2022/05/27
トイガンでみる70~80年代名作映画7選!
英雄たちの名銃をエアガンで
トイガン業界において、最新モデルの銃が人気なのはある種当然のことだが、一方で数十年前に活躍したモデルも未だ根強い人気を誇っている。その理由は様々あるだろうが、そういった(今見れば)古い銃が活躍する1970~80年代の名作映画が一翼を担っていることは間違いないだろう。
今回はそうした名銃が活躍する1970~80年代の名作映画たちを、作中を再現したトイガンとともに紹介していこう。
ダーティハリー(1971年)
アクション映画を語る上で絶対に外せない作品『ダーティハリー』。1971年の公開より「マグナム」ブームを起こした火付け役だ。その発端は主人公が使う、当時“最強"だったS&W M29である。
実銃は1950年代に発売されていたものの、しばらくは不人気状態が続いていたという。しかし『ダーティハリー』の公開を機に世界中で大人気となり、全米のガンショップで品切れ状態だったそうだ。
タナカがガスガンで再現したこちらの製品は、リアルなディテールに加え、気温の変化に強く、また命中精度が高い。ヘビーウエイト樹脂を使用しているため、その重量は1,090gと、ずっしりとした重さを実現しているのもポイントだ。思わず「Go ahead. Make my day」と呟きたくなる一品だろう。
コブラ(1986年)
『コブラ』は、シルベスター・スタローンの『ランボー』シリーズと並ぶ、もうひとつの代表作だ。当時のスタローンは人気絶頂。本作も大ヒットし、彼の劇中のファッションに至るまで注目された。
銃についてもスペシャルなプロップガンが用意された。スタローンが腰の前に無造作に挿して携帯するのは、コルト・マークIVシリーズ'80ガバメントのゴールドカップナショナルマッチ。威嚇するコブラのイラストが入ったカスタムグリップが装着され、なんと9mmコンバージョンキットによって口径を9mm化している。
エランは直営ショップ開店5周年記念としてこのコブラのナショナルマッチを再現。ゴールドカップナショナルマッチのフレームに9mmコンバージョンユニットが組み合わされており、実銃同様のフロントサイト、アクロサイトを装着。ジェイスコット製グリップは木と象牙の二重構造で再現。もちろんあのコブラのイラストも忠実に再現されている。マガジンも9mmコンバージョンユニットにあわせて9mm×19弾仕様を再現。同社のガバメントモデルの中でも屈指の完成度の高さを誇る。
ターミネーター(1984年)
『ターミネーター』は言わずと知れたSFホラーアクション映画の超傑作だ。超人的な肉体をもつアーノルド・シュワルツェネッガーが本作で演じた、倒しても倒しても、なお襲いかかる冷酷な殺人マシーンは、アクション映画のみならず、その後のSF映画も大きく変えた。
銃はレーザーサイトを搭載したロングスライドの1911オートのAMTハードボーラーや、近未来的なデサインのSPAS12等が人気となった。監督のジェームズ・キャメロンは、そのすべての作品で銃器描写が非常に凝っていて、本作のガンアクションも見どころ満載だ。
B.W.C.はターミネーターが手にしていたレーザーサイト付きのAMTハードボーラーをモデルガンで忠実に再現。銃本体は劇中モデルと同様に中期型を再現。B.W.C.オリジナルのレーザーデバイスにはHWS製ビームフォードを内蔵、実際に機能する。高価だが予算が許せばぜひ手に入れたい逸品だ。
ダイ・ハード(1988年)
『リーサル・ウェポン』(1987年)以降、多弾数オートピストルの連射性能を活かした演出のアクション映画が増えてきたが、そこからまた新しい流れを作ったのが『ダイ・ハード』だ。主人公を演じたのはブルース・ウィリス。本作で彼が演じたジョン・マクレーン刑事は当時流行だった超人的なマッチョヒーローではない(タフだが)“普通の男”。どこにでもいそうで妻に別居されるような冴えない刑事が、最強のテロリスト集団を相手にたった独りで立ち向かい、次々とやってくる絶体絶命の大ピンチを機転とド根性と愛銃のベレッタ92Fで切り抜けていくさまが痛快だった。
ウエスタンアームズはマクレーン刑事愛用のベレッタ92Fをカーボンブラック・ヘビーウエイト樹脂を使用し、黒染め仕上げしたあと丹念に磨き上げることで、いかにも使い込んだ金属の質感で再現した。しかもグリップにもヘビーウエイト樹脂を使うことで、1kgを超える重量を実現。可変ホップアップバレルとRタイプマガジンによるパーフェクトバージョン仕様で、シビアな射撃も楽しめる。
