2021/12/21
【実射】各国の軍や法執行機関で採用された名銃「MP5A3」を実射!!
従来のSMGを上回る命中精度のMP5
最近では東京マルイから次世代電動ガンMP5A5が発売され、ふたたび脚光を浴びているMP5は今に至っても実銃、エアガン問わず知名度のある銃だ。今回はMP5A3の実銃を実射し、その実力と魅力に迫る。
MP5A3の実射
さて、今回試射するにあたって訪れたのは、おなじみのエーデルワイス・アドベンチャーだ。ここは、オーストリアの首都・ウィーン郊外にあるLE向け射撃訓練施設で、これまで何度かSMGやマシンピストルのレポートを行なった際、MP5シリーズとの撃ち比べもしてきた。今回もどのような結果になるか楽しみだ。
何よりもうれしいのは、用意されたMP5がフルオートモデルだということ。OEMでB&Tが製造した民間向けセミオートのMP5はあるが、H&Kは基本的にMP5を民間向けには販売しない方針で、純正MP5を撃ちたければ警察や軍のツテを頼らなくてはならないのである。
さて、マガジンにカートリッジをフルロードし、射撃位置へ。MP5のマガジンはダブルカアラムなので、装填する前にマガジン内の初弾の位置や、左右どちら側にあるのかを確認する。そしてマガジンを装填し、チャージングハンドルを叩いてボルトを閉鎖する。そこで改めてマガジンを抜き、一番上にあるカートリッジの位置を再度確認する。先ほど見た初弾と左右逆の位置にあれば、チャンバーにカートリッジが無事に送り込まれているというわけだ。
いざ撃ってみると、リコイルがまっすぐ後ろにくるため容易に受け止められ、そのうえマズルジャンプがほとんどない。これはローラーディレイドブローバックの恩恵によるもので、セミ、フルどちらでも抜群にコントロールしやすかった。アイアンサイトは見やすく、伸縮式スライドストックの細い金属アームでも頬付けは苦にならない。撃てば撃つほどMP5の優秀さを再確認できた。ポストMP5といえる銃が現れないのもうなずける。
まとめ
作動の正確さ、信頼性の高さ、そしてこの射撃時の扱いやすさ。綿密に練られた基本設計に裏打ちされた性能は数十年経った今でもまったく色褪せていない。まさにSMGの新たな可能性を示した傑作と言っていいだろう。
多種多様なアクセサリーを装着した銃は、確かに格好いい。しかし、このMP5のようにまっさらな銃を構えると、シンプルな機能美や設計者の思いが見え、この銃の持ち味を再確認させてくれたのだ。
月刊アームズマガジン2021年12月号ではこのMP5の実銃についてさらに詳しくレポートしている。ここまで読んでさらに気になった方はそちらもチェックしていただければ幸いだ。
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Text & Photos:櫻井朋成(Tomonari Sakurai)
この記事は月刊アームズマガジン2021年12月号 P.76~83より抜粋・再編集したものです。