意識が先行してしまっているような気がします。だからエアガンは安全であるというところに立った論理展開が必要になってきている。 |
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今の若い方たちには、これをやったら業界がこわれちゃうということを示してやるのも重要かなと思います。モデルガン規制や改正銃刀法施行などを経験してきた人たちが積み上げてきたルールやマナーを守ろうという意識が薄れてきているのかなと感じます。 |
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10年前の改正銃刀法が施行されたときは大変だったのに…。あわや業界がなくなるところだった。 |
2007年2月21日から完全施行された改正銃刀法。2度のモデルガン規制以来のトイガン業界を大きく揺るがす出来事だった
最近トイガンを始めた方たちは当時の様子を知らない方が多い。だからこそルールを守ることが大切である、業界を守るために大切なことであることを伝えることが重要だと思います。 |
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だからこそ、トイガンやサバゲ文化を牽引してきたアームズマガジンが果す役割は重要だと思います。 |
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そういった意味でメディアの真価が問われる時代になっていくのかもしれませんね。みなさんありがとうございました。 |
この記事は2019年3月号 P.68-69より抜粋・再編集したものです。