2019/02/12
【特集】平成トイガン30年史を振り返る
誕生してから50年以上経つモデルガンは昭和の時代に熟成されたのに対して、エアガンは平成の時代に熟成された、いわば平成の申し子と言っても過言ではない。1988年に創刊され、2018年で創刊30周年を迎えた弊誌の節目となった号とともに、年代別にエポックメイキングなトイガンをピックアップ。1988年から2017年まで平成30年間におけるトイガンの歴史を振り返ってみたい。
1988年~1990年
エアコッキングガンからガスガン全盛時代へ
1988年2月号(創刊号)/1988年12月号(月刊化)
JAC FAL L1A1
L1A1とはイギリス軍の制式名称である。本家のL1A1はセミオートオンリーだが、このJACのL1A1はセレクティブファイアである。全体的にリアルに再現されてはいるが、全長が長いせいもあって剛性が低く、強く握ると本体から軋み音が絶え間なく聞こえていた
トイテック キャリコM100
JACやアサヒファイアーアームズなどの製品に代表されるBV式フルオートガスガンが全盛の中、トイテックのキャリコM100はエアガン初の3点射バーストができる独自のフルオートメカを搭載したガスガンとして注目を集めた
MGC スミス&ウェッソン M645
ガバメントと同じ.45ACP弾を使用するオートマチックピストルM645をスライド固定ガスガンとしてリアルに再現。内部にライフリングが施された「サイクロンバレル」を初めて搭載したモデルとして記憶に残っている
1991年~1995年
電動ガンとガスブローバックガンの誕生
1992年8月号(創刊50号)
東京マルイ FA-MAS F1
BV式ガスガンによるハイパワーゲームが隆盛を極めていた1991年、モーターによってピストンをコッキングする画期的なメカを搭載した東京マルイのFA-MAS F1がデビューした。安定した作動と高い命中精度、扱いやすさから一気に広まり、BVガスガンは廃れた
ウエスタンアームズ ベレッタM92FS
ウエスタンアームズが開発した「マグナブローバックメカ」を搭載したガスブローバックガン第1弾として登場したベレッタM92FS。外観のリアリティ、作動、信頼性など、ハンドガンの主流をガスブローバックガンへと変えたモデルだ
東京マルイ コルトパイソン
オートマチックタイプのガスガンに比べて性能が低かったガスリボルバーの常識を変えたのが東京マルイのパイソンだ。グリップ内にガスタンクを設けるスタイルは他社と同じだが、1シリンダー4発×6個で合計24発というオートマチックタイプに匹敵する装弾数と命中精度を実現した
1996年~2000年
エアガンにおけるM4カービンブームの始まり
1996年10月号(創刊100号)
東京マルイ コルトM4A1カービン
サバゲフィールドで電動ガンがメインウェポンとして定着した1998年末にデビューした東京マルイの電動ガンコルトM4A1カービン。2001年に起きた9.11事件以降のM4カービンの爆発的な人気により大ベストセラー商品となり、数度のバージョンアップを経て現在でも電動ガン人気ナンバー1である
タナカ ルガーP08
ウエスタンアームズのベレッタM92FS以降、各社ともガスブローバックガンを精力的にリリースし始めた。タナカはマグナブローバックメカを搭載して実銃同様のトグルアクションを再現したルガーP08を発売。現在も同社の人気モデルのひとつに
東京マルイ M92Fミリタリー
東京マルイのガスブローバックハンドガン第2弾として発売されたM92Fミリタリー。デコッキング機能はオミットされてコックアンドロックのみとなっているものの、シンプルで扱いやすく、高い実射性能を備えている
2001年~2005年
新たなマスターピースの誕生
2003年2月号
(判型がB5判から現行のA4ワイド判に変更)
東京マルイ VSR-10
東京マルイ=電動ガンというイメージが強いが、東京マルイのエアガンの原点はエアコッキングガンだ。そんな東京マルイから発売されたエアコッキングガンVSR-10は、意外にも同社初のエアコッキング式ボルトアクションライフルだった。高性能でリーズナブルなことから現在でも人気がある
タナカ コルトSAA ペガサス式ガスガン
