2022/04/19
凸砂とは? 突撃スナイパーたちの魅力に迫る【突撃!スナイパー塾】
スナイパーとは身を隠し、遠方から狙い撃つもの……。そんな常識に真っ向から抗い、ロマンを追い求める傾奇者たちがいた。射線さえ通りゃ戦況次第で突撃する命知らず。人は彼らを「突撃スナイパー」と呼んだ。
突撃スナイパーとは!?
――というわけで今回は連日お届けしているスナイパー特集に便乗して、スナイパーなのに突撃する、矛盾を孕んだ最高にロックな戦法である「突撃スナイパー」をフィーチャーしよう。
読者の皆様には「そもそも突撃スナイパーとは何ぞや?」と疑問符が浮かぶ方も多いだろう。突撃スナイパーとは元を辿ればFPSゲームで生まれた用語だ。界隈では略して「凸砂」(凸=とつ、砂=すな)と呼ぶことが一般的(本記事でも以後凸砂と呼称)。FPSは体力制であることが多く、主流であるアサルトライフルなどは3~5発程度命中させなければ敵を倒せない場合がほとんどだ。対してスナイパーライフル、特にボルトアクションライフルは威力が高く設定されており、一撃で敵を倒せることも珍しくない。そこに目を付けた一部のプレイヤーが「当たれば一撃必殺の近距離武器」として、スナイパーライフルを最前線に担ぎ出したのが凸砂のはじまりと言われている。荒唐無稽なように見えて、ゲームにおいては実用的な側面があったのだ。
そうしたFPSにおける凸砂プレイヤーたちが輸入してくる形で、サバゲーにおいても凸砂スタイルを見かけることが増えてきた。
しかし、誤解を恐れずに言うと、サバゲーにおいての凸砂スタイルはロマンに振り切ったスタイルであると言わざるを得ない。サバゲーでは基本的にスナイパーだろうがハンドガンだろうが、頭に当たろうが指先に当たろうがすべてヒット扱いであるし、電動ガンでもエアコッキングスナイパーでも射程距離はほとんど変わらない。凸砂が直面しうるシチュエーションのほとんどが「それ電動ガンでよくない?」の一言で片づけられてしまうのだ。ああ、なんてご無体な!
とはいえ、いかに楽しむかというのが最重要なサバゲーにおいて凸砂は数多くの楽しめる要素を持っている。一発勝負で撃つか撃たれるかというスリルは連射できる銃では得難いものだし、エアコッキングゆえの静音性と正確な弾道を武器に、前線を突破してフラッグゲットを目指すのもアリかもしれない。そういうロマンや戦略性を内包した凸砂は、通常のサバゲーとは違った刺激を与えてくれる新たなプレイスタイルなのだ。
さて、口では薦めるだけ薦めておいて自分ではやらない、となれば凸砂の普及など夢のまた夢。アームズマガジン編集部たるもの体当たりで実践してナンボ! ……ということで、後編では実際にフィールドで凸砂トライアルに挑戦した模様をお届けするのでお楽しみに。
この記事は月刊アームズマガジン2022年4月号 P.66~71をもとに再編集したものです。