ロボコップ (1987年)
『ターミネーター』と並ぶ、まだCGがほとんどなかった時代の1980年代を代表する傑作SFバイオレンスアクション。物語の舞台は近未来のアメリカ工業都市デトロイト。治安が激しく悪化し、巨大企業によって民営化された警察などシュールな設定で構築された危うい世界観が見事で、主人公のサイボーグ警官「ロボコップ」の活躍は痛快極まりないが、人間の心を残しながらも治安維持のための製品として扱われるため、とても切ない。
本作に登場する銃器やガンアクションも当時、話題をさらった。ロボコップの愛銃「オート9」は、公開前から「3ショットバーストが可能なベレッタ93Rがベースで、迫力を増すため銃身に巨大なスタビライザーを取り付けた物」と紹介されていた。当時93Rはその特殊な性能からベールに包まれており、その銃を撃つ映像は本当にレアだった。それだけにロボコップの93Rベースのプロップガンの盛大な撃ちっぷりにガンファンは大興奮。加えて「相手を見ないで撃つ」や「オート9でガンスピンした後、腿に収納」などの斬新な描写が楽しかった。
他メーカーに先駆けてベレッタM93Rのトイガンを手掛けてきたKSCはオート9も早くからトイガン化してきた。いわばオート9の老舗だ。フルオートでも銃を安定させるスタビライザー、高精度の長いインナーバレル、装弾数38発の大容量マガジンなど、撃って楽しむのに最適の仕様。ただし3バーストで撃ちたい人はバーストパーツセットを別途購入して組み込む必要がある。写真は重量感溢れるヘビーウエイト樹脂を使用したモデル。
エイリアン2(1986年)
SFスリラー映画『エイリアン』シリーズの第2作目。監督は『ターミネーター』などを手掛けたジェームズ・キャメロン。
この作品の銃といえば、主人公であるUSCMC(連邦植民地海兵隊)のエレン・リプリーが持つM41A、通称“パルスライフル”だろう。いかにも近未来的な外観をしているが、ベースガンはなんと第二次世界大戦中にアメリカ軍に採用されたサブマシンガン・トンプソンM1A1だ。
SNOW WOLFはこのパルスライフルを電動ガンで再現。プロップガン同様、トンプソンM1A1をベースにバレルジャケットやキャリングハンドル、リトラクタブルストックなどパルスライフルを象徴する外装を着装。バレル下部のU1グレネードランチャーもリアルに再現。フォアエンドを下げるとランチャー右側にあるエジェクションポートが開いてダミーのグレネード弾が現れるギミックが付いている。さらにマガジンハウジング右側にデジタル残弾カウンターが付属されており、撃った弾数にあわせてカウントが減るという機能まで再現されている。
マッドマックス2(1981年)
1970~80年代に製作された伝説的な映画シリーズのひとつが『マッドマックス』シリーズだ。第1作ではスーパーチャージャー付きV8エンジンを搭載した高速追跡車“インターセプター”やソウドオフしたハンドガンタイプの水平二連(ダブルバレル)ショットガン等が登場し、カッコ良く大活躍した。その続編では、何と“世界大戦により文明が崩壊した世界”へと物語の舞台を大きく変更した。これを説明する映画の冒頭だけでも、当時かなり衝撃的だった。
その『マッドマックス』の主人公マックスの愛銃が、水平二連ショットガンのバレルとストックをギリギリまで切り詰めたソウドオフショットガン。CAWのマッドマックスモデルガンは、当時発売されたハドソンのソウドオフモデルガンの金型を買い取ってリバイバルしたもの。仕上げはマットブラックで、ストックとフォアエンドは樹脂製と木製が用意されている。
今回紹介したような1970~80年代の映画やドラマ、その中に登場した銃が好きな方にオススメしたいのが、5月23日(月)に発売されたMOOK「1970~80年代 ヒーローとともに輝いた銃」だ。
第二次世界大戦後から1980年代にかけて製造され、いまだ根強い人気を誇る「ネオクラシックガン」をフィーチャーした一冊となっている。
コルトパイソン、ベレッタ92F/M9、ガバメント、M16など1970年~1980年代に上映・放映された映画やTVドラマ、アニメなどに登場するハンドガンやライフルをピックアップ。それらの実銃の特徴はもちろん、エアガン・モデルガンも紹介。映画やTVドラマの解説も併せて掲載している。ハードボイルドに憧れた青春時代を過ごした40~50代の方々はもちろん、格好いい銃に興味のある若い方にもぜひ手に取っていただきたい。
TEXT:毛野ブースカ/トルネード吉田/アームズマガジンウェブ編集部