タナカのペガサス式ガスガンコルトSAAは、シリンダー内にガスタンクとガス放出バルブ、マガジンを設けるという独創的なアイデアから、ガスリボルバーの新たな常識を生み出した。コルトSAAはペガサスを搭載したガスリボルバー第1弾としてデビューした
東京マルイ ハイキャパ5.1 ガバメントモデル
優れた命中精度と高い信頼性、そしてリーズナブルな価格を実現した東京マルイのガスブローバックガンシリーズの人気を決定づけたのが、このハイキャパ5.1ガバメントモデルだ。高性能でカスタムしやすいことから、シューティングマッチでも愛用者が多い
2006年~2010年
エアガン成熟期&次世代電動ガンの誕生
2007年2月号(創刊20周年)
東京マルイ 次世代電動ガンSOPMOD M4
電動ガンはエアガンとして理想的なメカニズムだったが、ガスブローバックガンのようなリコイルフィーリングを味わえないのが最大のデメリットだった。そんなデメリットを打ち破るべく、東京マルイは撃つたびにリコイルショックが味わえる次世代電動ガンを開発。電動ガンの新たな世界を切り開いた
東京マルイ 電動ハンドガン USP
専用マイクロメカボックスを搭載した東京マルイの電動ハンドガンシリーズ。ニッケル水素マイクロ500バッテリーの交換はクイックチェンジ方式を採用。セミ・フルの切り替えはセーフティ/デコッキングレバーを用いて行なう
東京マルイ 89式5.56mm小銃
ダイキャスト製アッパー/ロアレシーバーやアルミ一体型アウターバレル、着脱式バイポッドなど各部に金属製パーツを多用。残弾確認孔つきマガジンの装弾数は69発。機械式3点射バーストメカを搭載したバージョン8メカボックス、EG1000BTモーターを搭載している
ウエスタンアームズ M4A1カービン(スーパーバージョン)
ライフルのガスブローバックガンはハンドガンに比べてリコイルショックを体感しにくい…そんなネガティブなイメージに挑戦したのがウエスタンアームズだった。M4A1カービンは驚くほどの強烈なリコイルショックとスピーディーなブローバックを実現。ライフルのガスブローバックガンブームを巻き起こした
2011年~2017年
発射システムの多様化と海外メーカーの進出
2013年6月号(創刊300号)
TOP M4カービンEBB
TOPのM4カービンEBBは、今までの電動ガンでは実現できなかったライブカート式の電動ブローバックガンだ。カートリッジにBB弾を装填し、実銃のようにBB弾発射後にカートリッジが次々と排莢(エジェクト)される様子はまさに圧巻。さらに弾を装填するまで実銃と同じプロセスが必要となる
KSC M4A1 ERG
電動ガンながら実銃さながらのリコイルショックが体感できるKSCのERG(エレクトリック・リコイル・ガン)シリーズ。マガジン内の残弾がゼロになると作動がストップする機能も搭載。実射性能も高く、KSCらしいこだわりが感じられる1挺だ
G&Gアーマメント ARP9
近年クオリティが格段に向上している海外メーカーによるエアガン。中でも台湾のG&Gアーマメントの電動ガンはMOSFETや電子トリガーを標準装備。オリジナルデザインながら実銃のトレンドをいち早く取り入れた外観が特徴だ。写真のARP9は特に人気が高い
東京マルイ ガスブローバックガン M4A1 MWS
満を持して発売されたM4カービンのガスブローバックモデル。レシーバーやボルトキャリアにはセラコートが施されている。内部にはボルトキャッチシステム「ZETシステム」を内蔵しておりボルトキャッチの破損を防ぐ。実射性能は電動ガンに匹敵するほど高い
東京マルイ 電動ショットガンAA-12
東京マルイの電動ショットガンAA-12は同社のエアショットガン同様の「3シリンダー&ピストン」「3インナーバレル」「3ホップアップシステム」を搭載。セミ・フルの切り替えができ、東京マルイ初となる「FETシステム」が採用されている
タナカ M700 AIR 26インチTri-color Desert Camo
リアルなマガジンポジションを実現した独自の給弾システムと、ショート&ライトなコッキングプルが特徴のタナカのエアコッキングガンM700 AIRシリーズ。写真はHSプレシジョン社のトライカラー・デザートカモを完全に再現したモデル。同社のM40AIR Vietnamで採用されたセラコートを使用している
この記事は2019年3月号 P.66-67より抜粋・再編集したものです。